七五三、ボジョレヌーボーなど中旬にホームパーティ需要多し|「これは押さえたい」グロサリー編・2023年11月

2023.09.29

フロントオフィス企画代表 近藤 智

毎日の生活行動に影響する新型コロナウイルスが9月中旬ごろから第9波と思われるような兆候が出てきた。さらに、インフルエンザの同時流行も懸念され始めた。

買物行動として、まとめ買い、免疫力アップを基本とした健康志向の食品やメニューへの関心が高まることに注意する。

10月30日(月)~11月5日(日)の変則的な第1週は、新型コロナ第9波やインフルエンザに注意しながら、深秋の紅葉狩りや11月3日(金、祝)の「文化の日」からの3連休を利用した家族旅行を楽しむころとなる。野外でたき火を楽しみながらの野宿の1人キャンピングも定着してきた。キャンプ料理、たき火料理そのものが人気でレシピ本が数多くある。家庭でもたき火料理を楽しめることを提案する。

11月6日(月)~11月12日(日)の第2週は、8日に立冬を迎え、食卓は冬モードに入る。牡蠣、サケ、鶏肉など鍋物メニュー食材の単品素材などメニューレシピを提案。関連として加工食品のポン酢などの調味料や餅、はるさめなどの具材も同時展開する。さらに乾燥薬味、乾燥シイタケ・乾燥キクラゲなど食材値上げの中、おいしさと温かさをレシピで提案したい。

11月13日(月)~11月19日(日)の第3週。この週は15日の七五三祝いや16日のボジョレヌーボー解禁などでホームパーティの機会が一気に増えるころとなる。子どもに人気のちらし寿司、ハンバーグなどのキッズメニューはじめ、ワイン用の女性層に人気のおしゃれなマリアージュ、おつまみなども関連訴求する。

また、歳暮ギフトコーナーのフル展開と早期の割引や配送受付制度を充実させる。

11月20日(月)~11月30日(木)の変則的な第4週。店舗により11月下旬の販促期間は昨年の販売動向と照らし合わせて対応したい。この期間は冬の賞与時季となり、商品購入や貯蓄など思案するころ。

すき焼きなど鍋用牛肉ではA4、A5などグレードを上げ、刺身盛り合わせ、プレミアムビール、ワインなど高額商品を品揃えする。この時季に年末商戦の商品確認や勤務シフトを事前確認しておきたい。

グロサリー

調理するのが楽しい野趣あふれるメニュー!

グランピング、1人キャンプなど、屋外で野趣あふれるキャンプ飯を楽しむ人が増えてきた。そこで、11月の3連休を利用してキャンプをする人、あるいは行かない場合でもキャンプ飯を楽しんでもらうことを提案したい。

秋のアウトドア以外でも、ツーバーナーを使って家庭の台所でも作ることができる。コロナの第9波で4年目となった「巣ごもり」でも楽しめることを訴求したい。具体的にはたき火台を使用したレシピを中心に提案する。じか火で焼く料理だけでなく、11月は家庭でダッチオーブン、スキレット、ホットサンドメーカーも使用した楽しみ方をPOPで案内した売場をつくる。

家庭でも楽しめる調理方法として、例えば、グリル(網焼き)、ロースト、じか置きグリル、ソテー、つるし焼き、ホイル焼き、煮込み、ホットサンド、炊飯がある。食べるだけでなく、調理そのものの楽しさを味わえることを訴求する。

重点商品

調理のこだわりの1つは調味料である。中でもスパイス類を幅広く訴求する。例えば、ブラックペッパー、ローリエ、タイムがある。スモークジャーキーを作る際の甘いしょうゆ、ポットローストポークやまき焼きカルボナーラなどを作る際のこだわりの塩は必須である。その他にパスタ用にもオリーブオイル、粒マスタード、天日塩、藻塩、岩塩などのこだわり塩などはおいしさを増してくれる必須調味料である。

冬の人気メニューの定番! わが家の鍋物!

冬の人気メニューの定番は鍋物料理である。すき焼き、石狩鍋はじめ魚介類、肉類、野菜類を使った和風鍋物や同じように海の幸、山の幸を使った洋風鍋物の代表のシチューなどを訴求。

シチューミックス粉などの加工食品部門のみならず、素材として肉、魚、野菜の生鮮食材を煮込む料理なので食品売場全体での販促となる。鍋物料理の良いところはいろいろな食材を使うので栄養バランスが良いことや、食卓では湯気の上がる鍋を囲むのでなごみやすく、より楽しさが増すことである。

さらに、具材も臨機応変に変えたり、ギョーザなどを加えたりできるので、作る方は楽になり、食べる方はより多くバリエーションが楽しめることである。売場づくりではそのことをPOPで訴求したい。

重点商品

和風ではすき焼きのもと、スダチ、カボスなどのポン酢、ゴマだれドレッシングはじめ、おでんのもとはじめ、簡単便利な味の素の鍋キューブシリーズで鶏だしうま塩、濃厚白湯、うま辛キムチなど。

洋風ではハウス食品のシチューミックス粉、ミツカンの新商品でチーズリゾット〆鍋まろみそ鍋つゆや各種スパイス、韓国風ではキムチ鍋のもとなど、おいしくする調味料を品揃えする。

お待たせ! ボジョレヌーボー解禁!

