クオカードペイとは?使い方や使える店、利用メリット・デメリットなどを解説
2022.11.11
現金の代わりに利用でき、贈り物としても活用されているギフトカード。昨今では、Amazonギフト券・Apple Gift Card・楽天ギフトカードなど、電子ギフト券がプレゼントに利用されるケースも増えている。
多様な電子ギフト券が登場する中、クオカードのデジタル版である「クオカードペイ」への注目度も高まっている。本記事では、クオカードペイの概要から、消費者および事業者がクオカードペイを利用するメリット・デメリット、使い方、事業者の活用事例まで解説していく。
クオカードペイとは?
全国共通ギフトカード「クオカード」のデジタル版として、2019年3月に登場したのが「クオカードペイ(QUOカードPay)」だ。専用のURLにアクセスすることで、スマホ上に決済用バーコードが表示される仕組み。店員にバーコードを読み取ってもらえば、支払いは完了となる。
サインや本人確認も不要で、磁気タイプのクオカードと同様に残高が残っている限り、繰り返し利用できる。クオカードペイはURLさえ受信できれば使えるため、ギフト・プレゼント用に利用されるケースも多い。
受け取ったクオカードペイは、コンビニ・ドラッグストア・ホームセンター・家電量販店など、さまざまなジャンルの店舗で使用可能。また、専用のアプリもリリースされており、より便利に活用することもできる。
クオカードペイのメリット
ここでは、クオカードペイを利用するメリットを解説していく。
相手の氏名や住所不要でプレゼントできる
クオカードペイは、購入時に発行される専用URLを相手に送るだけでプレゼント可能なギフトカード。TwitterやInstagramなどSNSで繋がっている友だちであっても、相手に氏名・住所といった個人情報を聞くことなく、DMで気軽にクオカードペイを贈れる。
もちろん、贈り主の個人情報が相手に知られることもないので、セキュリティ面で安心のサービスと言えるだろう。
受け取り手は会員登録不要で利用できる
前述の通り、クオカードペイの受け取り手は専用URLからギフトカードを利用できるが、会員登録や口座登録といった処理は一切不要。URLを開くと、クオカードペイの決済用バーコードが表示される仕組みとなっている。
手軽にプレゼントできるだけでなく、受け取り手も面倒な作業要らずで利用可能なのも大きなメリットだ。
アプリの利用で利便性が高まる
クオカードペイには専用のスマホアプリが存在し、利便性の向上につながるさまざまな機能が備わっている。その1つが、残高を合算する機能だ。
受け取った専用URLから手軽に利用できるクオカードペイだが、そのURLがどこにいったかわからなくなるケースも多い。URLをブックマークしておく方法もあるが、アプリを利用すれば、受け取ったクオカードペイ残高はアプリ上で使用可能となり、都度指定のURLへ遷移する必要もなくなる。
また、クオカードペイは複数受け取ると、その分URLも増えていき、管理がより煩雑になってしまうデメリットが存在する。しかし、アプリではさまざまなURLに点在した残高を合算可能なため、クオカードペイを受け取る機会が多い人にはアプリの利用をおすすめしたい。
その他、利用履歴や有効期限もアプリ上から確認できるが、アプリ限定キャンペーンが定期的に実施されているのも、チェックしておきたいポイント。
例えば、2022年10月時点では、ほぼ毎日クオカードペイが抽選で当たるキャンペーンを実施中。お得にクオカードペイを貯めて出費を減らしたい人も、アプリの利用を検討してみて欲しい。
オリジナルデザインでプレゼントできる
クオカードペイでは、オリジナルの画像を券面に採用できるのも大きな特徴。手持ちの画像をアップロードするだけで券面に利用でき、トリミングといった簡単な画像処理も可能となっている。
世界に1つだけのオリジナルカードで、感謝の気持ちを伝えたいときにもぴったりだ。
現金と併用できる
クオカードペイは現金と併用し、決済に充てることもできる。商品代金に対してクオカードペイの残高が足りない場合は、不足分を現金で支払い可能。
残高が少額であっても、クオカードペイを余すことなく使い切れるのも魅力だ。
クオカードペイのデメリット
クオカードペイを利用するメリットは多いが、気を付けたいポイントも存在する。ここでは、クオカードペイのデメリットを見ていこう。
磁気タイプのクオカードより使える店舗は少ない
クオカードペイを使える店は日々増えており、下記のような店舗で利用できる。
業界 | 店舗例 |
コンビニ | ローソン、ローソンストア100、ナチュラルローソン、ミニストップ |
ドラッグストア | スギ薬局、サンドラッグ、マツモトキヨシ、ゲンキー |
スーパー・ディスカウントストア | Aコープ、バロー、ベルク |
