冬に向けて秋の温かい弁当箱を提案|「これは押さえたい」日用品/雑貨編・2023年9月

2023.07.18

9月の定番の商品・売場についてはこちらの月別対策をご覧ください。

トータルプラン 横島宏一

今月のピックアップカテゴリー「あったかお弁当用品」

弁当用品といえば、春が一番のピークである。春は、新入学や就職などによる新生活がスタートし、昼の食事をする環境が変わり、弁当箱が必要になるからである。

一方、秋のこの時季は、弁当を食べる人たちが、冬に向けて温かい弁当を食べたくなり、衣類と同じく、秋冬用の弁当箱が必要になる。そのため、この時季は弁当を温かく食べるための用品を展開することが大切なのである。

また、この時季は屋外で弁当を食べる機会がある。運動会や体育祭などが開催されることが多く、家族で弁当を食べることも多い。地域や学校の行事予定を把握して、大人数で食べる弁当用品を提案することも地域密着の品揃えになる。

ランチジャーの種類

保温機能がついたランチジャーは、温かい弁当箱の代表である。昔は、黒くごつい形状で、男性用ばかりだったが、最近では種類も増えて、女性でも使いやすくカラフルな商品も多い。保温機能が付いたランチジャーには、大きく分けて4つの種類がある。

①ランチジャータイプ

縦型収納でご飯、おかず、スープの容器がセット。スープ容器とご飯容器を保温できるようになっており、大きく、重いのがデメリット。昔からあるタイプ。

②ご飯ジャータイプ

ご飯容器のみ保温できるタイプで、おかず容器は常温で保存。おかず容器が複数で、ランチバッグがついている場合が多い。

③丼ジャータイプ

おかず容器とご飯容器を重ねる2段構造で、下段のご飯容器が保温できる。おかず容器に具材を入れ、食べる直前にかけることで、丼を楽しめる。うどんやパスタなどにも使用できる。

④スープジャータイプ

スープ以外にもカレー、シチュー、煮物など汁物を入れることができる。保温だけでなく保冷もできるので、冷製スープや冷たい麺類など夏にも活躍する。

コンパクトでカラフルな丼ジャーやスープジャーの出現は、女性用のニーズに対応する商品として、男性用と思われていたランチジャーカテゴリーを大きく変えた。女性客の多い店では、扱うべき商品である。

弁当箱の形状

ランチジャー以外の通常の弁当箱にもいろいろな種類がある。まずは、1段弁当箱と2段弁当箱。1段のものは、小判型のものが多く、2段のものは、スリムなタイプが多い。2段弁当箱は、おかずとご飯を別にでき、ランチバッグにも膨らまずにスッキリ入れることができる。

弁当箱の素材と機能

弁当箱の主な素材は次のようなものがある。

①樹脂製

②アルミ製

③ステンレス製

④木製

木製弁当箱は、曲げわっぱとも呼ばれ、吸湿性があり、炊きたてご飯のおいしさが長続きし、ヒノキやスギなどの抗菌効果もあるといわれている。

弁当箱に求められる機能は、弁当を持ち運ぶことだが、あると便利な機能もある。汁などがこぼれないための気密性、抗菌性、温め直しができる電子レンジ対応可能かどうかである。特に、温かさを求めるこの時季、電子レンジ対応かどうかは商品選択のポイントになる。

弁当箱は誰が使うのか

弁当箱は誰が使うかで商品が変わってくる。容量としての目安は、子供なら~500㎖、一般的な成人なら500~700㎖、たくさん食べる男性なら700〜1000㎖ほどとなる。また、男の子用は青系、女の子用は赤やピンク系で、キャラクター柄が多い。成人女性は、おしゃれな色のものを求める傾向が高い。

従って、品揃えとしては、どのような人に提案するか、また、その比率を考えて品揃えしなければならない。子ども、成人女性、成人男性の購買比率を考えて、提案したい。

プラスアルファ商品の提案

スペースが少ない店舗では、売れ筋だけの陳列で精一杯かもしれないが、お客に新しい商品の提案も行ってほしい。

新しい商品としては、弁当箱で1人分の炊飯ができるため、炊きたてのご飯が食べられる弁当箱炊飯器がある。また、加熱式のランチボックスやUSB給電の加熱式ランチバッグなどもある。

新しい商品が難しくても、関連商品の提案は行いたい。弁当の関連商品とは、ステンレスボトルや箸、スプーン、そして、ランチバッグやランチクロスである。特に、ランチバッグは、この時季は保温効果のあるものを提案してほしい。

この時期の弁当用品のキーワードは、「あったか」である。これから寒くなる秋の時季に、温かい弁当を食べてもらうための提案を行いたい。

弁当箱は、使用する人によって商品が違うため、品数も多くなりがちであるが、購入者の比率やトレンドを参考に、店での品揃えを検討し提案してほしい。スペースが少ない売場では、最低限の品揃えになりがちだが、ワンポイントだけでも、目玉商品を提案し、お客の注目を集めることが大切だ。

物価の値上がりが続くこの状況は、さまざまな節約がなされる時でもある。昼食を外食から弁当へ変える人も多いのではないだろうか。温かくおいしい弁当の提案を行いたい。