トータルプラン　横島宏一

※今回から日用品/雑貨については「定番以外のプラスアルファ」提案をメインにします。定番の12カ月分の商品・売場についてはこちらの月別対策をご覧ください。

今月のピックアップカテゴリー「バーベキュー」

コロナ禍において、人気を集めたのが「アウトドア」である。密を避けて自然の中でのキャンプや庭でのバーベキューが人気となり、グランピングやキャンピングカーなどに注目が集まり、「キャンプ飯」がソーシャルネットワーキングサービス（SNS）で人気となり、アウトドアがブームになった。

新型コロナウイルスが収まりつつ、コロナ以前の旅行や観光、行楽などができるようになった現在、アウトドアは、①アウトドアの楽しさを知った人がこのままアウトドア愛好家になる、②普通のレジャーに戻っていく、の2つの方向に分かれると思われる。

コロナ禍でアウトドアを経験した人達すべてが、テントを張ったり、キャンピングカーを購入したりする人わけではないが、アウトドアの良さを知った人たちは、コロナ以前と比べれば増えたことはおそらく間違いない。

多くの人が、レジャーの中の選択肢の１つとして、アウトドアを持つことになる。アウトドアと言っても、本格的なキャンプや材料を準備してもらえるグランピング、ベランダで行うキャンプのべランピングなどそのスタイルはさまざまである。アウトドアの中でも最もお手軽に楽しめるレジャーが、バーベキューなのである。

ポイント①バーベキューは大人数で楽しめる

バーベキューは、キャンプの中の食事の方法の１つであるが、山や川で行うだけでなく、自宅の庭で楽しむことができる。特に、コロナ禍では、ガーデンバーベキューが認知され、家族や子供と余暇を過ごすことができた。

　また、大人数で楽しむことができるのも、バーベキューの良さである。キャンプ以外でも、自宅でパーティーをする際のもてなしの1つでもある。つまり、人が集まる、例えば母の日や父の日、敬老の日にお祝いに集まる家族たちの食事として行われる。また、子どもを楽しませるために、長期の休みであるゴールデンウィーク（GW）や盆休みなどに行われる。

バーベキューを行える機会があり、コロナ禍によるレジャーブームによるバーベキューコンロなどの道具を持つ人も増えた。バーベキューがやりやすい環境にあり、頻度も増えることで、バーベキュー用品のニーズも増えるのである。

ポイント②スーパーマーケットのバーベキュー用品の品揃え

バーベキューコンロなどの用品があるのなら必要となるのは、肉や野菜などの食材である。最近では、バーベキュー用、焼き肉用などのパックも増えている。そして、食材とともに必要なのが、バーベキュー用品の消耗品である。

スーパーマーケット（SM）の雑貨売場のスペースは決して広くはない。ホームセンター（HC）のように大々的にキャンプ用品やバーベキュー用品を行うスペースはない。それならば、限られたスペースで行うには、カテゴリーを絞り込むことが必要になる。

SMには、必ず食材を買いに来るのだから、バーベキューの消耗品と買い替えや買い足す調理用具、便利な商品を展開することで、ついで買いを促し、買い物を完結できるようにする。

バーベキューの消耗品とは、木炭や着火剤、着火用ライター、手袋、紙皿、紙コップなど。調理器具としては、トング、へら、串などのバーベキュー用品など。特に、トングは通常の料理にも使用でき、種類も多い。他に、ウエットティッシュ、スポンジ、たわし、ごみ袋、手袋など。最低限必要なものと便利なものを提案する。

ポイント③ワンランクアップのプラスの提案

最低限の品揃えからさらにワンランクアップさせるために、新しい商品や提案を行いたい。

キャンプで使われる料理器具が日常でも使われるようになってきている。例えば、スキレットや燻製用品などである。

スキレットとは、鉄のフライパンで、通常の鉄のフライパンとの違いは、鉄を溶かし、型に流し込み、冷やして固める「鋳造」という方法で作られている点。

厚みがあり重く、蓄熱性が高く、温度が下がりにくいため、焼き料理から揚げ物、煮物や蒸し料理、オーブン料理まで対応できる万能な調理器具といわれている。

ただし、厚さのため余熱が残る他、さびを防ぐために毎回「シーズニング」という手入れが必要などのデメリットもある。

もう1つは、燻製料理づくり。独特の風味と食材のうま味がアップする燻製もアウトドア人気と共に、家庭でも行われるようになった。

燻製は、ベーコンやスモークサーモンに代表されるように、食材を塩漬けにし、木材を燃やした煙でいぶしたもの。防腐効果により保存性が高まる。

燻製に必要な道具は、キャンプ用の燻製器、家庭用のスモークメーカーや燻製用鍋と消耗品であるさまざまな香りのチップ。燻製づくりの愛好者が増えれば、さまざまな香りのチップが必要になる。

夏休みやGWなどの長期休暇の家族サービスとして盆、正月、敬老の日、母の日、父の日など人が集まった時のパーティーなどの食事として、バーベキューは楽しく大人数で行えるリクリエーションでもある。

コロナ禍によるアウトドアブームは、バーベキューコンロを持つ潜在的バーベキュー人口を増やした。あとは行事ごとにタイミングよく提案していくことが必要だ。