家電量販店 | エディオン、ケーズデンキ、コジマ、ビックカメラ |
ライフスタイル | トイザらス、東急ハンズ、HMV、Honda Cars |
ファッション | ユニクロ、GU、はるやま、洋服の青山 |
グルメ | 吉野家、松屋、くら寿司、サブウェイ、ファーストキッチン、ドトールコーヒー |
書店 | 大垣書店、紀伊國屋書店、ジュンク堂書店、TSUTAYA |
さまざまな業界で利用できるクオカードペイだが、磁気タイプのクオカードに比べると加盟店数は少ない。例えば、コンビニ大手3社で見た場合、クオカードペイを利用可能なのはローソンのみだが、クオカードであればセブン-イレブン・ファミリーマートを合わせて大手3社全てで使用できる。
加盟店を公式サイトで確認しながら、クオカードペイを利用して欲しい。
クオカードをクオカードペイとして利用することはできない
クオカードとクオカードペイは、ともに株式会社クオカードが提供するサービスであるが、互換性を持たない点がデメリットとして挙げられる。例えば、所有枚数が増えてきたクオカードを、クオカードペイアプリに集約するということはできない。
それぞれ独立したサービスと捉えたほうが良いだろう。
有効期限が設けられている
クオカードペイには有効期限が設けられており、発行日から3年間となっている。磁気タイプのクオカードに関しては無期限で利用可能なため、混同しないように注意が必要。
なお、クオカードペイの有効期限は、クオカードペイアプリもしくは受取URLから確認できる。アプリであれば、有効期限が近付くと登録メールアドレスに通知が来るので、受け取った際はぜひ活用してみて欲しい。
クオカードペイの使い方
ここでは、クオカードペイを受け取った際の使い方を解説していく。まず、メールやSNSなどで受信したURLにアクセスし、クオカードペイの受け取り画面へ遷移する。
そのまま支払いを行う場合は『お支払い』をタップし、決済用バーコードを表示する。
クオカードペイアプリで利用したい場合は、『アプリに保存』をタップ。
その後、クオカードペイアプリで『お支払い』をタップすると、決済用バーコードが表示される。
店舗で決済する際は、クオカードペイで支払う旨を店員に伝え、スマホ上のバーコードを読み取ってもらおう。
現金とも併用可能だが、券売機や無人レジでは併用できない場合もあるので、注意して欲しい。クオカードペイの使い方は以上だ。
クオカードペイを導入する企業側の費用やメリット・デメリット
次に、クオカードペイを利用する企業側の費用や、メリット・デメリットを解説していく。
発行手数料が発生する
クオカードペイでは額面金額に加え、カード発行時のシステム料や事務作業料などの一部を顧客が負担するとして、発行手数料が発生する仕組みとなっている。発行手数料は発行金額の6%(税別)。
例えば、1,000円分のクオカードペイを購入する場合、額面金額自体は不課税であるため、発行手数料66円(税込)を加えて合計1,066円(税込)の費用が必要となる。なお、最低発注金額は1,000円で、50円から100,000円まで1円単位で購入可能。Amazonギフト券など発行手数料がかからない電子ギフト券も多いので、個人が自分用に使用するのではなく、法人向けのサービスと言えるだろう。
支払い方法としては、銀行振込もしくはクレジットカード決済から選択可能。ブランドはVisa・Mastercard・JCB・Diners Clubに対応しているが、同じく5大国際ブランドであるAmerican Expressは非対応である点に注意が必要だ。
また、クレジットカード決済を利用する場合は、カード会社が定める利用限度額とは関係なく、1ヶ月の注文可能合計金額は10万円(税込)まで。大量注文の際は銀行振込を利用しよう。
デジタルインセンティブとして有効活用できる
販促目的に利用するデジタルインセンティブとして、クオカードペイを活用できるのも大きなメリット。
紙のギフト券や商品券を利用したアナログなインセンティブの場合、金券発行・封入・発送などさまざまな人的コストが発生するだけでなく、封筒代・送料といった費用も必要となる。しかし、クオカードペイであれば、発行から送付まで全てオンラインで完結するため、コスト削減を大きく期待できる。
また、最短即日発行でスピード感のあるインセンティブ付与を行えるのも、クオカードペイの魅力的なポイント。昨今では、キャンペーン当選報告をTwitterやInstagramなどにアップし、喜びを拡散するユーザーも多く、企業にとってはブランドイメージの向上や認知度の拡大、集客にもつながる。
しかし、ユーザーのキャンペーン申し込みから当選品到着までに時間を要すると、キャンペーン施策効果が薄れる可能性も。デジタルインセンティブとして活用できるクオカードペイは、コスト面・集客面においてメリットがあると考えられる。
