猛暑が予想される中、夏ばて、秋ばて意識し朝食、カレー、黒糖菓子提案|「これは押さえたい」グロサリー編・2023年8月

2023.06.16

フロントオフィス企画代表 近藤 智

今年の8月は昨年の8月と大きく違うと再確認しておきたい。1つはコロナ感染対策が2類から5類へと大きく緩和され、夏休み中は家族旅行やキャンプなど屋外への外出が増えることが予測されること。

もう1つは昨秋から継続的に食料品の値上げとなり、買上点数が伸び悩んでいること。このことを踏まえた上での展開としたい。

7月31日(月)から8月6日(日)までの第1週は夏本番を迎え、家族や親しい友人仲間と暑気払いとしてミニ旅行やホームパーティ形式で飲食されるシーンが増えるころとなる。子どものいる家庭では夏休みも8月に入ると、子どもの生活が乱れがちになるが、定時の朝食で規則正しい生活を提案したい。

8月7日(月)から8月13日(日)までの第2週。今年は盆の帰省ラッシュが予想される。迎える側の準備用として郷土の土産品などをコーナー展開して機会損失を防ぐことや帰省した親戚、旧友とのホームパーティ用食材を準備する。

8月14日(月)から8月20日(日)までの第3週。盆帰省のUターンの週になる。公共交通機関、マイカーなど、人の大移動が予想される。郷土を離れる前のホームパーティでのごちそうメニューやアルコールを含む飲み物需要が大幅に増すと思われる。飲料類は健康志向飲料、ケース売りの販売を強化したい。

変則的ではあるが、8月21日(月)から8月31日(木)までを第4週と捉える。

毎年のことながら、子どもたちは夏休みも終盤に入ることから宿題に追われ、新学期の準備モードに入る。北日本では少しずつ温メニューに切り替わる時季となる。今年は昨年以上に値上げ品目が多く、6月中旬までに明らかになった値上げ数は約2万8000品目となった。秋の新商品の改廃入れ替え準備を含め、既存商品の在庫管理、発注管理に注意したい。

グロサリー

定時の朝食で規則正しく、夏ばて防止!

夏休みも8月に入り小中学生の子どものいる家庭では、ややもすると不規則な生活になりがちとなるころ。朝食の時間を含め、生活のリズムが乱れないように提案したい。さらに食育として栄養面からも提案したいところ。

具体的な売場展開としては、おいしさを基本に栄養バランスとカラフルな食卓になるような提案にすること。朝食はパン食とご飯食、さらにシリアル食という3つのアプローチがある。3つを交替で展開するとマンネリ防止の売場展開ができる。

重点商品

今回はご飯食を提案する。パック入りご飯類ではサトウ食品の「サトウのご飯」シリーズ、東洋水産の「あったかごはん」シリーズ、味の素の「おかゆ」シリーズがある。ふりかけ類では丸美屋食品工業の新商品、「ソフトふりかけすき焼き風」「海苔シラスふりかけ」「ふりかけチップトリオ」がある。みそ汁、スープ類では、永谷園の「あさげ」シリーズで生みそタイプ、カップタイプ、フリーズドライのブロックタイプと粉末タイプ、味の素の「具たっぷり味噌汁」シリーズやクノール「それいけ!アンパンマンスープ」がある。

各地の味を楽しもう! カップ麺、即席麺!

帰省含め、各地に移動する機会が一気に増えると思われる。そこで、簡単便利で重宝なカップ麺、即席麺の中でエリア限定やご当地名店の味仕様など、個性のある商品群を展開したい。同時に台風などの非常食用にストックとしても提案する。

重点商品

サンヨー食品の「旅麺」シリーズの会津喜多方、横浜家系、京都、札幌、浅草や「名店の味桂花赤マー由仕上げ辛口熊本豚骨拉麺」「ホープ軒本舗東京背油豚骨醤油まぜそば」、ハウス食品の近畿、中四国、九州、沖縄地区限定販売の「うまかっちゃん」、近畿、中四国限定販売の「好きやねん」、東洋水産の「まるちゃん赤いきつねうどん」の東、西、関西、北海道、日清食品の「どん兵衛きつねうどん」「そば」の東、西など展開する。

おもてなしにも、熱中症対策にも健康飲料!

