防災の日を機に非常食のローリングストック提案|「これは押さえたい」グロサリー編・2023年9月

2023.08.08

2023.08.09

フロントオフィス企画代表 近藤 智

9月は台風の発生はじめ、全国的に災害リスクが高まると思われる。また、新型コロナは第9波の兆候が見られるなどリスクbのある9月である。そのことを前提として、重点商品、売場展開の前に「これは押さえたい」9月暮らしのたたずまい、販促の流れを4つの区分で確認しておきたい。

9月1日(金)から9月10日(日)までの変則的な第1週。大規模自然災害の多発が定着した感がある中、防災意識が高まってきた。そこで、昨年同様、9月1日の「防災の日」を機に非常食にもなるローリングストックの入れ替えを家庭で再確認することを提案したい。今年は家庭だけでなく、災害発生時、帰宅できずに職場にとどまる場面も想定して販促につなげたい。

9月11日(月)から9月17日(月)までの第2週。秋の気配も感じられるころだが、まだまだ残暑が厳しい時季でもある。秋の味覚のブドウ、ナシ、サンマ、秋サケなど山の幸、海の幸の追っかけファンもそわそわするころである。しかし、秋の味覚を大々的に訴求展開する前に夏の最後の涼味食品も同時に訴求したい。

9月18日(月、祝)から9月24日(日)までの第3週。新型コロナウイルスは第9波の兆候が見られるが、前週の16日から3連休を使って秋の行楽を楽しむ人や郷土への帰省など人の移動が増えるころ。

18日の「敬老の日」用にハレメニューの提案を実施。23日は「秋分の日」。「暑さ寒さも彼岸まで」といわれるように、朝晩涼しさを通り越して、時には冷え込んだりする時季になり、温かメニューも提案したい。

9月25日(月)から10月1日(日)までの変則的な第4週。23日に「秋分の日」を迎え、「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるように気候が変わる。衣替えの週で衣食住とも秋冬モードに移行する週で温かい鍋物メニューが食卓に上るころ。

新型コロナウイルスの状況にもよるが、秋の運動会シーズンでもあり弁当関連食材やペットボトル飲料、おやつ用菓子の需要が伸びてくる。

グロサリー

防災の日! 家庭と職場でも非常食の準備を!

エンドの最上段には「防災の日! 非常食の準備を!」の看板POPを取り付けて訴求したい。9月1日の「防災の日」にちなみ、常備しておくと重宝な商品カテゴリーを知らせて訴求する。

例えば、カップ麺、即席麺類、魚肉やフルーツ、スープなどの缶詰類、パックご飯類、つくだ煮やラッキョウなどの瓶詰め類、ペット飲料類など、幅広く品揃え、訴求する。ポイントは常備してもらうこと、賞味期限を確認して入れ替えること。

また、非常時対応の提案なので全てのお客を想定しておきたい。例えば、アレルギー対応商品も含めることや、乳児用の粉ミルク、ミルクを作るための軟水のペットボトル水などもある。

重点商品

昨年と違うポイントは弱者対応の商品群を優先したい。具体的にはかむ力の弱い方へのユニバーサルデザインの柔らかいレトルト商品群や赤ちゃん用の各種離乳食がある。関連商品として家族の一員としての犬猫などのペットフードも同時展開。トレンド商品としてフリーズドライのパスタやリゾット、アルファ化米も展開。ペットボトル飲料では経口補水液は必須アイテムである。

残暑の味を楽しもう! 今年最後のそうめん!

残暑が厳しい中、今年最後のそうめんの食べ納めを演出し、訴求。この時季は気温の上下が週間単位で激しいが、そうめんは涼味として冷麺やみそ汁で温麺としても楽しめることをPOPで案内した売場をつくる。

真夏の延長で涼味として訴求するために、涼感を演出してブルーをイメージカラーにし、POPの色使いを統一する。8月中旬以降、中元ギフトの解体セールが販定着した感があるが、そうめんの残在庫商品も同時展開して販促の名物化としても提案する。同時にそばなどの関連乾麺類を展開して今年最後の涼味フェアとして売場演出を実施。

重点商品

中元ギフトのそうめんの残品在庫があれば、同時展開する。メイン訴求商品群として揖保乃糸そうめん、小豆島そうめん、島原そうめんなど全国各地の人気そうめんを展開。値頃の200円と300円の価格ラインの商品群と特級麺の700円までの価格ラインの商品群を品揃え、訴求。また、健康志向として製法特許の無塩そうめんも品揃えする。

敬老の日! 元気シニアを健康食材で応援!

