梅雨明けの夏物対策と夏休みに使う商品|日用品/雑貨・7月の商品と売場

2022.05.24

2023.06.12

トータルプラン 横島宏一

梅雨明けと同時に気温は上昇し、梅雨から夏になる。いわゆる「夏物商品」のピークである。夏物商品としてはエアコン、扇風機などの冷房用品、プールや海などのレジャー用品、よしずやすだれなどの遮光商品がある。これらの商品は典型的な温度天候型商品であり、梅雨明けの時季や温度の上昇などに大きく左右される。

今年の気象状況を的確に判断し、商品管理に生かすことが売上げに大きく影響する。また、後半からは学校が夏休みになる。子どもが休みになることで発生するニーズ商品は、行事型商品である。7月は、この温度天候型商品と行事型商品をバランスよく提案することが必要となる。

夏物商品は、温度、天候に左右される商品ではあるが、それだけに、ピーク時の商品販売が売上げに大きく影響するため、売場展開、商品確保、その処分と縮小のタイミングが重要となってくる。

いざ、なってみないと分からない天候や温度に対してはあらかじめ、冷夏、盛夏、猛暑などの暑さの変化に対して、取るべき行動を自分なりにシミュレーションしておくことで、対応がスムーズに行える。

暑くなれば夏物商品を強力に提案していくし、逆に、冷夏ならば、夏物商品の縮小や早期処分を行い、盆、帰省用品、キッズ商品などを前面に出す。

天候や温度の変化に、どのようにも対応できる幾つもの方策を事前に準備しておき、状況に応じて売場を拡縮していくことが季節商品を販売する対策となる。

季節商品のもう1つの対策は、「早期販売」である。夏物商品のような季節商品の購入は、基本的にシーズン期間に1つしか売れない。1つしか売れないなら、「先に売った者勝ち」である。暑くなる前から「夏が来る→夏物商品が必要」というイメージを売場において展開し、早期販売につなげたい。結果として、天候不順な場合でも、最低限の販売が可能となるはずだ。

また、子どもが夏休みに入り、買物にも子どもと一緒に来る機会が増える。子どもが買いたいと思う商品や関係する商品を組み込むことで、来店頻度を高め、点数を増やすことができる。

パーソナル冷房

夏物商品のメイン商品である冷房用品はエアコンや扇風機であるが、スーパーマーケット(SM)やドラッグストアでは、大型家電商品の販売は難しい。

しかし、最近では、オフィスで自分専用の扇風機や屋外に持ち歩く携帯ファンなどが一般化している。そこで、テレワークやオフィスで使用するミニ扇風機や扇子、クールタオルなどを展開し、オフィス、外出先でも、個人で涼む提案を行う。

扇子や扇子袋、乾電池式のパーソナル扇、クールネック、クールタオルやハンカチやタオル、手ぬぐいなどを柄やデザイン、サイズ、素材などのバリエーションを広げ、提案したい。また、日傘やUVケア手袋などの服飾小物を一緒に展開することで、夏の外出用品のコーナー展開も可能だ。

主な商品

扇子、扇子袋、パーソナル扇、クールネック、クールタオル、ハンカチ、タオル、手ぬぐい、汗拭きシート、日傘、UVケア手袋、腕カバー、ストール、帽子など

日よけ、遮光用品

夏の日差しを避ける大型のよしずやすだれは、スペースの狭い店舗では展開が難しいかもしれないが、最近では、100円均一ショップでも、すだれやオーニングが展開されている。

日よけ用品には、家の日よけとしてすだれやオーニング、車用のサンシェード、個人の日よけとして、帽子や日傘、腕カバーなどの服飾小物などがある。

店舗立地やスペースに応じて、それぞれのカテゴリーで拡縮することで展開が可能になるはずだ。

すだれやオーニングには、取り付けフックが必需品となる。ミニすだれは、タペストリー的なインテリアとしても使用できるので提案したい。

主な商品

すだれ、ミニすだれ、オーニング、取り付けフック、のれん、車用サンシェード、帽子、日傘、腕カバー、ストール、スカーフ、サングラスなど

夏のスキンケア

屋外のレジャーには、紫外線対策としての日焼け止めは夏の定番だ。肌の弱い人向けのアロエ成分入りのローションやジェル、冷却用スプレーなどをアフターケア商品として同時に展開する。

また、肌を出す服が多くなる夏は、ムダ毛の処理を考えるので、ボディ用のカミソリやシェービングフォーム、除毛剤などの脱毛用品も日焼け関連と近い場所で展開をしたい。

制汗剤や拭き取りシート、デオドランド商品の売上げは梅雨明けから8月下旬までがピークとなる。最近は男性用商品の売上げが増えているので、目的買い傾向の強い男性客のために、店頭から見やすい場所でのプロモーション展開をする。

主な商品

UVクリーム、UVローション、UVファンデーション、ヘアケア、ボディローション、ボディパック、マッサージクリーム、脱色剤、脱毛剤、レディースシェーバー、制汗剤、消臭スプレー、汗取りシート、入浴剤、ボディソープなど

夏の食卓

夏の食生活を考えるとき、夏ばて対策として油分の多いガッツリ系食事とそうめんなどのさっぱり系食事がある。食事に合わせた商品を、「作る」から「食べる」までの商品提案を行いたい。

夏の食事として多いのが「そうめん」「冷やし中華」「冷麺」などの冷たい麵類である。そうめん皿、そうめん鉢、薬味皿などが食卓に並ぶ事をイメージしたセンスの良い商品を展開したい。

そば用品として、とっくり、ちょこ、そばざるなどの展開も行いたい。竹製のざるやおしぼり受けなど竹素材の商品で食卓を彩る。麺類を食卓に出すには、「ゆでる」という行程がある。麺をゆでるための大型鍋、湯や水を切るストレイナーやざるなどの商品も併せて展開したい。

