歯と口の健康、梅やラッキョウの伝統食、「父の日」などがテーマ|「これは押さえたい」グロサリー編・2023年6月

2023.04.28

フロントオフィス企画代表 近藤 智

消費環境は非常に厳しい中にあることを再認識したい。昨秋から値上げが続いているが、2月の大規模な値上げに続き、今春の4月には値上げラッシュとなった。

4月は新生活スタートの月だが、新年度早々、この6月もその影響があると思われ、さらにこの頻繁で断続的な値上げの動きは今秋まで続くと思われる。

帝国データバンクの調査によると、2人以上の世帯で年間平均2万6000円の負担が増えると試算している。この消費環境下、6月度も高頻度使用商品、高頻度購入商品の売り損ないがないように必須商品群とアイテムを訴求して、かつ、新規商品も同時展開する。

5月29日(月)から6月4日(日・変則)までの第1週。6月4日は「歯と口の健康週間」で、この機会に歯と口腔に関心を持ってもらうようにキシリトールのチューイングガムやオーラルケアグッズ、デンタルヘルス系を関連訴求。

さらに食の伝統行事として梅干しやラッキョウを漬ける時季で、料理を趣味とするシニア男性層の遊び心に伝統の食文化を訴求したい。

6月5日(月)から6月11日(日)までの第2週。一部地域を除いて全国的にこのころ、梅雨入りとなる。米の産地ではこのころ、田植えとなり、農作業の合間のおやつ、間食として菓子パン、だんごなどの和菓子類の需要が上昇する。他の商品群では部屋干し対策の衣料洗剤など関連グッズの重要がさらに高まる。

6月12日(月)から6月18日(日)までの第3週。5月の「母の日」と比較して6月18日の「父の日」は影が薄いが、ごちそうメニューの訴求を強化。中元ギフトの売場づくりと先行予約がスタートするころで、早期予約割引制度の利用促進、販促促進を強化したい。値上げの環境下だが、夏の賞与での買い物プランをめぐらし、家族全体でわくわくするころである。

6月19日(月)から6月30日(金・変則)第4週。6月21日は夏至で、1年で最も日が長くなる。このころは買物時間も長く、遅くまで来店客があるので、夕方以降の品切れ防止がポイントになる。例えば、牛乳、ヨーグルト、食パン、弁当類はじめ、加工食品ではカップ麺、即席麺、飲料系などの即食系商品の在庫管理に注意したい。

グロサリー

料理好きの男性シニアさま! 漬物を漬けよう!

シニア向けの料理教室への入校案内が増えてきた。曜日によってはシニア男性専用のクラスがある。定年退職したシニア男性に「食べる」だけでなく、「料理を作る」喜びや家族はじめ友人らに「食べてもらう」喜びを味わってもらおうという提案ということで盛況である。

そんなシニア男性をターゲットに漬物づくりを提案。ラッキョウ、梅などの本格的な漬物から一夜漬け、ぬか漬けなど、比較的簡単な漬物まで幅広く提案したい。また、酢や氷砂糖はじめ関連販売として、他部門とのコラボレーションで焼酎、漬物用広口瓶など品揃えした売場を展開したい。

重点商品

ラッキョウ酢、酢、梅酢、氷砂糖はじめ、漬物のもととして、たくあん漬け、高菜漬け、ビール漬け、柚漬け、キムチのもと、たたきキュウリのもと、一夜漬けのもとなどがある。

さらに、液状の浅漬けのもと、ぬか漬けのもとなども幅広く品揃え訴求したい。

田植えの昼食、間食に重宝! レトルト食品!

この時季は各地で田植えが行われるころ。昔はあんパンはじめ菓子パンの類がメインで缶コーヒー類が中心であった。最近は昼食や間食などが変化してきている。具体的には田んぼの現場でも携帯コンロでお湯を沸かし、昼食や間食としてレトルトカレーなどを中心にレトルト食品を活用することが増えてきた。そこで、品揃えで訴求力のある売場を展開したい。

重点商品

まず、パックご飯は必須。訴求する商品へのアプローチは外国人に向けたハラル対応など、以前にはなかった配慮も必要となる。また、肉の種類で牛のビーフカレー、豚のポークカレー、鶏のチキンカレーはじめイノシシや鹿、熊などのジビエカレーなど、おいしさと話題性がポイントとなる。価格訴求ではなく、品揃え訴求で、買上点数が上がる売場づくりを心がけたい。

忘れていないよ! 父の日ご飯、作ったよ!

