外でも家でも「あったか」を実現する商品をベースに考える|「これは押さえたい」日用品/雑貨編・2023年10月

2023.09.01

10月の定番の商品・売場についてはこちらの月別対策をご覧ください。

トータルプラン 横島宏一

今月のピックアップカテゴリー「あったか防寒対策用品」

最近の秋は、夏の残暑が長くなり、急に寒くなる傾向にある。年々、秋が短くなってきているようだ。通常なら、10月は、秋本番で、秋から冬への準備を行われる時季である。スーパーマーケット(SM)の雑貨部門としては、キッチンや食に対しての商品として、「秋の旬を味わう」ための商品をメインに提案する。

例えば、新米を食べるための食器やご飯用土鍋、しゃもじなどのコーナー、秋の代表的な魚であるサンマを焼く魚焼き器や長角皿、クリむき器、ギンナンむき器などである。

これらのメイン商品に対して、プラスアルファの売上げを作るには、寒さ対策用品を提案していくことである。こたつやファンヒーターなどの暖房器具は無理でも、SMで売れる暖房商品はあるはずだ。SMのメインターゲットが女性であるならば、女性が手に取りやすく、専門店でなくても購入しやすい商品を提案していく。

気温の変化がニーズを生む

本格的な寒さの前に、気温が下降しはじめ、暑さに慣れた身体が、涼しく感じるようになる。特に最近では、快適な気温の期間である秋が短くなり、一気に涼しさ、寒さを感じるようになってきた。涼しくなったと感じ始めると、下着を厚手にしたり、半袖から長袖にしたり、コートを着るようになる。併せてアクセサリーやバッグ、靴などが秋冬物へと変化していく。次に、直接肌に触れる敷物や寝具、部屋のインテリア、空調へと移っていく。

このように、人は、身体に近いものから、変化させ始める。つまり、ニーズには順番がある。あったか商品は、季節商品であり、温度変化型の商品であるため、売れるタイミングや量は、その時の温度に影響されるので、気象状況に注意を払う必要がある。

外でもあったか

コロナによる制限がなくって初めての冬となる今年は、外出の機会も増えるはずだ。ここでは、外出時に必要となる防寒対策商品を考えてみたい。

携帯カイロ

秋冬の定番商品である携帯カイロは、日用品コーナーでの必需品だ。導入期は、大容量のパック販売を強調して、1、2月の最も寒い時季への販売につなげよう。

乾燥対策

寒さと共に湿度も下がり、木枯らしが吹くようになると乾燥が気になる季節となる。リップクリームとハンドクリーム、そして、ヘアケア商品を展開する。リップクリームは。種類も多く出ているが、年齢層やターゲットを明確にして提案する。

ハンドクリームは、フェース用、ボディ用、ひざかかと用などの用途別に分け、パックやマッサージクリームなどの関連商品と共に展開をする。ヘアケアではトリートメント剤を中心にしたケア商品の展開を。

風邪対策

コロナにより年間定番化したマスクなどの風邪対策商品だが、冬はインフルエンザなどにもかかりやすく、引き続き売場を維持したい。中心はマスクだが、機能性とファッション性を明示する。また、手洗いの励行のため、薬用ハンドソープや除菌スプレーなどの関連販売を行う。

あったか軽衣料

ユニクロの機能性下着やフリース、ダウンジャケットから始まり、ワークマンのヒーター付きジャケットなど衣料は高機能でファッション性の高いものが注目される傾向にある。もちろん、SMでウエア類の販売は難しいが、キャップ、手袋、ソックス、ストール、腹巻き、ネックウオーマー、レッグウオーマーなどならば、衣料品専門店でなくても、買いやすい商品ではないだろうか。

足元対策

冬物商品の中でも、早く動き出すのは、スリッパやサンダルなどの商品である。気温の変化と共に動き出すこれらの商品に注意し、冬物商品のスタートにしよう。また、女性は、ブーツを履き始める時季でもある。靴のメンテナンス商品、インソール、消臭剤、シューズキーパー、靴用除湿剤などのフットケア商品の提案を行いたい。

家でもあったか

部屋での暖房といえば、こたつやストーブ、ファンヒーター、エアコンなどである。冬のメイン暖房器具は、電気専門店やホームセンターでの主力商品となる。ここでは、SMでも販売可能な家や部屋で使える暖房用品を考えてみたい。

リビングであったか

最近では、節電やエコの影響もあって、部屋全体を暖める暖房よりも個人を暖めるパーソナル暖房が主流となりつつある。オフィスでは、部屋の温度を低く設定し、ブランケット(膝掛け)を使用する女性が多い。

また、家庭のリビングでも、パーソナル暖房や着る毛布を着用し、ふかふかのルームソックスやルームシューズでくつろぐようになっている。これらの軽衣料商品は、雑貨店の冬の主力商品だ。特に、ブランケットは柄や素材、肌触りなど機能性も重視されるので注意したい。

あったか空間の便利品

外気と室温の差が激しく、なおかつ室内の湿度が高いと結露が発生する。結露は、体感的にも見た目にも不快に感じるだけでなく、カビの発生やダニの育成を促進し、健康的にも影響を与えかねない。

住宅環境がより密閉されるようになった近年では、二重、三重のガラスを使用したサッシが使用されるようになった。既存のサッシで補完するなら、結露防止シートがある。他に、給水テープ、断熱テープ、結露防止スプレー、水滴ワイパーなどの展開を行う。関連商品として結露防止カーテンや除湿機、除湿剤、押入れすのこなどの商品を提案する。

メイン暖房は無理でも、それに付随する商品、例えば、灯油タンクや灯油ポンプ、電動ポンプなどの灯油を器具に入れるための商品、エアコンの洗浄スプレーなど。また、最近では、空気を循環させるサーキュレーターの効果も一般的になってきている。

温度型季節商品は、その年の天候に大きく左右される。そのため、天候や気象に注意しなければならない。しかし、そのシーズンに必要と思われるものをお客は購入する。季節商品の販売のポイントは、「早期販売」である。そのシーズンに必要なものを1個買えば、それがあるうちは、買うことはないからだ。

SMでの暖房用品は、メイン暖房器具よりもサブ暖房が提案しやすいと思われる。特に、女性をターゲットに、ブランケット、ソックスなどの軽衣料は、かわいさや価格などの条件を満たせば、買いやすい商品ではないだろうか。

どれもこれもではなく、店舗にあったスペースやタイミングで、あったか防寒用品でプラスアルファの売上げを作りたい。