GWは「トラベル」のアプローチを強化しよう|「これは押さえたい」日用品/雑貨編・2024年4月

2024.03.04

4月の定番の商品・売場についてはこちらの月別対策をご覧ください。

トータルプラン 横島宏一

今月のピックアップカテゴリー「トラベルグッズ」

新生活のスタートである4月は、ゴールデンウィーク(GW)に向けて売場を変化させる時季である。「新生活用品」のニーズから「春」のニーズへと比重が変化していく。「新生活」が、ある意味、限定された人(生活環境が変化する人)がターゲットであるのに対して、「春」のニーズは、ほとんどの人がターゲットとなる。

そして、気温の変化と共に、お客のニーズは、体に直接触れるもの、身に付けるものから変化していく。化粧品や衣類、服飾小物など直接身に着けるものから部屋、家、庭など回りの居住空間へと購買対象が広がっていく。また、天候や気温が外出するのに最適な時季になる。月末からのGWを控えて、行楽や旅行への関心が高まる。

GWに何をするのか

2024年(令和6年)のGWは、5月3日(金)~5月6日(月)の4連休となる。4月29日(月)は昭和の日で祝日ではあるが、4月30日(火)、5月1日(水)、2日(木)の3日間は平日となる。この3日間に休みを取れれば、10連休で大型連休となる。

23年から新型コロナウイルスによる行動制限が解除され、連休などの外出状況もコロナ以前に戻りつつある。

お客のニーズを考えてみよう。GWに行動することで必要なものを購入する。GWにすることは、「外に出かける(ドライブ、旅行、行楽など)」と「家で過ごす(ガーデニング、家の補修や掃除、衣替えなど)」である。

GW前は、GWにすることの準備をする。実際に出かけるためにその準備は、出かける前日、または、GWの前半までには終えることが前提となる。

従って、外に出かける準備提案は、GW以前から前半までが中心で、徐々に縮小が可能となる。そこで、その代わりに必要なものとしてGW中に家で過ごす人たちが、来店して楽しむ売場をつくる。

例えば、こどもの日をターゲットにしたイベント、こどもの日のプレゼントやごちそうなどを提案する。このように、4月からGW前半までは、「GWの準備」を展開し、それ以降は、「GWを楽しむ」売場として、家にいる人たちができる楽しみ方や行動を提案するようにしたい。

旅行へのアプローチ

長期休暇は、アウトドアや旅行などレクリエーションの予定を立てることが多い。家を離れ、日常から離れることで、ニーズが発生し、購買につながる。日本における長期休暇は、①年末年始(冬休み、帰省)、②GW、③盆(夏休み、帰省)といったように主に3回ある。また、学生の場合は、春休み(卒業旅行)が加わる。

旅行グッズの提案で考えるのは、①期間、②人数、③交通手段、④ターゲットの性別、年齢である。旅行は、「家(日常)から離れる」ことである。家から離れるから衣類や最低限の日用品を持っていく必要があるし、家から離れる手段や日数によって、必要なものも変化していく。

従って、旅行のメイン商品は、スーツケース、バッグとなる。バッグやケースは、旅行などの日程や、どのような交通手段で行くのかによってもサイズや形式が違ってくる。例えば、1泊だけと2、3泊、あるいは1週間では、荷物の量が違ってくる。これに合わせて、バッグやケースを選ぶことになる。

また、男性と女性でも荷物の量が違うので、当然、大きさも違う。長期旅行のとき、自家用車ならボストンバッグでも良いが、電車や飛行機ならキャスター付きのキャリーケースやスーツケースが便利である。

どのような交通手段で行くか

自家用車で移動する場合、ドライブ用品のキーワードは、「ロングドライブ」である。

長時間、車に乗ることを考えれば、車自体を奇麗にしておきたいものである。そこから、「洗車用品」の提案を行うという発想になる。

長時間車の中にいることになるロングドライブでは、車内の居住環境も快適なものにしたい。クッションや車内用温冷庫、消臭剤などの室内を快適にするための商品を展開する。また、夏であれば日よけ商品、冬であればクッションなどが求められるし、長時間のドライブに付き物である車酔いと眠気と尿意に対する商品も重要になる。

ミントガムや喉あめなどの口に入れるもの、エチケット袋や携帯用トイレなどの衛生用品を中心とした品揃えも考えられる。

電車、飛行機で帰省する場合は、キャスター付ソフトケースを中心に展開すると、電車で移動する帰省客や、国内旅行、ビジネスなどの対応が可能となりターゲットが広がる。子どももいっしょだとさまざまな用品が必要になるので、ベビー、キッズのトラベル用品の提案も忘れずに。

トラベルグッズの提案

長期の旅行では、女性は化粧品や小物を持っていくため、バッグの中で使用するポーチやミニバッグが欠かせない。小物を入れる商品の関連販売も忘れずに行いたい。

ヘルス&ビューティケアカテゴリーでのトラベル用品はそのほとんどが「旅行用のバッグに入れて持っていくもの」で、意外と買い忘れが多い商品だ。携帯に便利なミニサイズ商品と、それを収納するためのポーチや袋類を品揃えして提案する。

旅行の荷物の中で最もスペースを必要とするのが衣類である。衣類用のビニールバッグやメッシュ袋、しわや臭いを取るスプレー、長期旅行の際に必要となってくる洗濯用品などを品揃えする。

乳児を連れて外出する場合、おむつや尻拭きなどを携帯することが必要になるが、帰省や旅行をする場合にはさらに多くの物を必要とする。おむつ関連商品、フードやミルク、消毒用品、入浴用品を品揃えし、乳幼児も親も快適な旅行ができるような提案をする。

また、夏場なら、ベビーカーの日よけや虫よけ、冷却用品も展開する。

スーツケースやボストンバッグなど、大型のバッグの展開ができない店舗でも、女性用のトラベルグッズ「バッグの中に入っているもの」の提案は、定番のヘルス&ビューティケア商品でまかなうことができる。

また、女性の外出時に必須の紫外線対策用品やロングドライブ対策用品など便利グッズを提案することで、トラベルグッズの提案コーナーができるはずだ。年3回あるトラベルニーズの時季にタイミング良い提案を行おう。