春の本格化、新生活に向けて健康意識高まる、日本の伝統食にも着目|「これは押さえたい」グロサリー編・2023年3月

2023.02.02

2023.02.03

フロントオフィス企画代表 近藤 智

昨年秋から続いている値上げ問題。食品を中心に生活に直結する商品群が値上げラッシュになり、2022年は記録的な値上げの1年となった。結果、消費者にはすっかり生活防衛意識、節約意識が定着した。

今年も2月には4000品目以上の値上げがあり、3月には約2000品目の値上げが予定されている。この消費環境下での販売促進ということを再認識しておきたい。

さらに新型コロナウイルスが問題化して3年以上経過する中にあって、まだ影響が残る点も留意したい。

2月27日(月)から3月5日(日)の第1週。桜前線、春一番など春が身近に感じられるころになる。コロナ禍だが異動、転勤の家庭は引っ越しの荷造りグッズの需要が増えるころである。食に関しては三寒四温でちらし寿司、鍋物など春と冬のメニューが混在する季節なので、臨機応変に売場づくりをしたい。

3月6日(月)から3月12日(日)の第2週。コロナ禍でほとんどの人がマスクをしている中、特に花粉症の人にとっては外出そのものが苦痛となるころである。黄砂やPM2.5の話題があちこちで聞かれる時季。機能性の高いサージカルマスクやうがい用にも重宝なペットボトル入り緑茶類や喉あめなどの需要が増えるころで品揃えに注意したい。

3月13日(月)から3月19日(日)の第3週。「暑さ寒さも彼岸まで」といわれる春分の日を次の週に控え、生活モードが大きく変わる節目の時季となる。食品ではぼた餅、桜餅、柏餅など彩り豊かな和菓子の需要が急上昇し、食卓が明るくカラフルになる。また、春野菜のサラダが食卓に並ぶころで、ピンク色を基調とした春の売場づくりに努めたい。

3月20日(月)から3月26日(日)の第4週。新入学、異動転勤の人がいる家庭は新生活の準備が完了するころとなる。小中学校など春休みに入り、コロナ禍で用心しながらピクニックなどの外出や職場の花見などで菓子類、サンドイッチや弁当、オードブルの盛り合わせなどの需要が一気に大きくなる。予約の販売態勢を強化したい。

3月27日(月)から4月2日(日)の第5週。桜前線が一気に北上するころとなる。POPなど売場のイメージカラーを桜色で統一して春のうきうき感の演出がポイントとなる。進級、新入学、異動転勤など、新生活スタートをハレ食材で演出したい。販促ポイントとしてはホームパーティ用の予約販売の事前準備の徹底を。

グロサリー

ひなまつり! ホームパーティはちらし寿司!

3月3日は桃の節句、「ひなまつり」の日。わが子の、わが孫の成長と健康に感謝しつつ、少しでも華やかに食卓をカラフルにちらし寿司でホームパーティを演出する。また、この時季は卒園、卒業、進級などのお祝いごとも続く。

華やかな売場づくりのポイントはピンク色が基調。カラフルに桜の枝付き造花などを飾り付けて、うきうき感を演出したい。さらに、エンド最上段には「ひな飾り」を備え付けて注目度、関心度を高める。また、視覚以外にもBGMをエンドレスで流すなど聴覚にも訴求して買上率を上げたい。

今年の訴求ポイントとして、子や孫と同居していないシニア層にも、女の子のお祝いとして新たに60歳の還暦の女性やシニア女性層にもユーモアを交えたPOPで案内してみてはどうか。

重点商品

食材として、ちらし寿司のもと、お吸い物、吸い物用小玉麩、寿司酢、錦糸卵、タイでんぶ、かんぴょう、乾燥シイタケ、刻みのり、赤飯のもと、ミカン缶詰、サクランボ缶詰、ひし餅など。飲料として白酒、甘酒、炭酸飲料、カルピス、各種ジュース類など。関連販売として、ひなあられ、桜餅など。

春野菜メニューで食物繊維たっぷり!

春野菜がオンパレードになるころ。ベジタリアンのみならず、旬の野菜を使ったメニューレシピをすべての来店客に訴求。ポイントは食べ方、楽しみ方の提案POPのある売場づくり。

例えば、新玉ネギ、新メークインジャガ芋、スナップエンドウ、トマト、アスパラガスなどを使ったサラダメニュー。春ピーマン、早生キャベツを使った炒め物メニュー。その他として、彩りにグリーンピース、あえ物にホウレンソウ、デザートにデコポン、甘夏、博多あまおう、グレープフルーツなど。

重点商品

サラダメニューでは玉ネギドレッシング、深煎りゴマドレッシング、すりおろしオニオンドレッシング、フレンチドレッシング、イタリアンドレッシング、中華ドレッシング、ゴマ油&ガーリックドレッシングはじめ、健康を意識した消費者にはノンオイルドレッシング、低カロリーのマヨーネーズなど。

炒め物メニューでは、やはり健康志向ということでコレステロールゼロのキャノラー油、関連してアマニ油、エゴマ油など。デザートのフルーツ用にフロストシュガーなど。

スーパーフードを見直そう! 日本の伝統食!

