かながわPayとは?使い方や還元率、利用メリットなどを解説

2022.11.16

キャッシュレス決済サービスの1つとして、神奈川県が独自に提供している「かながわPay」。期間限定ではあるが、高還元率でポイントを受け取ることができ、消費者および事業者から注目を集めている。

本記事では、かながわPayの概要から消費者・事業者が利用するメリット、実際の使い方まで解説していく。

かながわPayとは?

出所:かながわPay

かながわPayとは、神奈川県のキャッシュレス推進や感染防止対策、および売上が減少している県内産業を支援すべく、消費喚起を促進する目的でリリースされたアプリだ。対象のQRコード決済サービスとかながわPayを連携し、加盟店に設置された専用のQRコードをアプリ経由で読み取ると、料金の支払いが完了する仕組みとなっている。

スマホで手軽に決済できるのはもちろんのこと、ポイント還元を受けられるのも、かながわPayが選ばれる理由。その利便性の高さやお得さから、かながわPayアプリのダウンロード数は150万を突破している。

かながわPayは消費者に限らず、事業者からも好評。加盟店になることで、売上がアップしたという事例も多く、店舗の集客目的で導入するのもおすすめと言えるだろう。

かながわPayの消費者側の利用メリット

まず、消費者がかながわPayを利用するメリットから解説していく。

最大20%のポイント還元を受けられる

かながわPayを利用する最大のメリットは神奈川県内の加盟店にて、アプリを利用して買い物を行うことで、支払い金額に応じたポイント還元を受けられる点だ。2022年7月19日(火)~11月30日(水)にかけて、かながわPay第2弾還元キャンペーンを実施中で、下記ポイントの基本還元率が設定されている。

  • 中小企業及び小規模事業者での利用:20%
  • 大企業での利用:10%

店舗ごとの詳細な還元率に関しては、かながわPay公式サイトをチェックしてほしい。

ポイントの付与上限は、1人あたり30,000円分まで。アプリ決済から8日後にポイントは付与される仕組みで、ポイントの利用期限は2023年1月31日までと予定されている。なお、付与されたポイントは、かながわPayでの支払い時に利用可能だ。

消費者にとっては非常にお得なキャンペーンであるが、ポイントには予算が決められている点に注意が必要。同様に、第1弾のポイント還元キャンペーンが2021年10月25日~2022年4月30日の期間で実施されていたが、キャンペーン途中で予算上限に達し、2022年4月15日で早期終了となった。

第2弾のキャンペーンに関しても、2022年10月27日時点で予算100億円に到達間近と告知されている。かながわPayの利用を検討している人は、早めに使い始めることをおすすめする。

5種のQRコード決済サービスと連携できる

かながわPayでは、他のQRコード決済サービスと連携して支払いを行う。利用可能なサービスとしては、下記の通り。

  • au Pay
  • d払い
  • はまPay
  • LINE Pay
  • 楽天ペイ

au Pay・はまPay・LINE Pay・楽天ペイに関しては、かながわPayで支払い処理を行うとアプリが立ち上がるが、d払いはWebサイト上で決済処理が実施される。d払いを利用する場合は、自動ログイン設定が必要となるので、注意してほしい。

各QRコード決済サービスは店舗によって利用可否が異なる。例えば、ウエルシア薬局では全5種のQRコード決済サービスを利用できるが、同じドラッグストアでもマツモトキヨシはLINE Payに対応していない。かながわPay公式サイトに、各店舗で利用可能なQRコード決済サービスが掲載されているので、普段から利用するサービスを使えるか、一度チェックしてみてほしい。

また、PayPay・メルペイ・ファミペイといった人気のQRコード決済サービスに、かながわPayが対応していない点も押さえておこう。

神奈川県民以外でも利用できる

「神奈川」と名称に付いているかながわPayだが、あくまで加盟店の参加要件が神奈川県に所在する店舗となっており、アプリ自体は神奈川県外の消費者でも利用できる。他県民で神奈川県内に在勤している人や、神奈川県へ旅行に行く人にも、かながわPayはおすすめと言えるだろう。

かながわPayの初期設定方法・使い方・支払い方法

ここでは、かながわPayの初期設定方法から使い方、支払い方法まで解説していく。

かながわPayの初期設定方法

まず、iPhoneのApp StoreもしくはAndroidのGoogle Playから「かながわPay」を検索してインストールする。

出所:かながわPay

アプリを起動すると、かながわPayの概要および簡単な使い方が表示される。内容を確認しながら、横へスライドして画面を進めていく。

出所:かながわPay

次に、アプリを利用する前に必要なアカウント登録を行っていく。かながわPayのホーム画面にて、画面右下の『アカウント』をタップ。

かながわPayのアカウント作成時には、SMS認証が必要となる。携帯電話番号を入力し、『認証コードを取得』をタップするとSMSにメッセージが届くので、記載の認証コードを画面に入力する。

