ヤオコー横浜磯子店がオープン、横浜市初出店、ヤオコーの名物商品はじめ定番商品の強さで商勢圏内の認知度向上図る
2022.07.13
ヤオコーは7月12日、神奈川県横浜市に横浜磯子店をオープンした。
神奈川県10店目となり、横浜市には初出店となった。全社店数は179店になり、地盤の埼玉県97店の他、千葉県32店、群馬県16店、東京都12店、茨城県7店、栃木県5店と、各都県で存在感を増してきている。
JR京浜東北根岸線磯子駅から北に徒歩約6分の約350m、首都高速道路湾岸線の磯子出入口(IC)」から約3分の磯子産業道路沿い、磯子区役所の隣に立地するなど、車、徒歩のアクセス面は良い。バスのロータリーも近く人流が多い地域となっている。
トイザらス跡地への居抜き出店で、1階のヤオコーの他、地下にはテナントとして100円均一ショップのセリア、ドラッグストアのクリエイトS・Dが7月19日にオープン予定。

東側は海側エリアとなっていて工業地帯で企業の事業所工場が多く、また、陸側はマンションが多く連なる住宅地となっている。
出店地周辺の人口、世帯数は共に増加傾向で、年齢構成は40代~50代前半がボリュームゾーン。出店1km圏内の世帯構成は2、3人世帯の割合が最も高くなっているという。駅周辺には単身者が多く、北側、西側には3人以上の世帯が多い。
ストアコンセプトは「『美味しさ』『選ぶ楽しさ』『提案』で豊かな食生活を提案するお店~ヤオコーの良さを地域のすべての方々に伝えよう~」。
横浜市初出店ということもあって、「ヤオコーの定番、主力商品の強みを、おいしさ、鮮度、品揃えの豊富さを知っていただく」ことを政策としている。
精肉では、黒豚、イベリコ豚といった銘柄豚を強化し、夏は焼肉、冬はしゃぶしゃぶやうす切りをメインに季節に合わせた提案を試みる。

差別化商品としてこれまでも取り組んでいる馬刺しを重点カテゴリーに掲げ、馬刺し専用スライサーを導入し、品揃えを強化する。



鮮魚は近海魚と天然魚で圧倒的な「旬」と「鮮度感」の打ち出しを行う他、既存店でも好評となっている豊洲市場での直接仕入れを活用した「豊洲まつり」を週末の恒例イベントとして実施。活気のある売場の実現を目指す。

野菜は、平日と週末で量目に変化を付けながら年間を通してミニトマトを中心にトマトのおいしさを提案。果物は、日常普段からギフトまで、幅広いニーズに対応できるブドウを強化する。また、量目やアソート力を充実させ、楽しい売場を提案する。

新たな商勢圏でヤオコーの定番を訴求するため、新商品はそれほど多くはないが、フルーツナスの「あのみのり」、モモの「夢みずき」は今回初登場となる。夢みずきは出荷期間が2週間程度と短い希少な商品だ。


また、地場野菜として枝豆を展開。

花きは旬や季節を感じられ、さまざまなシーンに彩りを添える品揃えの実現を目指す。
デリカでは、惣菜は名物商品である「おはぎ」の品揃えを強化。自社製粒あんを中心に、ずんだ、きなこなどを販売。また、季節の果実を使用した一口サイズの大福とおはぎの詰め合わせも販売。

また、若年層に人気のローストビーフ商品を訴求し、ランチにはローストビーフ丼、夕方にはおかずやおつまみとなる商品を取りそろえる。
寿司はヤオコーこだわりの本マグロをはじめ、旬の魚を使った握り寿司を展開する。オープン月である7月には、時間限定で旬のアジを使った商品を開発。

その他、「すしBOWL」や「ローストビーフ握り」など、シーンを問わず手軽に食べられるスナッキング的な商品を展開する。


インストアベーカリーでは、フランスパンに具材を巻きこんだ「具がたっぷりシリーズ」の季節限定商品をはじめ、ディナーパンに注力。
既存店でも強化中で、食後のデザートだけではなく、お祝いのシーンなどにも利用できるタルトについても、季節に合わせた素材を使って提案していく。

グロッサリーでは、まず、日配食品では中華麺を強化。都道府県別銘店ラーメンをコーナー化すると共に、既存店でも展開中の組み合わせ自由の個食麺、スープ、具材を充実させ、「選べて楽しい麺売場」を実現する。

冷蔵ケースが途切れる柱の前では箱に入った常温販売タイプの商品を展開するなど、売場構造を生かしながら品揃えのバラエティを打ち出している。


ドライ食品では、スパイス売場を拡大し、和洋さまざまなシーンに合わせて選べる品揃えを用意。

酒は、自分なりの楽しみ方ができ、組み合わせにより新たな発見を楽しめる洋酒を、割材を豊富に展開しながら提案。子会社の小川貿易の直輸入ワインなどもヤオコーならではの商品として訴求する。


売上高構成比見込みでは生鮮が37.2%、デリカが17.1%、グロッサリーが45.7%、SKU数は生鮮が1170、デリカが320、グロッサリーが1万890、合計で1万2380。
売場は1階の509坪だが、デリカの惣菜以外の作業場が地下1階にあるということで、フロアをまたぐ構造になっている。

そのため、各作業場には大型のモニターを設置し、作業の様子が分かるようにしている他、部門横断で荷さばき、品出しを専門で行う担当者を3人配置、また、商品を移動させる多段カートについても段数を通常の2倍程度にしたものを採用して頻度を減らすといった取り組みを実施。
同様にグロッサリーもバックヤードが離れていることから、行き来の頻度を減らすためにゴンドラ上にある程度の在庫を置くといったオペレーションとしている。

また、通常はガラス越しに見える作業場が別のフロアにあるということで、「ライブ感」の打ち出しがしづらいことから随所にモニターを設置し、名物商品や「豊洲祭り」などについて動画を流すなど動画を活用した訴求を模索する。



鮮魚の調理加工サービスも受け付けるが、これについては売場にインターフォンを設置し、作業場の担当者を呼び、担当者が売場に来て受け付けるオペレーションとしている。

既存店では設置されていることも多い、「クッキングサポート」は常設せず、小型の移動式のものを導入する。前述の作業場の関係で、ライブ感が打ち出しづらいということもあるため、クッキングサポートを各売場に移動させながら訴求力向上に活用する。
ヤオコー横浜磯子店概要
所在地/神奈川県横浜市磯子区磯子3-4-23
オープン日/2022年7月12日
営業時間/9時~21時45分
駐車台数/248台(駐輪場70台、バイク置き場10台、商業施設全体、駐車場は有料で1時間400円、以降30分ごとに200円加算。税込み2000円以上の買い上げで最初の1時間が無料)
延べ床面積2615.23㎡(791坪、ヤオコー床面積)
店舗面積1684.21㎡(509坪、ヤオコー売場面積)
店長/白井慶彦
従業員数/正社員17人、パートナー・ヘルパー・アルバイト104人(延べ人数)
年間売上げ/初年度20億円(予定)
商圏人口/1km圏内2万9000人(1万4000世帯)、3km圏内24万2000人(12万世帯)