11月最終週から歳末商品の試し売り、相場変化対応で計画精度を高めたい|「これは押さえたい」鮮魚編・2023年11月

2023.10.13

エバーフレッシュ研究所 堀内幹夫

毎年のことだが、11月はイベント、催事企画が多く、盛りだくさんのイベント、催事への対応の成否が売上げに大きな影響を与える月。11月1日寿司の日、11月3日文化の日、11月6日巻寿司の日、11月8日立冬、11月11日鮭の日、11月15日七五三、11月16日、ボージョレヌーボー解禁日、11月23日勤労感謝の日。他にも11月21日牡蠣フライの日、11月25日鳥取県産松葉がにの日など多くあり。

11月1日(水)「寿司の日」、11月8日(水)立冬で「巻寿司の日」、11月15日(水)「七五三」と前半は寿司に関連する催事多く、寿司関連の仕掛け強化。

11月17日(木)は「ボージョレヌーボー」解禁日。サラダセット、スモークサーモンなどワインなど酒のつまみ提案。今年も狙い目は「殻付き牡蠣」。牡蠣のアヒージョなど洋風メニューにチャレンジ。他には夏場にヒットした「タコバジル」「タコゴマしょうゆ」などもお勧め。

歳末商品の試し売りは11月最終週(第48週)からをスタート。荒巻サケや干しスルメ、カズノコ、酢タコなどのお試し展開で、お客に12月(師走)に入ったことを意識してもらう。お客には早めに商品を認知してもらい、売る側も商品の扱いに慣れ、試し売りを通して今年の商品の動きを把握する。

3連休は海鮮鍋物特集

期間は10月30日(月)~ 11月 5日(日)。11月3日(金)文化の日から5日(日)まで3連休。立冬も近く、本格的な鍋シーズンの始まり。この時季になれば生秋サケの入荷も終盤に入り、最後の売り込み時季。代わりに入荷が増えてくるのが生マタラ。生マタラの入荷がない、あるいは不安定のときは、冷凍タラあるいは甘塩タラを代わりに使う。

牡蠣用鍋は、水切り牡蠣を提案。他には無頭エビ、ホタテ貝、各種つみれ、すり身などの提案。鍋セットの展開は、個食鍋セットだけでなく、2、3人用セットも品揃え。この数年、個食鍋セット以外は野菜なしの鍋用具材セットが主流になりつつある。2人用で680円~780円、3人用で880円~980円くらいが一応の目安。

2人用寄せ鍋セット

ボージョレヌーボー解禁!! 家飲みパーティ特集

期間は11月13日(月)~ 11月19日(日)。11月16日(木)はボージョレヌーボー解禁日。解禁日当日や週末はワインで家飲み特集。ちょっと大人の家飲みパーティの提案。ワインと合うノルウェー産生サーモンとスモークサーモンなどによるサーモン尽くしセットの提案。

他には殻付牡蠣による香草焼きやアヒージョの提案とパエリア提案。パエリアの提案は、アルゼンチン産アカエビや砂抜きアサリ、ボイルイカリングなどの提案。いまやフライパンで簡単に作れるパエリア提案が多くのメーカーから提案されている。「パエリアの素」の関連販売や料理レシピを忘れないこと。

スモークサーモン、生アトランティックサーモン、解凍トラウトのサーモン尽くしセット、売価は1パック798円
簡単にフライパンで作れるパエリアの料理サンプル。パエリアのもとの関連販売、料理レシピも必ず準備すること
最近、パーティで人気の殻付き牡蠣。火で炙るも良し、電子レンジ加熱も良し

養殖ブリvs.天然ブリ特集

期間は11月20日(月)~ 11月26日(日)。養殖ブリは、久しぶりに相場安が予測され、売りやすい環境となりつつある。天然ブリについては、北海道沖を中心にほぼ順調に漁獲があり相場的にも落ち着いている。養殖ブリは刺身、生食中心の展開、天然ブリは加熱用途中心で展開する。養殖ブリは、刺身用サク、スライス、しゃぶしゃぶセット。天然ブリの方は、切り身、漬け切り身(たまり漬け、焼肉のたれ漬けなど)、ブリ大根セットなどを中心に売場展開する。

ブリしゃぶセット(養殖)、1切れ12g×10切れ、売価500円
天然ブリ切り身(小切れ)1切れ45g前後。売価は100g当たり248円

トレンド商品

歳末商品の試し売り

11月最終週からは早くも12月(師走)に突入。今年の歳末商品の相場環境は激変。相変わらず超相場高にある商品もあれば、相場安に転じた商品も多く、昨年の販売政策が今年も通用するとは限らない。例年にも増して歳末商品についての販売計画を練って準備万端の状態で歳末商戦を迎えたい。

そのために11月最終週から歳末商品の 「お試し企画」をスタートする。試し売りの商品候補としては、賞味期限の長い干物、塩蔵品、魚卵類など塩干商品と冷凍商品に二分される。詳細は次の表を参照。商品数が多いため、絞り込みが必要となるが、干しスルメイカなど干し珍味類は少し早め(11月中旬)に展開しても良い。

品群商品名
カニ類ボイルタラバガニ、ボイルズワイガニ、毛ガニ
魚卵類塩カズノコ、味付けカズノコ、塩イクラ、しょうゆ漬けイクラ、辛子明太子メガパック、塩タラコメガパック、しょうゆ漬けスジコ
サケ類荒巻サケ(塩秋サケ)、塩ギンザケ切り身メガパック、塩ベニザケ切り身メガパック
冷凍貝冷凍ホタテ貝柱メガパック、冷凍ベビーホタテ貝メガパック、冷凍大粒牡蠣メガパック
冷凍切り身冷凍メヌケ切り身、冷凍ナメタガレイ切り身、冷凍ギンタラ切り身メガパック
冷凍エビ冷凍大粒むきエビメガパック、冷凍無頭エビメガパック(大)
タコ類酢ダコ(樽)、北海タコ(水タコ)足1本
干物類真ホッケ開き干し(特大)、縞ホッケ開き干し(特大)、キンキ(吉次)開き干し
干珍味干しスルメイカ、乾燥ボウたら、乾燥カラカイ(カスべ)、松前漬け用昆布、刻みスルメイカ、昆布

リスクとしては、早期の展開により本番前に値引きなどが発生することだが、そこは商売として割り切り、値引きが発生する前に小割り、切り身販売するなどさまざまな工夫をしてしのぎたい。