スマレジとは?機能や料金プラン、活用メリットなどを導入事例を交えて紹介
2022.12.06
「スマレジ」というPOSレジでは、レジ業務だけでなくクラウド上で売上データ等を管理できる。導入コストも低く、クラウド型POSレジを試してみたいというお店でも取り入れやすい。
本記事では、スマレジはそもそもどのようなPOSレジで、どういった特徴やメリットがあるのか、料金体系や実際に導入している企業の事例を紹介していく。新しくお店をオープンしてPOSレジの導入を検討している方や、クラウド型POSレジに変更を考えている方は参考にしてほしい。
目次
スマレジとは?
「スマレジ」とは、クラウド型のPOSレジのこと。iPadやiPhoneアプリがあればアカウントを作成するだけで使用できる。大きな特徴は次の4点である。
無料で始められる
スマレジの大きな特徴は、初期費用・月額費用ともに無料で始められることだ。プランによって異なるが、登録後、30日間は無料で利用できる。様々なプランがあり、スタンダードプランではiPadやiPhoneがあれば0円でPOSレジが利用できる。
豊富な機能
プランによって利用できる機能が様々なのも特徴だ。スタンダード、プレミアム、プレミアムプラス、フードビジネス、リテールビジネスの5つのプランがあり、それぞれで月額料金や使用できる機能が違う。
例えば、基本的なPOSレジの機能に加えて、売上分析や在庫管理、顧客管理などレジ業務のサポートをしてくれる機能がある。小さな店舗でも大型店舗でも必要な機能を追加していけるため、規模に合わせたPOSレジを使用できる。
クラウドならではのアップデート機能
メインエンジンがクラウドにあるため、アップデートが都度されていく。税率設定などにもすぐに対応でき、常に最新のPOSレジが使用できる。
実際に体験ができる
スマレジの機能を近くの店舗で体験できるショールームやヤマダ電機のスマレジ設置店もあり、実際に触ってみることが可能だ。また、アカウント作成後30日間は全ての機能が無料なため、色々と操作をしてみて必要な機能がどれかを見つけられる。
スマレジのメリット
スマレジを使用するメリットを7つ紹介しよう。
(1)導入コストが低い
冒頭でも述べたが、スマレジを利用するのに必要なのは、iPadかiPhoneの端末とアカウントの作成だけ。無料でPOSレジが使えるため、通常のPOSレジと比較して、導入コストの削減にもつながる。
(2)分かりやすいデザイン設計で教育コストがかからない
iPad、iPhoneを使うため、タッチやスワイプなどでストレスなく操作ができる。直感的なUIにより、教育コストもかかりにくく、新しいスタッフの方も使いやすい。
練習する際はトレーニングモードに切り替え、売上等が反映されないで操作できる。また、2013年には公益財団法人日本デザイン振興会主催のグッドデザイン賞を受賞している。
(3)売上報告を待たずにリアルタイムで売上を把握できる
クラウドサーバーにPOSデータがあがるため、リアルタイムで店舗の売上や取引の状況を把握できる。例えば複数店舗ある場合でも、全てのお店の売上をリアルタイムで確認できるので逐一の売上報告も不要になる。
(4)売上分析ができる
スマレジでは自動で売上が集計され、そのデータを基に、時間帯別、曜日別、商品別、顧客属性別、月ごとや1日ごとなど、お店の売り上げ状況を把握できる。パレード図などで分析ができるため、今後の仕入れ計画を立てる際や売り逃しを避けることにも繋げられる。
(5)外部システムとの連携ができる
マネーフォワードクラウドやTKC、Shopifyといった外部のシステムと売上や在庫状況などを連携できる。
また、アプリケーションプラットフォームの「スマレジ・アプリマーケットサイト」では、予約管理や、請求管理の「セイキューン」、「BASE在庫連携」など、様々なアプリから必要なものだけ購入ができ、カスタマイズしたPOSレジになる。
(6)お店の無人化や非接触にも対応
セルフレジ機能や、セルフオーダーシステム、モバイルオーダーシステムといった、スタッフが対応しなくてもお客様自身で会計やオーダーをしてくれる機能がある。今後、お店を無人化する場合や、非接触化にも対応できる。
(7)オフライン対応やアフターサポートの充実
インターネット接続が切れたときにも販売業務ができるようオフライン機能や、フリーズ等が起こった場合に再起動で復元できるリジューム機能もあり、クラウドPOSの不安を払拭してくれる。
プランによってサポートの手厚さはことなるが、365日の電話サポートや、メールサポート、ヘルプサイトなど、トラブルや相談の窓口が開設されている。アカウントを開設してからスマレジを導入するまでの不安なことや相談をできる無料電話相談もある。
スマレジの機能
