ヤマト運輸のキャッシュレス 決済「にゃんPay」とは?使い方や利用メリットを解説

2022.09.27

出所:ヤマト運輸

近年、ポイント還元や割引などでお得に料金の支払いを行える、スマホ決済サービスの利用者が急増している。多くの事業者がスマホ決済サービスを提供している中、宅配便事業を展開するヤマト運輸も、QRコード決済サービス「にゃんPay」を新たにリリースした。

本記事では、にゃんPayの概要から利用するメリット、実際の登録方法、使い方まで解説していく。

にゃんPayアプリとは?

ヤマト運輸は2022年9月12日より、QRコード決済サービス「にゃんPay(にゃんペイ)」の提供を開始した。以前から提供されている「ヤマト運輸公式アプリ」の新たな機能として、にゃんPayを追加。ヤマト運輸の宅急便や資材購入に係る料金の支払いなどに、にゃんPayは利用可能となっている。

ヤマト運輸営業所・セールスドライバーの対面集荷で利用できる

にゃんPayによる料金の支払いは、ヤマト運輸営業所もしくはセールスドライバーの対面集荷で利用できる。気を付けたいのが、上記の依頼方法以外でにゃんPayを利用できない点だ。

ヤマト運輸の荷物はコンビニやスーパーなど取り扱い店に持ち込み、発送することも可能だが、にゃんPayで料金は支払えないので注意して欲しい。

金融機関口座からチャージして決済する

にゃんPayは事前に金融機関口座を登録し、スマホからチャージして料金を支払う仕組みとなっている。利用可能な金融機関口座は限定されており、2022年9月時点で全国140以上に上る。

連携できる金融機関はみずほ銀行を除けば、地方銀行などが中心だったが、9月28日に三菱UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行など30行が接続先として追加されると告知されている。一方で、現時点では、セブン銀行・楽天銀行・イオン銀行などのネット銀行は、にゃんPayには紐づけできないため注意が必要だ。

最新の連携可能な金融機関情報は「にゃんPay 利用できる金融機関一覧」(9月27日時点)をチェックして欲しい。

その他のチャージに関する詳細としては、下記の通り。

残高上限20,000円
チャージ上限1日あたり20,000円(残高上限以内)
チャージ手数料無料

なお、残高の有効期限は最終利用日から5年間で設定されている。定期的ににゃんPayを利用すれば問題ないが、有効期限を過ぎると残高は失効するため注意が必要だ。

クロネコメンバーズへの登録が必要

にゃんPayを利用するには、クロネコメンバーズへの会員登録が必要となる。クロネコメンバーズの入会金・年会費は無料で、Web集荷依頼を行えたり、荷物を受け取る際にもお届け予定通知・不在通知が来るなど便利なサービスが揃っている。

この機会に、クロネコメンバーズのにゃんPay以外のサービスも活用してみて欲しい。

にゃんPayの利用メリットとは?

ここでは、にゃんPayを利用するメリットを解説していく。

12%の割引を受けられる

にゃんPayを利用する最大のメリットは、荷物の発送時に12%の割引を受けられる点だ。

ヤマト運輸の運賃は、宅急便コンパクトであれば680円~(税込)、60サイズであれば930円~(税込)で料金が設定されているが、にゃんPayを活用すれば、運賃を削減可能。

例えば、東京都から愛知県へ60サイズの宅急便を送る場合、キャッシュレス決済運賃で924円(税込)の料金が発生するが、にゃんPayを利用すると813円(税込)となり、111円お得に荷物を発送できる。加えて、ヤマト運輸のクロネコメンバーズ持込割(150円引)、デジタル割(60円引)、宅急便センター受け取りサービス(60円引)も併用すれば、924円が543円(税込)まで値引かれ、381円もお得に利用可能だ。

なお、にゃんPayで決済および料金の割引を受けられるサービスは、下記の通り細かく分けられている。

サービスにゃんPay決済対応割引適用備考
宅急便(発払い)
宅急便(着払い)
宅急便コンパクト(発払い)梱包資材は割引対象外
宅急便コンパクト(着払い)
複数口
往復宅急便
ネコポス
クール宅急便クール料金は割引対象外
ゴルフ宅急便梱包資材は割引対象外
スキー宅急便梱包資材は割引対象外
空港宅急便空港手数料・ANA手ぶらサービス料金は割引対象外
パソコン宅急便梱包資材は割引対象外
クロネコDM便
宅急便タイムサービスタイムサービス料金は割引対象外
国際宅急便(発払い・着払い)
資材販売
宅急便コレクト
クロネコマーケット

クール料金やタイムサービス料金など、宅急便料金以外には基本的ににゃんPayの割引は適用されない。また、にゃんPayによる支払い時は、現金や他の決済手段を併用することができない点も注意が必要だ。

オートチャージ機能で残高を自動追加できる

にゃんPayには、残高を自動でチャージできる「ちょうどチャージ」の機能が備わっている。料金支払い時に残高が不足していれば、500円以上1円単位でオートチャージが可能。

例えば、残高500円の状態で1,370円の運賃が発生する場合、差額の870円を自動チャージして支払いできる。残高不足を心配せずに済むだけでなく、残高をちょうど使い切ることも可能なので、頻繁にヤマト運輸を利用しない人でも重宝できるサービスと言える。

