ハロウィーンをパーティ軸で品揃え、31日にかけて盛り上げる|「これは押さえたい」グロサリー編・2023年10月

2023.09.01

フロントオフィス企画代表 近藤 智

第1週は10月1日(日)から10月9日(月・祝)と変則で捉える。コロナ対策が緩和され、昨年自粛した秋の行楽を楽しみたい人が増えると予想される。具体的には旅行、屋外でのスポーツ、キャンプなど、活動が活発になると思われる。日常生活では値上げの影響で節約志向が定着したが、旅行など「めりはり需要」が期待される。

第2週も10月10日(火)から10月15日(日)の変則で捉える。秋が深まり、サンマ、戻りカツオ、マグロなどの海の幸、リンゴや柿、ミカンなどの山の幸が出回り、秋の旬の味覚を楽しむ生活モードになる。地域によっては初霜が降りて、冬支度が本格化するころとなる。このころまでに歳暮ギフトの早期割引態勢を整えたい。

第3週は10月16日(月)から10月22日(日)まで。夏は猛暑日が続き、秋口も残暑が厳しいと思われるが、地域によっては気温が10℃未満の日がさらに増え、鍋物料理、シチュー、スープなど本格的な冬モードの食卓となるころ。年末商戦のおせち料理、クリスマスケーキの先行予約態勢の強化をしておきたい。

第4週も変則で、10月23日(月)から10月31日(火)。バレンタインよりもハロウィーンの市場規模が大きくなり、さらに拡大している。コスプレグッズやカボチャグッズ関連商材の菓子類を中心に目立つ売場をつくりたい。店内従業員が仮装、コスプレして接客するなど、遊び心に火を付ける演出がポイントとなる。 

グロサリー

秋の行楽用に! 健康志向の清涼飲料フェア!

10月7日から9日まで3連休となり、キャンプ、ハイキング、サイクリングなど宿泊、日帰りなどで外に出る機会が増える。そこで、移動中や行楽地での飲料類を訴求したい。

炭酸飲料やスポーツドリンクには砂糖、異性化糖、果糖などの糖分が多く含まれ、肥満や糖尿病、虫歯になるというイメージがある。

高まる健康志向の中、水や茶といった「無糖」人気で市場が拡大しているので、価格訴求ではなく、いろいろな飲み口が楽しめるように訴求をしたい。特に新商品、トレンド商品をボリューム展開。さらに台風などの災害時の非常用飲料としても訴求する。

重点商品

サントリー食品インターナショナルではトクホシリーズとして特茶TOKUCHA、胡麻麦茶、機能性表示食品では伊右衛門プラスコレステロール対策、おいしい糖質対策などがある。コカコーラでは国産の天然水い・ろ・は・す、緑茶綾鷹、スポーツ飲料のアクエリアスがある。

アサヒ飲料では機能性表示食品の十六茶糖と脂肪にはたらく、黒豆国茶がある。キリンビバレッジでは午後の紅茶おいしい無糖、やわらか天然水などがある。

食欲の秋!ボーダーレス料理フェア!

コロナ対策が緩和され、3年ぶりに海外旅行に行く人、海外から来る人、共に増えている。また、イタリア料理、スペイン料理など、かつてはエスニック料理としてひとくくりにされていたが、新に和風、中華風、洋風が融合されたレシピが楽しめるレストランも出てきた。そこで、食欲の秋、和風、洋風、中華風などの壁をなくして融合した「ボーダーレスメニュー」としてレシピを訴求、新感覚で楽しい食卓を提案する。

例えば、中華風焼き鳥として、沙茶醤、香辣醤、椒麻醤を付けることやウズラの卵の代わりにピータン串を提案。中華料理とイタリア料理のレシピコラボレーションでチャーシュー入りボロネーゼやピータン入りリゾット、中華料理とスペイン料理の食卓コラボレーションでスペイン風炊き込みご飯のメロッソと中華風ピリ辛鶏のムネ肉など、ボーダーレスメニューとしてPOP提案などを検討したい。

重点商品

沙茶醤、香辣醤、椒麻醤、豆板醤、牡蠣油、辣油、葱油などの中華調味料。オリーブオイル、ゴマ油、トマト缶詰、チューブ入りショウガ・ニンニク、天日塩、コショウ、ピンクペッパーなど、レシピ本で人気の調味料をトレンド商品として訴求。

パスタをレストラン風に楽しもう!!

