寒さ続く中、温かいメニュー、4週には春に向けたメニュー提案に変化|「これは押さえたい」グロサリー編・2024年2月
2023.12.25
2023.12.26
フロントオフィス企画代表 近藤 智
2024年は閏年で、昨年よりも販売日が1日多い。23年よりも売上げの前年対比で確実に3%は伸ばしたい。そのために販売計画の精度を高めるための準備をしておく。具体的には、まず、消費環境を再確認する。
物価上昇、特に食料品全体の値上げの環境下、節約志向は定着した感がある。その具体的な対策準備として、「頻度」という切り口で販売促進策を構築する。具体策として、家庭の台所、冷蔵庫に常備している「高頻度使用食品」「高頻度購買食品」を訴求したい。
例えば、調味料類ではマヨネーズ、ドレッシング、ケチャップ、みそ、しょうゆなどの調味料、即食食品類ではカップ麺、インスタント麺、簡便食類では、和風、洋風などの各種レトルト調味料、菓子類ではスナック菓子、クッキー、チョコレートなど、生活防衛意識、節約意識が強い消費環境下で「高頻度商品群」の販売促進ということを認識しておく。
1月29日(月)から4日(日)までの第1週。2月の販促企画ではバレンタインセールは少し下火になったとはいえ、販促拡販の機会としては必須企画である。本命、ごほうび、感謝など、多用途化したバレンタインセールを盛り上げる週。購入動機では「自分へのごほうび」が上昇してきた。選ぶ楽しさ、見た目のかわいさ、賑やかさと華やかさを強調して演出したい。
5日(月)から11日(日・祝)までの第2週。寒さと乾燥が続き5類になったとはいえ新型コロナウイルス対策はじめインフルエンザや風邪予防対策にマスク、消毒ジェルやのどあめの携帯が常態化した。今年も食品関係部門だけでなく日用雑貨部門と関連商品つながりでコラボレーションした演出で相乗効果のある売場づくりを強化する。
12日(月、休)から18日(日)までの第3週。あわただしくなる時季である。具体的には早いところでは大学への新入学が決まり、お祝いのハレ食材需要が高まるころ。また、社会人の転勤異動の内示など、新生活への引っ越し準備が増えるころでもある。まだまだ寒いのでホットなコーヒー類、甘酒類などの缶ドリンク類の機会ロスにも注意する。
19日(月)から29日(火)までの変則的な第4週。この時季は販売計画の精度が問われる。例えば気温、天候に配慮した臨機応変の展開に注意したい。また、三寒四温で温かいメニューの鍋物や春のちらし寿司など冬と春のメニューの提案対応にも注意。そのために商品手配準備、売場づくり、販売態勢を事前に再確認しておく。
グロサリー
今年の恵方は東北東! 福を招く恵方巻
恵方巻きのいわれは季節の変わり目、邪気ばらいをして健康を願う行事と言われている。5類になったとはいえ新型コロナウイルス感染症はインフルエンザと同時感染も考えられるので、恵方巻きで健康に感謝とさらなる用心の提案をする。
売場づくり、訴求のポイントとして、単なるのり巻きだけでなく、地方によっては焼肉を巻いたり、うなぎのかば焼きを入れたりして楽しんでいるところもあるので、バリエーションを提案する。
恵方巻きは寿司の一種であるため、緑茶を同時関連販売も提案する。また、販売機会を拡大するため手巻き寿司とちらし寿司の同時展開にも挑戦したい。
重点商品
刻みのりではなく1枚全形ののりの品揃えがポイント。1枚全形の干しのりも品揃えし、食べるときに炙って焼きのりにして、香りも楽しむことも提案する。見た目に楽しくなる錦糸卵、白ゴマ、酢、チラシ寿司のもと、肉巻き用の焼肉のたれの他、今年はゴマドレシングなどにも挑戦したい。
まだまだ寒い! 温かメニューが恋しい
新型コロナウイルス、インフルエンザ、風邪が気になるが、特に受験生のいる家庭では体調管理に神経を使う時季となる。体調管理として睡眠、栄養、運動がある。家族としては栄養バランスの取れた食事提供と、本人はもちろんこと家族全員の健康維持が関心事となる。
そこで、栄養バランスの取れた温かいメニューを売場づくりのテーマにして展開。具体的には湯気が出て見た目にも温かくなれそうなシチュー、おでん、すき焼き、スープなどをメニュー提案。また、ショウガやトウガラシなども関連提案すると良い。
重点商品
カップ用、アレルギー対応用など、多用途に対応した品揃えとする。エスビー食品の新商品では濃いシチューシリーズの4種のチーズ、オマール海老(期間限定)、シチュー曜日ごろっと具だくさん、おでんの素など。
ハウス食品ではカルボシチュー、ビストロシェフ、コクの贅沢シチュー、ふらんす厨房など。味の素ではクノールカップシリーズのコーンクリーム、とろとろポタージュ、それいけアンパンマンスープなど。エバラ食品では新商品のプチッと鍋甘辛みそ鍋、すき焼きのたれなど。
小腹対策の強い助っ人! 即席麺・カップ麺!