続けて、パスワードを設定して『新規登録』をタップ。

次に、名前・メールアドレス・性別・年代・郵便番号などの情報を入力していく。

再度アプリのホーム画面が表示されれば、かながわPayの初期設定は完了となる。対応するQRコード決済サービスを利用していない人は、あわせてインストール・初期設定と準備を済ませておこう。

かながわPayの使い方・支払い方法

連携するQRコード決済サービスによって使い方は少々異なるが、ここではau Payを利用した支払い方法を解説していく。まず、かながわPayホーム画面の『支払う』をタップする。

出所:かながわPay

スマホのカメラが起動するので、店頭に設置されている決済用コードを読み取る。

出所:かながわPay

コードを読み取ると、金額の入力画面が表示される。決済金額を入力し、『支払い方法選択に進む』をタップ。

出所:かながわPay

貯めたポイントを利用する際は、『すべてのポイントを使用』もしくは『一部分のみ使用』をタップ。一部のポイントのみ支払いに充てたい場合は、利用したいポイントを入力して『支払う』をタップする。

出所:かながわPay

その後、決済金額が表示されるので、金額に問題がないか店員へ画面を提示する。

出所:かながわPay

金額に間違いがなければ、利用するQRコード決済サービスを選択する。ここでは、au Payを選んで『支払う』をタップ。

出所:かながわPay

au Payアプリへ自動的に遷移し、支払い金額が表示される。金額に誤りがないことを再び確認した後、『スワイプしてお支払いする』の部分を横にスライドする。

出所:かながわPay

au Payの支払い完了画面が表示されることを確認し、画面右上の『×』ボタンをタップする。

出所:かながわPay

その後、かながわPayアプリへ自動的に遷移。『支払い成功』の画面を再度店員へ提示し、問題がなければ決済は完了となる。

出所:かながわPay

かながわPayを利用した決済の流れとしては以上だ。

かながわPayの事業者側の導入メリット

次に、かながわPayの加盟店に事業者が参加するメリットを解説していく。

集客につながる

事業者がかながわPayに加盟する最大のメリットは、消費者を集客して売上アップにつなげられる点だ。独自の還元制度を設けているキャッシュレス決済サービスは多いが、還元率は支払い金額の1.0%前後が基本。

その一方で、かながわPayは1人あたりのポイント付与上限こそ設定されているものの、最大20%の高還元率を実現している。かながわPayの加盟店でお得に買い物したいと考える消費者の来店を促進できるだろう。

実際に、かながわPayの導入により、売上の向上につながった事業者は多い。例えば、商店街アーケード内に店舗を構える老舗ふとん屋の「石川屋ふとん店」は、かながわPayを導入して売上が10%アップ。

その他、美容院の「XXXY’S COLOR FEEL」はキャッシュレス決済のうち、かながわPayの利用割合が16%に到達。既存の顧客に限らず、新規顧客もかながわPayが利用できると知って多数来店し、売上のアップにつながった。

ポイント期限間近の駆け込み需要を期待できる

かながわPayの利用で付与されるポイントには、有効期限が設けられているため、期限間近の駆け込み需要も大いに見込める。

例えば、先に紹介した美容院「XXXY’S COLOR FEEL」では、キャンペーン第1弾のポイントが失効する2022年5月中にポイントを使い切りたいとして、同じ顧客が同月に2回来店した。キャンペーン第2弾に関しても、ポイント有効期限の2023年1月31日間近には、駆け込み需要を期待できるだろう。

事業者によっては参加するハードルが低い

かながわPayの加盟店へ事業者が参加する要件としては、下記が設けられている。

  • 神奈川県に所在する店舗であること
  • 神奈川県の感染防止対策取組書に登録し掲示すること
  • LINE Payを除く対象のQRコード決済サービスを導入済み、またはあらたに導入すること

大きなポイントとしてはau Payや楽天ペイなど、既存のQRコード決済サービスを利用できる点。通常、新たにQRコード決済サービスを導入する場合、専用端末の設置が必須となるが、かながわPayでは不要。

すでに対象のサービスを利用している店舗にとっては、かながわPayの導入ハードルは低いと言えるだろう。

手厚いサポートを受けられる

神奈川県のキャッシュレス・消費喚起事業へ参加するにあたり、質問や不明点はコールセンターへ問い合わせ可能。問い合わせ先としては下記の通り。

  • 電話:050-2018-1109 / 0570-783-661
  • 受付時間:全日 10:00〜19:00

その他、スターターキットとしてポスターやPOPを配布、および加盟店登録でサポート費5,000円も付与。安心のサポートを受けつつ、加盟店申し込みを行えると言えるだろう。

かながわPayのまとめ

多方面で浸透しつつある日本のキャッシュレス化。かながわPayもキャッシュレス推進を目的として提供が開始されたが、他のキャッシュレス決済サービスと異なり、ポイントの還元率は最大20%と非常にお得である。

事業者も加盟店になることで、消費者を集客し売上に大きく貢献可能。ポイント還元キャンペーンは期間限定のため、消費者・事業者ともに早めのサービス利用開始を推奨する。

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