近年、欧米を中心に日本食や日本の食材が見直されている。日系スーパーマーケットをはじめ欧米、中国などの食品売場で「日本食」や「日本食材」のコーナースペースが拡大されつつある。

そこで、日本国内で日本食材、日本食を見直すべく、伝統食でありスーパーフードと呼ばれている食材をカテゴリーごとに分けて、一定サイクルで拡販したい。具体的には発酵食品類、農産乾物類、海産乾物類、米類、お茶類を品揃え、訴求。 

重点商品

まず、発酵食品ではみそ、しょうゆ、甘酒がある。みそは地元のローカルブランド商品と全国に流通しているナショナルブランドに分かれる。さらに、米、麦、豆などの材料別、塩分濃度などの健康志向別、パックや袋、チューブ入りなどの容器別など、用途に応じて分類して訴求したい。

しょうゆは濃い口、薄口などの用途別に分かれる。甘酒は「飲む点滴」といわれるぐらい伝統的な健康飲料である。農産乾物では高野豆腐、麩、くず粉、大豆、小豆など。海産乾物ではヒジキ、のり、寒天、昆布、ワカメなど。米類ではブランド米はじめ、玄米、米ぬか、大麦など。お茶類では煎茶はじめ玉露茶や抹茶など。これら伝統食はスーパーフードとして訴求したい。

新生活がスタート! 自炊応援フェア!

新入学や新社会人として単身生活がスタートする人、また、その人たちの親御さんなどにアピールしたい。キーワードは規則正しく食事して生活のリズムをつかむこと。

新たに単身生活に入った人は偏った外食や欠食になりやすいといわれている。そうならないために、簡単便利で重宝な自活応援をテーマに売場づくりをしたい。

重点商品

必須アイテムとして無洗米、パックご飯、フリーズドライのみそ汁類、カップスープ類、各種レトルト食品、サバ缶などの魚缶、蜂蜜、野菜ジュース類、スティック式コーヒーなど。その他、常備しておくと重宝はカップ麵類やインスタント麺類、レトルト合わせ調味類など。

菓子

春らんまん!桜色の菓子たち、全員集合!

この時季、すっかり外は春のまぶしいぐらいの光の中。そこで、春の色である桜色に統一した売場をつくり、訴求力を高めたい。具体的にはパッケージ、袋がピンク色系、赤色系でまとめたエンドとして品揃え訴求したい。

重点商品

定番売場の中のカテゴリーごとにピンク色系、赤色系のパッケージの商品群をピックアップして選別して陳列訴求したい。カテゴリーはチョコレート、キャンディ、グミ、スナック、コンニャクゼリー、クッキー、ビスケット、各種ポケット菓子類など。

三寒四温、温かショウガの伝統菓子!

薬膳料理に食材としてショウガはよく使われているが、昔からショウガは体を温めてくれるといわれている。そこで、三寒四温のこの時季、ショウガを材料にした菓子を提案訴求したい。ポイントは品揃え訴求でアイテムをなるべく多く展開して、買上点数アップ、まとめ買いを提案する。

重点商品

ショウガせんべい、ショウガかりんとう、ショウガケンピ、ショウガ喉あめ、ショウガ黒糖、ショウガクッキー、ショウガ砂糖漬け、ショウガドライ薄切り、ショウガおこし、ジンジャーチョコレートなど。

春のお彼岸! 懐かしい和菓子フェア!

店舗によっては日配の和スイーツになるが、菓子部門としても提案。売場の色使いとして、桜色、ウグイス色の敷布を使いエンドではなく、平台にて展開する。また、飾り付けとして茶器や一輪挿しなども添えて和のたたずまいを演出。

重点商品

桜もち、草餅、柏餅、よもぎ餅、ぼた餅、どら焼き、カステラ、ようかん、栗ぼうろ、ヤドリギ、破れ饅頭など。

新生活スタート! しっかり朝食フェア

栄養・規則正しい生活の提案をシリアル商品中心に訴求した売場をつくりたい。さらに、野菜ジュースや牛乳など、統一POPで他の部門との関連販売を強調。

重点商品

カルビーのオーツ麦、ライ麦、玄米、フルーツを材料にしたフルグラ、日本ケロッグの発酵性食物繊維の入ったオールブラン、乳酸菌、鉄分、カルシウム、9種のビタミンを含むシスコーンフロストなどを訴求。

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