店長の仕事とは?主な職務内容とやりがい、求められるスキルについて解説
2023.02.22
自社の店舗に店長を配置したいと考えている場合には、まず店長の主な仕事をしっかりと把握しておくべきである。店長の職務内容は、仕入管理・在庫管理や売上管理から、スタッフ教育、コンプライアンス・法令の遵守までと幅広いのが特徴だ。店長の仕事のやりがいと、求められるスキルについても紹介する。自社の店舗に最適な人材を見つけて、仕事へのやりがいを持って働いてもらおう。
店長の主な仕事とは?
小売業や外食業などの店舗を運営する場合、店舗運営を取りまとめる役割を担うのが店長である。店長は店舗運営のすべてを取り仕切る立場のため、仕入管理・在庫管理、売上管理に責任を持つ。また、店舗内で働くスタッフの管理も、店長が担う重要な仕事だ。具体的には、適切な人員の配置、スタッフ教育などである。
それ以外にも店長が担当する仕事がいくつかあるので、ここでは店長の主な仕事を項目ごとに詳しく解説していく。自社の運営する店舗の店長や店長候補を採用する際に、店長にどんな仕事を依頼するかを確認する場合にぜひ参考にしていただきたい。
仕入管理・在庫管理
商品販売を手掛ける小売店などの店舗の店長は、仕入管理・在庫管理を担当する。適正な数量の仕入れをおこない、在庫管理を正確に実施することは、健全な店舗運営をする上では欠かせない。実際の仕入れ作業や在庫管理は、店長自らがおこなうケースのほかに、スタッフに管理方法を教育して実施を任せ、店長は最終チェックのみを担当することもある。
仕入管理と在庫管理は店舗の売上に直結するため、店長が責任を持って担当すべき業務だ。特に生鮮品を扱う店舗では、廃棄ロスを削減する取り組みが求められる。
売上管理
業種を問わず、すべての店舗運営で店長の役割となるのが、売上管理である。店舗の規模にかかわらず、売上管理は店舗運営をする場合には最低限把握しておくべき数値だ。売上数値の管理はもちろん、赤字であれば黒字化を図る必要が出るため、売上の傾向なども分析する必要がある。
また、売り上げが伸び悩んでいるなら、売上アップのための施策の企画と実施も欠かせない。たとえば、広告を打ったりキャンペーンを実施したりすることで、売上の向上と黒字化を目指す必要がある。
適切な人員の配置
店長以外に複数のスタッフを使う店舗では、適切な人員の配置計画が必須である。人員の配置とは、具体的にはスタッフのシフト管理のことをさす。特に飲食店の場合、期間帯だけではなく曜日や季節によっても客足が異なる。そのため、さまざまな要因を考慮したうえで、配置すべき人員数を柔軟に検討する必要が出てくる。
人員配置をする際には、発生する人件費を考慮しつつ、しかも十分なスタッフを配置することが欠かせない。店長には、各スタッフの適性なども考慮した適切な人員計画の策定が求められるのである。
スタッフ教育
店長の役割のメインのひとつに、スタッフ教育がある。店長には、店舗管理を取り仕切る役割として、店舗内で働くスタッフを管理することが求められる。スタッフ教育とは、ただ単に仕事内容を教えることだけではなく、各人員の能力や適性を把握したうえで、最適な担当に振り分けることも含まれる。
また、正しい行動をした際には積極的にほめて、成功体験をさせることでスタッフの成長を促すことも必要である。人材育成は、スムーズな店舗運営に欠かせない店長の重要な仕事といえる。”
スタッフへの情報共有・上部組織への報告
“スタッフへの情報共有・上部組織への報告も店長の仕事のひとつである。仕事をする際に欠かせない「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」を徹底して、店舗運営に関わる情報をスタッフにも上部組織にもしっかりと伝えることが重要だ。
上部組織に報告する内容としては、店舗の売上などの業務報告だけではなく、スタッフの声の報告や業務改善に関する提案なども含まれる。より高い売上を実現するために有効だと考えられる施策の提案や実施なども、店長に課せられる仕事の一部だ。
店舗の円滑な運営・管理
店舗の円滑な運営・管理も店長が担当する仕事である。店舗運営が円滑におこなわれているかどうかは、売上の金額だけではなく、クレームが少ないかどうかや、スタッフの満足度が高いかどうかなど、幅広い指標で評価する必要がある。そのため、問題が発生した場合には、原因を分析して適切な対応を実施するところまでが、店舗運営の一環なのである。お客様の生の声やスタッフからの提案もしっかりと吸い上げ、よりよい店舗にしていくために、常に改善をおこなっていくことが必要だ。
コンプライアンス・法令の遵守
コンプライアンス・法令の遵守も店長の重要な仕事のひとつだ。コンプラアンス・法令遵守は、健全な店舗運営をするうえで欠かせない。例えば、勤務するスタッフの労働時間が労働基準法に違反していないかどうかや、採用時の労働条件から逸脱した条件で勤務している実態がないかどうかを管理する。
また、スタッフ全体に遵守すべき法令を周知することも店長の務めだ。スタッフの誰かが法令を遵守しなかった場合、影響は店舗だけにとどまらないケースも想定される。その場合、企業全体に損害を及ぼす可能性もあるので、十分に注意が必要である。