強固なセキュリティで安心して利用できる

にゃんPayでは、各金融機関サイトで認証手続きおよび独自の多要素認証を行った後、アカウント開設・銀行口座の登録を実施する。これにより、第三者が不正にアカウントを作成するといったセキュリティの脅威を防止可能。

また、にゃんPayを運用するのが、メガバンクのみずほ銀行であるのもポイント。専門チームが取引をモニタリングし、不正を検知した際は即座に利用停止措置が取られる。被害を未然に防ぎ、安心して決済を行えると言えるだろう。

にゃんPayアプリの登録方法

にゃんPayを初めて利用する人向けに、ここではアプリの登録方法を解説していく。まず、App StoreもしくはGoogle Payから「ヤマト運輸公式アプリ」をインストールする。

ヤマト運輸公式アプリを起動すると、アプリのホーム画面が立ち上がるので、画面右上の『ログイン』をタップ。

クロネコメンバーズのログイン画面にて、クロネコIDとパスワードを入力する。初めてクロネコメンバーズを利用する人は、画面左下の『新規登録(無料)』から会員登録を済ませよう。

クロネコメンバーズへログインすると、今後生体認証を利用してログインするか、選択画面が表示される。iPhoneの場合は、Touch IDもしくはFace IDで素早くログイン可能。

セキュリティ面でも安心できる生体認証を、必要に応じて設定しておこう。

次に、にゃんPayのサービス提供元である、みずほ銀行の利用規約が表示される。内容を確認した後、『同意する』をタップ。

続く画面では、にゃんPayのサービス概要が表示されるので、内容を確認しつつ『次へ』をタップしていく。

次の画面では、にゃんPayの利用規約とプライバシーポリシーが表示される。内容を確認して『上記内容に同意する』にチェックを入れ、『同意する』をタップする。

規約に同意後は、携帯電話番号を使用して端末認証を行っていく。携帯電話番号を入力し、スマホに届いた認証コードで端末認証を済ませよう。

続く画面では、数字6桁のパスワードの登録を行う。

次に、にゃんPay使用時に生体認証を利用するか、選択画面が表示される。

その後、にゃんPayの口座登録に関する規約が表示されるので、内容を確認して『規約内容に同意する』にチェックを入れ、『同意する』をタップ。

次に、にゃんPayの会員情報の登録を行う。クロネコメンバーズで登録した個人情報が入力されている状態なので、内容を確認して『次へ』、『登録して次へ』をタップする。

最後に、チャージ元となる金融機関口座の登録を行っていく。金融機関を選択すると、各機関専用の認証サイトへ遷移するので、画面の指示通り設定を進めていこう。

にゃんPayアプリの登録方法は以上だ。

にゃんPayアプリの使い方

にゃんPayの機能はシンプルで使い勝手も良いが、使用する流れを知りたい人向けに、ここではにゃんPayアプリの使い方を見ていく。

にゃんPayのチャージ方法

まず、にゃんPayのチャージ方法から解説していく。にゃんPayを起動すると、画面中央に『チャージ』のボタンがあるので、タップする。

出所:ヤマト運輸

チャージ方法として、設定した金融機関口座が表示されるので、タップする。

出所:ヤマト運輸

チャージ金額を指定できるボックスに数値を入力し、『チャージする』をタップすると、残高の追加は完了となる。

出所:ヤマト運輸

残高のオートチャージ設定を行う場合は、チャージ方法の選択画面で『ちょうどチャージ設定』をタップする。

出所:ヤマト運輸

ちょうどチャージ設定」のON・OFFボタンが表示されるので、タップして設定をONに。オートチャージ機能を利用する金融機関口座を選べば、「ちょうどチャージ設定」は完了となる。

出所:ヤマト運輸

にゃんPayのチャージ方法は以上だ。

にゃんPayを使用した決済方法

にゃんPayで料金を支払う際は、アプリ上で生成される決済用コードを利用する。

利用の流れとしては、最初にヤマト運輸公式アプリを立ち上げ、にゃんPayを起動。画面上部に決済用コードが表示されることを確認する。

出所:ヤマト運輸

決済用コードをタップすると、画面が拡大されるので、ヤマト運輸営業所の受付もしくはセールスドライバーに提示する。

コードをスキャンしてもらえば、料金の支払いは完了となる。

出所:ヤマト運輸

にゃんPayを利用した決済方法は以上だ。

にゃんPayアプリのまとめ

にゃんPayの使い道としては、ヤマト運輸の運賃や資材の料金支払いなど、他のスマホ決済サービスに比べて限定的となっている。新たに決済手段やスマホアプリを増やすことに対し、抵抗がある人も多いかも知れないが、12%の料金割引を受けられるのは非常に魅力的。

また、残高のチャージもスマホ1つで簡単に行えるため、手持ちに細かいお金がなくても安心。登録できる銀行口座が指定されている点やコンビニ・スーパーで利用できない点など、留意すべきこともあるが、日頃からヤマト運輸を利用する人はぜひチェックして欲しいサービスと言える。

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