パスタといえばイタリアだが、イタリア料理はすっかり定着した感がある。定番の棚陳列売場ではイタリアンコーナーを展開している店舗が増えてきた。レストラン風に家庭だけでなく、女子会でもパスタを楽しむ提案をして需要を拡大したい。

そのためにも「うんちく」をPOP案内したい。前菜(カポナータなど)、プリモ・ピアット(前菜と主菜の間にパスタのカルボナーラなど)、セコンド・ピアット(主菜で牛肉ステーキなど)、ドルチェ(ティラミスなど)の流れの中で、主菜が第2の皿だが、第1の皿としてパスタがある。パスタの品揃えとしてロングパスタ(スパゲティなど)、ショートパスタ(マカロニなど)、卵パスタ(ラザニアなど)、商品特徴や料理の方法などPOP案内。

重点商品

ロングパスタではフェデリーニ、リングイネなど、あまりなじみでない商品群も展開。また、ショートパスタでは、チョウの形をしたファルファッレ、ペン先のようなおなじみのペンネ、表面に筋があるリガトーニ、貝殻の形のコンキリエ、らせん状にねじれたフジッリなども品揃え。関連販売としてオリーブオイル、赤ワイン・白ワインビネガー、イカ墨ソース、アンチョビーなどもトレンド商品として訴求。

ウキウキハロウィーンがやってきた!

アメリカの子どもにとってクリスマスに次いで大きなイベントのハロウィーン。日本でも本格的に販促企画として定着してきた。ポイントは菓子部門だけで展開するのではなく、パーティメニュー食材部門の生鮮、おもちゃやコスプレなどの非食品部門など、全店挙げて展開すること。

子ども人気メニューとして、カレー、ハンバーグ、チラシ寿司、シチューなどがあるが、関連としてキャラクターのふりかけ類など「選ぶ楽しさ」「作ってもらえる楽しさ」など、売場にはワクワク感を出したい。また、遊び心として、おにぎりののりを「お化けカボチャ」風に切り抜く演出といったアイデアもある。

ホームパーティに子どもの友人も参加する場合があるので、パーティ食材にアレルギー物質のない食材がどのカテゴリーも必須品揃え商品となるので注意。

重点商品

パンプキンスープは必須。作るという遊び心に訴えて、ホットケーキミックス粉で「お化けカボチャ」の形と図柄の手作りのクッキー作りも提案したい。パーティでの飲み物として、炭酸系、乳飲料系を中心にペットボトルの大型サイズを訴求。

菓子

楽しさいろいろ!均一ポケット菓子!!

菓子売場の中でも子どもにとって店の人気スポットはポケット菓子のばら売りコーナー。9月末には商品改廃を完了させておきたい。複数アイテムの組み合わせで100円になるようにすると子どもが計算しやすく、自主的な買物ができ「買物教育」の一環にもなる。

そのために10円、20円、30円、40円、50円の商品は必須となる。データ上、21円、32円、42円など「端数」のある売価設定はPI値が落ちるので注意したい。

重点商品

駄菓子屋の売れ筋商品が必須となる。例えば、グミ、あめ、スナック、ガム、ラムネ菓子、珍味、豆菓子の子ども駄菓子全般。

秋の新商品「お気に入り」を見つけよう!

話題商品、テレビCM商品でGRP(Gross Rating Point、延べ視聴率)1000以上の商品は、一斉出荷と同時にエンド対応したい。新規開発されたプライベートブランド(PB)商品も同時訴求したい。定番売場では「新発売」のスポッターで訴求。エンドにて、例えばカテゴリー別、メーカー別、価格帯別などのテーマで展開する場合でも、新発売商品を必ず1品は同時訴求して、新規の売上げにつなげたい。

テレビCMの投入量を表すGRPを販売計画する際に把握しておきたい。GRPが1000、視聴率が5%の場合、1000÷5=200回、CMが流れることになる。GRPが1000以上を基準の1つとして、新商品の導入展開を検討したい。

重点商品

全く新しい製法の特許商品や新しい意匠などの新商品。健康などさらにこだわり度を深めた新商品など。

お待たせチョコファン! チョコフェア!!

チョコレートとチョコレート菓子の消費額が10月は、9月と比較して一気に前月比150%前後となる。機会損失を防ぎたい。まず定番売場には、板チョコ、チョコがけ、チョコ菓子などのカテゴリーごとに、「当店の人気ベスト5」「新発売」などのPOPを該当商品棚に貼付して、新規需要を発掘したい。

重点商品

エンドにはPB商品を含め、100円前後の板チョコ、200円前後のチョコ菓子、300円前後のひねり粒チョコ類など、価格帯別に満遍なく訴求し、プラス女性客用にハイカカオ商品も展開。

子どもの期待年々アップ! ハロウィーン!

保育園、幼稚園の行事としても定着しつつあり、毎年10月31日は子どもたちが待ち望んだハロウィーン。玩具菓子や関連商品としてコスプレ衣装も展開。「孫需要」を狙ったシニア層にも訴求。パーティ用として、食べる菓子類、プレゼント用菓子類に整理して訴求したい。

重点商品

洋菓子類としてパンプキンパイ、アップルパイなどのパイ類、一般流通菓子としては大袋、徳用袋入りのひねり粒チョコ、クッキー、ビスケット、スナック菓子類など。