店長の仕事のやりがい
ここまで見てきたなかで、店長が担当する仕事の範囲の広さや責任の重さに驚いた人もいるかもしれない。それでは、店長の仕事においては、いったいどんなやりがいがあるのだろうか。
店長の仕事のやりがいには、責任ある立場で働けることや目標達成の喜びを感じられること、さらに、人材育成に携われることが挙げられる。それぞれの項目について詳しく解説していきたい。
店長の仕事のやりがいを知ることは、店長という仕事の魅力について知ることにつながる。店長を希望する人材を募集する際には、店長の仕事の魅力をアピールすることで、より優秀な店長候補の獲得につながるだろう。
責任ある立場で働ける
店長の仕事のやりがいのひとつに、責任ある立場で働けることが挙げられる。店長は、店舗の運営を牽引するリーダーである。そのため、売上管理はもちろんスタッフの統括など多岐にわたる業務を担当でき、責任ある立場での勤務が可能である。20代や30代といった若さで店舗の管理を任される立場に立つことは、自分自身の成長にもつながると考えられる。
上部組織やスタッフとの橋渡し的な役割も担う店長は、幅広いスキルが要求される役職だ。自らの管理で店舗経営を成功させられれば、自身の大きな自信にもつながるであろう。
目標達成の喜びを感じられる
目標達成の喜びを感じられることも、店長の仕事のやりがいのひとつだろう。店舗運営を統括し、売上に責任を持つ立場である店長には、月次や年次などのタイミングで、それぞれに達成すべき数値目標が与えられる。また、キャンペーン実施時や他店舗との打ち上げを競うシーンも出てくるだろう。売上目標を達成することは、大きな喜びを感じられる瞬間である。
また、売上を上げることだけではなく、スタッフの離職率を下げられたとき、新たな施策に関する提案が通ったときなど、店長が目標達成の喜びを感じられる瞬間は、日々の仕事の中で数多くあると考えられる。
人材育成に関わることができる
人材育成に携われることのも、店長の仕事のやりがいのひとつである。スタッフをしっかりと育成することで、苦手な仕事を克服したスタッフの成長を感じられるだろう。
スタッフの育成は簡単なことではない。適性や得手不得手が異なる多数の人材を、店舗の売上に貢献する戦力として育成することを困難だと感じることもあるに違いない。だが、スタッフのモチベーションを上げる豊作や声かけを工夫するなど、よりよい育成方法を模索することで、自分自身の成長も実感できるだろう。
店長の仕事に求められるスキル
ここまで見てきた中で、店長は多くのビジネススキルが要求される職種であることが理解できただろう。店長の仕事に求められるスキルは多岐にわたるが、主に次の3つのスキルが重要である。リーダーシップ能力、マネジメント能力、コミュニケーション能力だ。
ここではそれぞれの能力が、店長として店舗運営をするうえでどのように役立つのかについて解説していきたい。3つの能力を伸ばすことは、店長としての適性がアップするだけではなく、将来的なキャリアパスの可能性を広げることにもつながるだろう。
リーダーシップ能力
店舗のリーダーとして活躍する店長に欠かせないのが、リーダーシップ能力である。リーダーシップとは、単にスタッフを統率する能力だけではない。適材適所を把握して良好なチームワークを築き上げることも含まれる。この店長になら協力したいとスタッフに思わせるリーダーシップを持ち、強いチームを作り上げる能力が欠かせない。
店舗運営は、個人ではなくチームでおこなわれる。そのため、スタッフを信頼して任せられるかどうかも、チームをまとめるリーダーには欠かせない素質といえる。
マネジメント能力
マネジメント能力も、店長に欠かせない能力である。スタッフをしっかりとマネジメントできている店舗では、スタッフの離職率が低く、ミスが発生する数も少ない傾向がある。
有効なマネジメント方法を知りたいと店長が希望する場合には、上部組織が必要な研修などを準備することもよいだろう。
コミュニケーション能力
コミュニケーション力の高さも、店長業務をおこなう上で重視されるポイントだ。スタッフに関して指示を出し、上部組織とのやりとりも担当する店長は、人とのコミュニケーションが担当する仕事の大部分を占めるといっても過言ではない。そのため、店舗をスムーズに運営できるかどうかが、店長のコミュニケーション能力の高さに左右される場合もあるのだ。
コミュニケーションとは、業務に関する指示だけを指すのではない。休憩中や終業後のちょっとしたやりとりも、円滑な人間関係の構築に役立つ場合がある。”
自社の店舗に最適な店長の人材を見つけて、仕事へのやりがいを持って働いてもらおう
自社の店舗に最適な店長の人材を見つけて、仕事へのやりがいを持って働いてもらおう
店舗運営が成功するかどうかのキーマンとなる店長は、仕事に熱意を持って取り組む人材が望ましい。自社の店舗で店長として勤務する人材を探す場合には、店長の担当業務とやりがいや求められるスキルを把握したうえで、マッチする人材を採用したいものである。
また、自社の社風や企業理念に賛同する人物を採用することも重要である。自社の店舗に最適な店長の人材を見つけて、仕事へのやりがいを持って働いてもらおう。