顧客の個人情報を管理する必要がない
何度も述べている通り、クオカードペイは専用のURLをメールやSNSなどで送付するだけのため、受け取り手は企業に個人情報を伝える必要がない。これは、販促を行う上でも大きなメリット。
例えば、クオカードペイが抽選で当たるキャンペーンであれば、個人情報を送ることに抵抗がある消費者からの応募ハードルが下がると言える。また、企業側としてもアナログなインセンティブに比べ、個人情報が漏洩するリスクを低減できることに加え、管理コストも削減可能となっている。
メール配信代行サービスで大量配布を行える
当選者の多いキャンペーンを企画している場合におすすめなのが、メール配信代行サービスだ。配信先のメールアドレスを登録し、配信希望日を指定するだけで、クオカードペイを一括で送付可能。
1件ずつ手作業で送付する必要がなくなるため、ヒューマンエラーの防止やコスト削減を見込める。また、無料でメール配信代行サービスを利用できるのも、クオカードペイの魅力と言える。
クオカードペイ企業側の導入事例
実際にクオカードペイを導入することで、成果につながっている企業は多い。ここでは、クオカードペイの公式ページにて紹介されている成功事例を見ていく。
サントリーフーズ
サントリーフーズは、「ベルク焼き芋×伊右衛門」のTwitterキャンペーンにおいて、クオカードペイを活用した。キャンペーン内容としては、ベルクのTwitter公式アカウントをフォローし、焼き芋と伊右衛門の写真を撮影。そして、「#ベルクで焼き芋」および「#伊右衛門」のハッシュタグを付けてツイートしたユーザーの中から、抽選で10名にクオカードペイ2,000円分をプレゼントするというものだった。
冬場に売上が伸び、年配層から人気の高いベルクの焼き芋だったが、サントリーフーズは購買層の間口拡大を図るべく、幅広い年代から親しまれている伊右衛門ブランドと協同。認知度の向上および双方の売上拡大につなげた。
また、サントリーフーズはベルクのメイン客層である店舗利用者に還元すべく、実際に購入した焼き芋の写真を投稿する形式を採用。加えて、ベルクだけで使えるクオカードペイの専用券を利用することで、ターゲットの絞り込みおよび応募者の再来店促進にも成功した。
商品購入・写真撮影・投稿という応募条件のハードルが高いキャンペーンであったが、QUOカードPay公式アカウントの引用リツイートによる支援もあり、想定の5倍の応募数を獲得。さらに、リツイートキャンペーンでは得られないユーザーからの生の声を拾い上げることで、現場社員のモチベーション向上にもつながった好例である。
株式会社ワールドスポーツ
全国50店舗以上で釣具専門店「キャスティング」を運営する株式会社ワールドスポーツは、コロナ禍を契機にクオカードペイの販売を開始した。QR決済の利用率が高い店舗を対象として、5,000円の販売価格で6,000円分のクオカードペイを購入できる施策を実施。
お得に買い物できる他、スマホを見せるだけで楽々決済を行える点も、顧客からは高評価だった。また、専用券を活用することで、顧客が他店へ流出しなかった点もクオカードペイの魅力として挙げている。
本施策の結果、クオカードペイを利用した顧客の客単価は、前年同時期の約2倍まで伸長。リピート来店にもつながり、たしかな手ごたえを感じた。
株式会社コクヨロジテム
オフィス家具の物流全般を担う株式会社コクヨロジテムは、毎年3月の繁忙期になると激励品として、全国各拠点の社員へお菓子の詰め合わせなどの軽食を贈っている。しかし、新型コロナウイルスの流行に伴い、社員の在宅勤務が増えて現物支給が困難となった。
そこで、同社は非対面で贈呈できるだけでなく、デジタルに不慣れな社員やキャッシュレス決済サービスの利用経験がない社員のことも考慮し、「誰でもカンタンに使えるかどうか」を重視してクオカードペイを採用。配布後の社内アンケートでは、利便性の高さもさることながら、好きな物を購入できる点や初の試みで良かったなど、好意的な意見・感想が多数を占めた。
また、クオカードペイの操作方法を社員同士で教え合ったり、購入品・利用した感想を写真付きの社内メールでシェアしたりと、コミュニケーションの場および機会の創出にもつながった。
クオカードペイのまとめ
クオカードペイは、主に企業が導入することで恩恵を受けられる電子ギフト券。キャンペーン時に大量配布して売上の向上につなげるなど、販促手段の1つとしてもおすすめできる。
受け取り手も、会員登録・口座開設・専用アプリのインストールといった作業要らずで、簡単にクオカードペイを使用可能。磁気タイプのクオカードより利用できる店舗が少ない点や、発行手数料がかかるなどのデメリットも念頭に置きつつ、クオカードペイの導入を検討してみて欲しい。