簡単便利、時短商品の象徴である即席麺、カップ麺を品揃え。訴求アプローチとポイントとして、し好性の高い商品群、新商品群、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)でも話題になるような商品群、地方色の個性があるエリア商品をボリューム陳列展開。この商品群には根強い固定ファンが多いので、特に新しい味にトライしてもらうべく、新商品の品揃えを目立つように陳列したい。
重点商品
各社の新商品として、日清食品ではカップヌードルエビまみれ、最強どん兵衛鴨だしそば、ラ王蟹と味噌。サンヨー食品ではホープ軒本舗監修東京背脂豚骨醤油ラーメン、オタフク焼そばソース味焼そば、きのこ庵2種のきのこうどん。東洋水産ではあじわい豚汁うどんでか盛、マジ盛海鮮チゲ味、麺づくり尾道ラーメン。エースコックではまる旨長崎あごだしうどん、CoCo壱番屋監修カレー専門店のカレーラーメン、スーパーカップ1.5倍黄金の味甘口風肉野菜炒め味ラーメン。
手抜きしてもおいしい! レトルト調味料!
この時季、寒さがまだまだ厳しいころで温かい鍋物メニューが定番だが、鍋物以外に肉や野菜をたっぷり使った中華風のホットメニューを提案。スパイシーなレトルト調味料は身体が温まるので、この時季ありがたい助っ人となることをアピール。売場づくりでは関連販売がポイントとなる。例えば、オイスターソース、コチュジャン、トウチジャン、トウバンジャン、テンメンジャンやスープ類、飲料類も同時に陳列。
重点商品
味の素ではクックドゥシリーズの中華合わせ調味料として、上海風甘辛豚飯用、四川式と広東式の各麻婆豆腐、酢豚、青椒肉絲、棒棒鶏、回鍋肉、八宝菜、干焼蝦仁など。丸美屋では新商品の麻婆豆腐の素1~2人前甘口や麻婆野菜シリーズの茄子の素、キャベツの素、もやしの素、白菜の素、豚ニラ王、エビチリなどがある。
菓子
今年も鬼は外・福は内! 節分フェア
「節分フェア」を通して子どもの健やかな成長と健康を願って、という販売趣旨の案内POPを売場に付けたい。親よりも、孫需要としてシニア層に訴求。店舗の近くに幼稚園、保育園があれば、業務用大袋入りの予約販売も検討する。
重点商品
おなじみの殻付き落花生、鬼の面付きのテトラパック入り豆菓子、関連販売として甘納豆や芋納豆も同時訴求。
感謝と自分へのご褒美! 今年のバレンタイン
プレゼント用と自分用の2つの用途に分けて陳列。本命用と義理チョコは時流として構成比が下がってきているので、おいしいチョコ、美容と健康に良いハイカカオチョコなどの売場構成比を広くする。
重点商品
おいしさで評判の地元の洋菓子店とタイアップして併売。明治のチョコレート効果Wプラス72、新商品ではメルテイキッス初摘み濃抹茶、とろける余韻のキャラメルなど。ロッテの洋酒チョコのラミー、バッカス、テイロワイヤル、新商品ではプレミアムガーナトライアルパック、天使が悪魔になっちゃったビックリマンチョコなど。
寒い時のだんらんに! 熱いお茶と和菓子!
まだまだ寒さが厳しい時季。寒い時のだんらんとおもてなし用に常温和菓子を訴求。売場展開のポイントは食べるだけでなく、見るだけでも楽しくなるカラフルな商品群で訴求する。また、催事として対面式の販売コーナーも展開。
重点商品
バイキング方式の和菓子のばら売りとして、桜餅、柏餅、きんつば、どら焼き、ようかん、まんじゅう、カステラなどをメインにかりんとう、せんべいなども関連訴求。
人気急上昇中! 大人のおやつドライフルーツ
おいしさと楽しさプラス美容と健康ということで特に女性層に人気のドライフルーツ。POP案内では食物繊維、ポリフェノール、食物繊維、各種ビタミン豊富などの情報を添えたい。
重点商品
プルーン、パイナップル、ブルーベリー、マンゴ、イチジク、リンゴ、干し芋、甘栗、ショウガ糖などボリューム展開。