8月も猛暑が続くと予想される。毎年、熱中症、脱水症のニュースが話題になるが、こまめな水分補給で夏の健康維持を提案。そのために、まずボリューム展開で目立たせ、次に昨年に続き麦茶を昔からの健康飲料として訴求する。例えば、無糖、カフェインフリーで妊産婦にも優しい飲料であることや大型ボトルだけでなく、飲み切りサイズを品揃えすることで、若い女性層の買上率を高めたい。

重点商品

伊藤園の麦茶飲料販売実績でギネス認定となった「健康ミネラル麦茶」シリーズにはペットボトル、ティーバッグ、希釈用缶があるが、用途別に訴求。また、機能性表示食品として「水なしでとれる快眠テアリズム」も関連で提案。ポッカサッポロ&ビバレッジの「伊達麦茶」はじめ、「北海道コーン茶」がある。アサヒ飲料の「十六茶」シリーズ、その中の機能性表示食品の「糖と脂肪にはたらく十六茶」も品揃え。日本コカ・コーラの「爽健美茶」シリーズ、「やかんの麦」茶なども展開する。

夏ばて防止にも、秋ばて予防にもカレー!

残暑というより猛暑が継続する8月下旬になると思われる。そこで、夏ばて防止と秋ばて防止対策メニューの食材を使って、レストラン風の食卓が楽しめる提案を実施。具体的には子どもが大好きなファミリーレストランの人気上位メニューを提案。1つのメニュー、単品を訴求するのではなく、メニューをレシピ案内して訴求。

例えば、カレーやシチューの楽しみ方としてトッピングやソース類の提案がある。ケーキやクッキー材料でのレーズンはカレーのトッピングでも人気。また、カレーにしょうゆやソースをかけて楽しむ人も少なくないなど、カレー料理、シチュー料理のおいしさ、楽しさを提案。

重点商品

ハウス食品の「スープカリーの匠」「ザ・ホテル・カレー」「うどん専用ルウ香るごちそう」、エスビー食品の「スパイスカレーつくろ!」「レンジで調理欧風カレー」。レトルトでは大塚食品の世界ナンバーワンのロングセラーとしてギネス認定の「ボンカレー」シリーズなどを展開する。

菓子

夏休みの規則正しい生活にシリアル朝食!

夏休み中はどうしても生活が乱れがちになる。規則正しい生活には定時の朝食が基本。そこでグロサリーと関連して食習慣の維持をPOP提案したい。穀物類とドライフルーツが原材料のシリアル商品群を品揃え。人気のグラノーラが注目されているのでアイテム数を増やすなど、品揃えを強化したい。

重点商品

カルビーの「フルグラ」シリーズやその中の糖質オフタイプ、機能性表示食品タイプ、「グラノーラプラス」シリーズ、「ベイクドオーツ」シリーズ、日清シスコの「ごろグラ」シリーズやその中の糖質オフタイプ、ケロッグの「オールブラン」「オートミール」「玄米フレーク」「コーンフレーク」などを品揃えしたい。

懐かしい!うまい!地域名物B級菓子!

故郷には慣れ親しんだ懐かしい味がある。地方に帰省した人が手土産品として、銘菓だけではなくB級菓子も人気。道の駅や地方の直売所とタイアップして、珍しい商品群、お取り寄せ商品などを品揃え。サンプルを陳列して、ケース売りの予約注文システムを準備して、拡販態勢を採る。

重点商品

B級名物菓子として、せんべい、おかきの米菓類はじめ、カステラ類、黒棒、焼き菓子全般、コンペイトウなどの飴類などを重点訴求。

ビールのお供はナッツ派? さきいか派!

連日、猛暑が予想され、冷たいビールはじめ飲酒を伴うホームパーティを楽しむ機会が今夏は増えると思われる。そこで手軽で重宝する「乾きものつまみ」を展開したい。新しい売り方で新規ニーズを開拓。例えば、シニア層には健康法の1つの「噛む力」を維持する提案として、ナッツ類やさきいかをPOP案内したい。

重点商品

つまみ以外に美容と健康志向食材として人気上昇中のトレンド商品でもあるナッツ類のピスタチオ、カシューナッツ、アーモンドなど幅広く品揃え。さらに珍味類のさきいかをベースに高額商品のホタテ貝柱、シジミ貝、マグロミックスなどをシーズン通して訴求。

夏ばて防止にも、秋ばて予防にも黒糖菓子!

地方によってはグロサリー売場とは別に菓子売場でも「お茶うけ菓子」として黒砂糖を品揃えしている店舗もある。農作業の合間のおやつ用として、必須アイテムであったこともある。

ナトリウム、カリウム、マグネシウム、鉄分などミネラル分が老若男女、必要な時季である。そこで、ミネラル分豊富な麦茶とタイアップしながら、ミネラル豊富な黒糖菓子を品揃えしたい。

重点商品

黒糖塩飴、黒糖かりんとう、黒棒、黒糖カステラ、黒糖丸ぼうろ、黒糖鈴かす、黒糖金平糖、黒糖ポップコーンなどを展開。