焼肉を中心に、ステーキ、ガーリック料理、しゃぶしゃぶ、中華などの料理のメニューを想定して、調理から食卓までの商品を展開する。何を作るための商品なのかを明示して、商品を構成することが大切である。SMなどでは、夏野菜のカレーの提案がされる。カレーに含まれるスパイスの香りと辛さは食欲を増進させ、いろいろな野菜と組み合わせることで栄養のバランスが良く夏ばて解消に役立つ。

主な商品

そうめん皿、そうめん鉢、薬味皿、とっくり、ちょこ、そばざる、こね鉢、麺台、麺棒、大型鍋、ストレイナー、ざる、焼肉プレート、カセットボンベ、コンロ、オイル引き、菜箸、天ぷら鍋、バット、天ぷら敷紙、オイルポット、廃油処理剤、カレー鍋、カレー皿、カレースプーン、サラダボール、ずんどう鍋、ほうろう鍋など

快眠グッズ

夏は、「暑いために眠りが浅くなる」→「眠りが浅くなるから夏ばてがひどくなる」というように悪循環を起こし、体力が消耗しやすくなり、睡眠不足のために体の機能や自律神経に狂いが生じやすくなる夏ばてという症状が起きる。

そのため、快適な睡眠を取ることが重要になってくる。快適な睡眠を得るためには、寝具が大きな役割を担っている。

寝具というと広いスペースを取りづらいSMでは展開しづらいと思いがちだが、寝具の中で一番頻度が高いのは、シーツ、ピローケース(枕カバー)などのカバー類である。シーツや枕カバーに絞って展開することで、売場スペースも確保できるのではないだろうか。

特に夏は汗をかくために、シーツパッドのニーズが高く、カバー類の洗濯や交換の頻度が高くなっている。最近では、冷感パッドや冷感枕カバーなどの機能商品があるので、冷却シートや枕と関連陳列して、快適な安眠を訴求したい。

主な商品

シーツ、ピローケース(枕カバー)、シーツパッド、冷感パッド、冷感枕カバー、アイス枕、冷却シート、水枕、健康枕、井草枕など

殺虫剤

梅雨明けと共に、殺虫剤は蚊やハエが中心となり、ピークを迎える。

日本家庭用殺虫剤工業会ホームページによると、殺虫剤は主に、①蚊取り線香、②電気蚊取、③ファン式蚊取、④エアゾール、⑤ワンプッシュ式蚊取などに分類され、他に吊り下げタイプや置き型のもの、殺虫成分を使わず、冷気で駆除するエアゾール商品やワンプッシュ式、なども開発されるなど、新たな商品が開発されている。

最近では、家への侵入を防ぐ商品や天然成分の商品など商品ラインアップも増えている。多種多様の商品群の中で今年の売れ筋商品を見極め、処分期に生かすことも大切だ。

主な商品

蚊取り剤(エアーゾール、線香、リキット)、ハエ取り剤、アリ・ゴキブリ駆除剤、ネズミ駆除剤など

夏の冷たいおやつ

かき氷やアイス作りなどの商品は、子どもが楽しみながら涼を取ることができる。かき氷製造器、アイスデッシャー、アイスクリーマー、アイスクリームグラス、スプーンなどを子どもが喜ぶ商品の提案をする。また、冷たい飲料を飲む機会も増える。グラスや冷水筒なども一緒に展開する。冷蔵庫が大活躍するので、冷蔵庫の収納用品や便利小物も併せて展開したい。

主な商品

麦茶用品、冷水筒、浄水器、かき氷製造器、製氷皿、アイスクリーマー、アイスディシャー、グラス、コースター、冷蔵庫収納グッズ、冷蔵庫便利用品など

庭でプール

まだ小さいキッズ、ベビーは、自宅の庭にビニールプールを設置して遊ぶ。水遊び用品として、プラスチック製のバケツやじょうろなどの玩具の展開を行う。庭で遊ぶとき、近所の子どもや母親を招いたりすることも多い。紙コップや紙皿などのパーティ用品も関連販売したい。夜の庭遊びとして、花火もある。

主な商品

ビニールプール、ビーチボール、フットポンプ、バケツ、水遊び玩具、水鉄砲、バスタオル、タオル、紙コップ、紙皿、割り箸、ストロー、花火など

バーベキューを楽しもう

新型コロナウイルスの影響もあって、キャンプブームとなっている。キャンプ用品は展開できなくても、バーベキュー用の食材を販売しているSMならバーベキュー用品の展開をしたい。

バーベキューであれば自宅の庭でもできる。コンロなどの器具はすでに用意している場合が多いので、木炭などの消耗品を中心に展開していく。

主な商品…木炭、着火剤、着火用ライター、カセットボンベ、焼肉用プレート、トング、鉄板、網、串、食器、紙コップ、皿、割り箸、へら、クーラーボックス、蓄冷剤、ウエットティッシュなど

夏のお弁当

弁当箱のピークは春の新生活時季であるが、最近、夏休みに入るころに弁当箱が売れるようになってきている。これは、入学時には不要と思っていた給食がある中学生や学食で済ませている高校生などが、給食や学食が休みの夏休み中に行うクラブ活動で、弁当を持っていくためである。暑さを考えて保冷剤付きの弁当箱や抗菌タイプの弁当箱、保冷バッグや抗菌シートなどの弁当グッズを提案したい。熱中症対策としてステンレスボトルも一緒に展開する。

主な商品

弁当箱、保冷剤、弁当袋、箸、箸袋、抗菌シート、保冷バッグ、ステンレスボトル、ペットボトルカバー、スプーンなど

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