毎年恒例の解禁日。今年は11月16日の木曜日がボジョレヌーボーの解禁日。一時ほどではないにしても、まだまだ解禁日を待ちわびているファンは少なくない。

そこで、メインのワインを引き立たせる脇役のつまみであるマリアージュを昨年に続き訴求して、相乗効果のある関連販売を展開したい。

売場づくりのポイントが2つある。1つは、マリアージュの意味の説明。フランス語で結婚の意で「相性が良い」から「ワインに合う」という意味である。もう1つは11月22日が「いい夫婦の日」であることから、若い夫婦からシニア層までワインのある楽しいシーンを連想させる演出にトライしたい。

重点商品

昨年に続き、グロサリーではオイルサーディン、ツナ缶、オリーブピクルス、日配部門とタイアップしてブラックペッパー入りカマンベールチーズ、ハーブ&ガーリック入りのクリームチーズなど、選択の幅を広げるべく、品揃えを強化する。

あれば重宝! 食べておいしい! おつまみ缶!

9月中旬以降、コロナが第9波として、また、インフルエンザと共に同時に感染拡大が懸念されている。そこで、再度、「巣ごもり」対策として家飲み用やホームパーティ用として、手ごろな「おつまみ缶」をメインに訴求する。売場づくりの際、「おつまみ缶」は「非常食」にもなるし、年末年始、常備しておくと不意のお客のおもてなし用にも重宝である。その旨を書いたPOP案内で買上率を高める。

重点商品

ニッスイでは牛焼肉、赤貝味付け、マグロステーキがある。マルハニチロではイカ味付け、あん肝、アジの南蛮漬けがある。宝幸では「おつまみ小鉢」シリーズの豚ホルモン辛味噌煮込み、鉄板焼肉や赤貝味付け、新商品の豚ホルモン旨塩だれがある。ホテイフーズでは「やきとり」シリーズの白トリュフ味、たれ味、塩味、うま辛味、ガーリックペッパー味、柚子こしょう味、塩レモン味がある。

菓子

コロナ、インフル対策にマスクとのど飴!!

いったん収束したかにみえたコロナは第9波の様相を呈し、さらにインフルエンザと同時拡大も懸念されている。そんな中、少なくとも風邪には注意したい。

そこで、手ごろな風邪予防策として手洗い、うがいに加えてのど飴を常時携帯できるように提案する売場をつくりたい。材料別、漢方薬入りなど選ぶ選択肢を広げた品揃えがポイント。

重点商品

ノンシュガー類、ヴイックスメディケイテッドドロップ、常盤薬品南天のど飴、黒糖入りやマヌカハニー入り、ミント、ハッカなどの味も楽しめる商品群などを訴求。

健やかな子どもの成長を! 祝七五三!

昔も今も子どもの健やかな成長を願い、成長に感謝する11月15日は「七五三」のお祝い日。親はもちろんだが、孫のいるシニア層にも訴求する。できれば近くの神社とタイアップして子どもたちの成長祈願お祓いをしてもらった千歳飴を展開したい。

重点商品

神社祈願済みの千歳飴、不二家のミルキー、アンパンマングミ、ロッテのきかんしゃトーマスとなかまたちラムネ、ポケぷに、フルタの新商品クレヨンしんちゃんカラフルエッグチョコ、スーパーマリオチョコなど、子ども向けの飴類、グミ類を訴求。

ボジョレヌーボー解禁、ワインの脇役たち!

11月16日はボジョレヌーボー解禁日。そこで、ワインと相性の良い脇役であるマリアージュ(おつまみ)を品揃え。ポイントは選べる楽しさを演出した「品揃え感」を打ち出すこと。

重点商品

スモークサラミ、スモークチーズ、ナッツ類、ドライフルーツ類、チーズ柿の種、チーズタラ、ハイカカオチョコレート、クラッカー、ポテトチップスなど。

晩秋のティータイムを彩り豊かに楽しもう!

晩秋のくつろぎ時間が楽しめるように、おいしい常温和菓子類を展開。目でも楽しめるように、ウグイス色、桜色など彩りを添える。緑茶類、コーヒー、紅茶など関連商品も加工食品部門として関連訴求。

重点商品

どら焼き、丸ぼうろ、みたらしだんご類、柏餅、まんじゅう類、ようかん類、カステラ、バウムクーヘンなど和菓子、洋菓子をレジ前近くに一堂に品揃えしボリューム展開。