スマレジの主な機能
スマレジにはたくさんの機能がある。下記の表では会計・レジ業務、管理・分析業務、拡張機能・システム連携、飲食店向け、サポート機能の5つに分けて、それぞれの機能をまとめている。
会計・レジ業務
基本のレジ機能、充実の周辺機器対応、キャッシュレス決済、免税対応、軽減税率対応、商品別設定、セルフレジ・券売機(プレミアムプラス以上)、クイックコマンド、トレーニングモード、スマレジ・ストア
管理・分析業務
売上分析、顧客管理(プレミアムプラス以上)、複数店舗管理(プレミアムプラス以上)、本部管理(オプション)、予算管理、小売店向け在庫管理(リテールビジネス)、受注管理(リテールビジネス)、データのCSV出力、スタッフ管理(プレミアムプラス以上)、イベントカレンダー、PL管理(プレミアムプラス以上)
拡張機能・システム連携
スマレジ・アプリマーケット、外部システム連携(プレミアムプラス以上)、スマレジAPI(プレミアムプラス以上)、スマレジ・タイムカード連携(プレミアムプラス以上)
飲食店向け
オーダーエントリー(フードビジネス)、オフライン対応(オプション)、セルフオーダー(オプション)
サポート機能
トレーニングモード、スマレジ・ストア、アラート通知機能(リテールビジネス)
売上分析機能
売上はただ金額が分かるだけでなく、時間軸、商品軸、取引軸の3つの軸に大きく分けて、いつ、どのタイミングでいくらで、何個売れたのかがデータとして保存される。
時間軸は、日別、月別、時間帯別、曜日別、時間帯グループ。時間帯グループは、時間帯を自分で設定できるもので、例えばランチの時間やティータイム、ディナーなどで分けて売上が見られる。
商品軸は、商品別、部門別、グループコード別、商品属性別。ブランドごとや、事前に設定したサイズごとなどの属性別でも売上が把握できる。
取引軸は、販売員別、店舗別、客層別、取引タグ別、端末別。端末別ではレジ端末ごとに売上が見られる。
これらの売上情報を基に、例えば仕入れや発注のタイミングの管理や、混む時間帯を把握したシフト配置、キャンペーンやセール時期の効果など、様々な分析ができる。時間帯や商品属性など自分で設定もできるので、お店独自の売上データとして把握でき、正確な分析に繋げられる。
在庫管理
小売店向けに商品在庫を管理できる機能がある。在庫数の把握から、変動履歴も分かり、いつ仕入れて、いつ在庫が動いたかが分かる機能だ。ロスの登録や確認もできるのでロスの再発防止にも繋げやすい。
また、在庫管理機能は棚卸にも利用できる。バーコードリーダーを使って棚卸ができ、過去の実施履歴の確認や、実際の数と理論上の数の差異も分かる。
店舗間移動機能もあるので、他店に対しての出庫依頼や、出庫・入庫の管理にも対応している。
顧客管理
会員情報をレジ端末で参照できる。購買履歴や購入金額、好みなどの情報も入れられるので、お客の細かい情報が把握できる。ポイント機能もあるので、会員の方にランクごとのポイント付与やポイント利用を使った販売業務も可能だ。誕生月等に合わせたメーリングリストや、DM発行も対応している。
また、会員証アプリでのプッシュ通知やクーポンの発行や、ECサイトと顧客情報を連携できるなど、外部システムと連携させることで顧客に合わせた販売が可能になる。
スマレジの料金体系
スマレジには、5つの料金プランがあり、それぞれで使用できる機能が違っている。金額と主な機能は以下の通りだ。
スタンダードプラン
0円/月
必要なPOSレジの機能が揃ったスタンダードプランは、月額費用が0円。キャッシュレス決済はもちろん、免税販売やセール販売、バンドル販売など様々な販売設定ができる。将来の業務拡大を見据えたスモールスタートに最適。
プレミアムプラン
4,400円(税込)/月
複数の店舗管理に対応したプラン。通常のレジ業務に加えて、在庫の店舗間移動や商品、スタッフ、会員などの一元管理、店舗をまたいだ売上合計の確認などができる。また、会計ソフト等の外部システムとの連携や、商品点数が10万点登録できるといった機能もある。
プレミアムプラスプラン
7,700円(税込)/月
プレミアムプランに、顧客管理(商品点数10万点以上、会員数10万人以上の場合は、従量課金制)、電話サポート、セルフレジ(利用料は1,100円(1台/税込月額))、自動釣銭機連携の機能がついたプラン。より顧客の分析をしたい場合や、手厚いサポートを受けたいお店に向いている。
フードビジネスプラン
11,000円(税込)/月
飲食店向けのプランだ。プレミアムプラスの機能に加えて、オーダーエントリー、キッチン伝票出力の機能が付いている。フードビジネスプランのハンディ端末は、1店舗につき5台まで利用できる。※ 追加の場合、別途1,320円(1台/税込月額)