「健康でいつまでも元気で」ということを訴求。食材、メニューを通して健康サポート提案というと「特定保健用食品(トクホ)」や「機能性表示食品」があるが、これらの商品は定番売場の中でのPOP訴求とする。

エンド展開する商品群としては抗酸化成分を含み、免疫力アップになるといわれているコーヒー、緑茶、紅茶などの飲み物類を拡販する。また、昆布、ワカメなどの海そう類、イリコ、シイタケ、干し大根も健康食材として根強い人気がある。これらは若い女性層、シニア層に人気で、飲料と乾物の同一エンドで訴求し、健康食材として展開したい。

重点商品

麦芽系粉末飲料、レギュラーコーヒー、緑茶、紅茶などの飲み物関連と健康に良いとされる農水産乾物と同時展開したい。健康関連としてココア、ワカメスープのもと、乾燥ニンニク、サバ缶、イワシ缶、亜麻仁油エゴマ油、黒酢なども同時訴求。

和風、洋風、中華風でおいしく! 食欲の秋!

惣菜レトルト調味料をフルに活用して食欲の秋を和風、洋風、中華風や韓国風で楽しもうという提案企画。中華レトルト調味料を中心に惣菜レトルトを品揃え。野菜類、魚介類、肉類をおいしく簡単に調理できることを売場で訴求する。

また、この時季は台風なども予想されるので、防災食としてローリングストックとしてもアプローチできる。

重点商品

中華を中心とした惣菜レトルトを訴求する。酢豚、八宝菜マーボーナス、チンジャオロースー、ホイコーロー、バンバンジー、カンシャオシャーレンなどを訴求。また、韓国風では豆腐チゲ用、プルコギ用、コチュジャンなどを展開。また、関連商品として沙茶醤、香辣醤、椒麻醤、豆板醤、XO醤、牡蠣油、辣油、葱油などの中華調味料も同時展開。

菓子

防災週間! 非常食として重宝な菓子たち!

グロサリー部門と連携した売場づくりがポイント。また、火や水を基本的に使用しなくても即食できることがポイントとなる。さらにもう1つのポイントはローリングストックの入れ替えの際、おやつ用以外に朝食用、おつまみ用など、いろいろなシーンで重宝であることをPOPで案内すること。直接、買物動機につながるような売場展開としたい。

重点商品

非常食にも便利で重宝だが、朝食用に転用できるものとしてシリアル類、ヨーグルトのトッピング用にドライフルーツ、ピスタチオ、カシューナッツ、アーモンドなどがある。つまみ用に転用できるものとして珍味類のサキイカ、ミニサラミ、ホタテ貝柱、シジミ貝、マグロミックスなども重宝。

その他、チョコレート大袋、クッキー類、ようかん、せんべい、グミ、キャンディ類などは非常時でもいやしとくつろぎタイムを提供してくれる。

残暑厳しい中、今年最後の涼菓フェア!

異常気象が日常茶飯事となり、残暑が厳しく、気温が25℃を超える日が増えた。そこで涼菓が手放せない子どもたちも多く、涼味デザートで人気アイテムのゼリー、プリンを訴求したい。

また、コンニャクゼリーが子ども以外にダイエットに関心がある若い女性層に支持されて人気が定着したので老若男女に訴求したい。クッキー類などの焼き菓子などは飲み物がいるが、水分の多いこれらの商品群はそのまま食べられるので重宝。品揃えで選ぶ楽しさの演出を訴求したい。

重点商品

寒天ゼリー、プリン、水ようかん、こんにゃくゼリーをはじめ、冷やしておいしいようかん、最中なども展開したい。さらに若い女性層に人気が定着した梅、メロン、かんきつ類の常温パックフルーツゼリーなどを品揃え。

秋の味覚でホッコリのティータイム!

健康に良いとされる日本茶やコーヒー、紅茶など、生活シーンに応じてそれぞれの飲み物と相性の良い菓子類を提案。「敬老の日」にちなみ、シニア層に秋の人気スイーツのサツマ芋、栗を使った商品を品揃えする。

重点商品

シニア層には特に懐かしく、うれしいイモケンピ、芋ようかん、おさつスナック、芋あめ、芋かんころ餅、芋甘納豆、スイートポテト、真空パックの焼き芋、栗どら焼き、栗最中、栗ようかん、栗ぼうろ、栗まんじゅう、栗きんとん、栗あめ、マロングラッセ、天津甘栗、むき栗など秋のスイーツを品揃え。

お彼岸! おいしさの伝統の常温和菓子!

買上率を上げる工夫をしたい。例えば、甘味が苦手な人用に「冷やすと上品な後味が楽しめる」旨をPOP案内したい。食べるだけでなく目でも楽しめるように、各種菓子の持つ色合いを見せて強調したい。

重点商品

目でも楽しめるようにウグイス色の抹茶まんじゅう、朱色系のようかんなどを展開したい。抹茶入りや紫芋などカラフルさが楽しめる芋ようかん、最中、八橋、塩まんじゅう、ゴマまんじゅう、柏餅、おはぎなどを展開したい。