5月の「母の日」に比較すると、「父の日」は影が薄い状況下である。そこで、感謝の気持ちを込めて、子どもがメインで母親がサポートするというスタイルでレトルト調味料を使ったレシピ提案を訴求したい。

和風、洋風、中華風、韓国風、エスニック風のいわゆる「五風」のレトルト調味料はじめ、ふりかけ類、即席スープ類、即席みそ汁などの簡単便利な副食材を訴求展開。また、デザート系や飲料系含めて品揃え展開したい。

重点商品

まず、米、パックご飯が必須で、和風では牛丼のもと、洋風では豚のバルサミコソースのもと、中華風では八宝菜のもと、韓国風ではプルコギのもと、エスニック風ではトムヤンクンのもとなど。パスタ類、カップ麺、缶詰なども同時展開したい。デザートとしてプリンやゼリーのもと、ババロアのもと、ウーロン茶などの飲料も同時展開を。

気温上昇中! ペット飲料フェア!

長期予報での予想気温は高いといわれ、雨の日数は前年並みとなっている。そこで、本格的な夏に入る前に熱中症対策を兼ねて飲料を提案したい。特に特定保健用商品(トクホ)や機能性表示食品を展開したい。

重点商品

脂肪がつきにくいトクホのコカ・コーラプラス、妊産婦にもやさしいカフェインフリーの伊藤園のお~いお茶カフェインゼロ、内臓脂肪を減らすのを助けるトクホの花王ヘルシア緑茶はじめ、サントリートクホ伊右衛門特茶や胡麻麦茶など品揃え、訴求を。

菓子

子どもの時から菓子で歯と口の健康習慣を!

6月4日から「歯と口の健康週間」がスタートする。菓子は子どもが虫歯になると思われ、親が子どもに菓子を与えることにためらいがちになりやすい。そこで、子どもの歯だけでなく、心身ともに健康習慣になるようにこの機会に正しい情報を提供して訴求したい。例えば、おやつは唾液の分泌が盛んになり虫歯になりにくいといわれる15時から16時ぐらいまでに与えることや、おやつは心と体の両面から成長の糧になるなどPOPなどで案内したい。

重点商品

ロッテから新発売されるディズニー100周年限定第1弾ENJOY CUBEアソートボトル、モンデリーズジャパンのリカルデントはじめ、子どもに人気のポケット菓子をメインに品揃え訴求したい。

いつも身近に置いておきたいミニ菓子たち!

吊り下げ式で4連から10連まである連菓子が子どもから若い女性層まで人気である。特にダイエットが気になる大人は机の引き出しにしのばせて、コーヒーブレイク用に1袋ちぎって食べられるので、罪悪感もなく楽しむことができる。陳列サイクルを決めて、順次入れ替えて、数多く品揃えしたい。

重点商品

子ども用ではカルビーかっぱえびせんミニ4、アンパンマン、スーパーマリオ、プリキュアなどやラム菓子、グミなどが人気。大人用では芋けんぴ、チロルチョコ、おっとっとなど幅広く展開。関連商品として、個包装の菓子が入った大袋の菓子も同時展開。例えば、不二家の38枚ホームパイ、ブルボンのミニビットアソートFSなど。

「父の日」お父さんも喜ぶ懐かしい菓子!

6月19日は「父の日」だが、5月の「母の日」と比べると存在感が薄い。そこで、この機会に父と子どもの会話の接点を増やすべく、父が小さいころから食べていた駄菓子を一緒に食べながら話題にしようという提案訴求である。

重点商品

かりんとうはざらめ付き、黒糖味、サツマイモのけんぴなどを展開。蜂蜜カステラサンド、鈴カステラ、松露、栗しぐれ、甘納豆など昔懐かしい駄菓子を展開。

涼菓の王様! ラムネ菓子フェア!

気温上昇と共にさっぱり系、酸っぱい系はじめ、口の中で溶けて泡が出るラムネ菓子の人気が上昇してくる。そこで、定番売場で品揃えしている商品群を定番売場の中で訴求したい。

エンドで展開する場合は、1個ごとの単品売りだけでなく、10個、20個などのボール単位で販売できるような売場づくりをしたい。また、大人用としては仕事の合間の頭のリフレッシュにぶどう糖入りのラムネ菓子をPOPにて勧めたい。

重点商品

ブルボンの新商品のフェットチーネグミソーダ味、森永製菓の大粒ラムネ強炭酸シュワコーラ、ロッテのトーマスとなかまたちラムネ、コリスのフエラムネファミリーアソート、アサヒのカルピスラムネ、オリオンのミニコーラ、カバヤのジューCシリーズなど幅広い品揃えで選ぶ楽しさの演出を強化。

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