「スマレジ・ウェイター」というシステムがついていて、例えばメニューやコースの登録、オーダー時のハンディとの連携や、テーブルごとの注文状況の確認、滞在時間の通知、キッチン伝票などをプリンターで印刷できる機能など、飲食店で必要な機能が揃っている。
リテールビジネスプラン
13,200円(税込)/月
小売店やアパレル店向けのフル機能のプラン。プレミアムプラスに加えて、小売店向け在庫管理や受注管理、免税手続き電子化の機能、パスポートカメラ読取がついていて棚卸や在庫管理ができる。
受注管理では、出荷がされているのかや、入金など、受注ステータスを確認し一括処理でき、受注から出荷までの作業がスムーズになる。受注管理機能は、受注店舗ごとに月額11,000円(税込) の利用料がかかり、取引件数1,001件/月から1件につき33円(税込)の従量課金制。
各プランの詳細については公式サイトにご確認を。
スマレジの導入事例
スマレジを実際に導入しているお店の事例を一部紹介していく。
ROMANTIC ROLL BEANS
導入プラン:スタンダード
「ROMANTIC ROLL BEANS」は、兵庫県 苦楽園口駅前にあるスペシャリティーコーヒーの専門ショップ。最寄りの駅から徒歩1分ということもあり、店内のスペースが少なく、大きなレジは置けないためスマレジを導入した。スマレジによるレジ業務から、勤怠管理、チャットツールなどをiPad miniだけで行っている。
スマレジを導入して、売上情報や、いつコーヒー豆が売れているかがリアルタイムで分かるので、お店にいなくても現状を把握できるようになった。これは頻繁に行う施策にも活かせている。例えばアイスコーヒーを販売するための氷の演出をしたときは効果がどうだったかを売上を見てすぐに確認できたという。
福島の屋台
導入プラン:プレミアム
株式会社リプレイスでは屋台やキッチンカーのレンタル、出店場所の提供などを行い、屋台飲食の開業などを提案している。スマレジ導入前は、POSレジは使わずに手で計算をして会計をしていた。金額も大きくないため手計算にしていたが、計算ミスなどが発生し、レジの導入を決めたという。
周辺機器も不要で屋台という小さなスペースでも置けることや、実際にスマレジを利用しているお店を見てスマレジを導入。スマホで各店舗の売上状況が見られるようになり、仕入れの調整もリアルタイムでできるようになった。屋台で使用しているポケットwi-fiが繋がらないときでもオフラインで商品登録・取引ができているという。
茄子の花 無庵
導入プラン:フードビジネス
株式会社なすびは和食店などを静岡県内に17店舗展開し、本格的な日本料理を提供する「茄子の花 無庵」などでスマレジを導入している。導入を決めた背景には、それまで利用していたPOSレジが、機能を追加するのに大変だったことやアップデートがないといった不満点を感じていたことだ。
タブレット型のPOSレジはイニシャルコストも半分ほどで、アップデートもしやすいことから導入を決めた。スタッフには60代の方もいて、タブレット端末の利用に不安があったが、約1週間で慣れてくれたという。
また、予約システムの「トレタ」とスマレジを連携できるようになったことで、ウェイターがお客様情報をすぐに確認でき、対応もしやすくなった。お客様が前回注文したものからメニュー提案をするスタッフもいて、サービス向上にも繋がっている。
ヴェレダ ナチュラルケア スタジオ
導入プラン:リテールビジネス
「ヴェレダ ナチュラルケア スタジオ」はナチュラル・オーガニックブランドの「WELEDA」の直営店舗だ。スマレジを導入する前から、パソコンを使用するPOSレジやスマートデバイスのPOSレジを使っていたが、スマレジの存在を知り、切り替えた。
それまでは各店舗の売上は翌日にならないと分からなかったが、スマレジ導入後は売れた瞬間にサーバーにあがり、リアルタイムで売上を把握できるようになった。iPadは2台用意し、1台はディスプレイ用として使うだけでなく、端末に不具合が生じた場合でも対応できるように予備としても利用している。
端末を2台置いていても従来よりも安く済んでいるなど、スマレジは初期投資がほぼ不要で導入できるだけでなく、運用コストも低く済んでいるという。
機能を取捨選択できるクラウド型のスマレジ
スマレジでは通常のレジ機能だけでなく、在庫管理や顧客情報の管理、メニュー登録など様々な機能やプランがあり、自分のお店やサービスに合ったプランを選べる。
また、好きなアプリの購入や外部システムとの連携など、その店舗だけのPOSレジとして使用できるのも大きな特徴だ。スタンダードプランは0円で導入できるなど、導入コストも低いので始めやすい。POSレジの導入を検討している方は、候補として考えてみてはいかがだろうか。