ヤオコー東戸塚店が3月31日オープン、神奈川県の出店空白地帯に標準店を出店、至近のバローと直接対決

2026.04.02

ヤオコーは3月31日、神奈川県横浜市戸塚区に東戸塚店をオープンした。今回の出店で全社では202店体制、神奈川県では15店体制となった。

JR横須賀線、湘南新宿ライン宇都宮線の東戸塚駅東口から南に約1.2km、徒歩約15分、横浜市営地下鉄ブルーラインの下永谷駅からは北に約2kmの住宅地に立地する。また、国道1号線に面していることから車での藤沢方面、横浜方面からのアクセスも良い立地となっている。店舗周辺には中・高層マンションが多く見られる他、隣接した敷地には2027年4月入居予定でマンション群が約470戸建設中。こちらは主力の顧客となることが期待される。

東戸塚駅徒歩圏にある工場跡地に出店。ピロティ形式で、売場は2階。隣に建築中のマンションも同じ工場跡地内にある

神奈川県横浜市の南西部はヤオコーとして空白地帯であったことから、今回の出店は新たな商圏を形成するための一手となる。近隣の自社店は南東方向に約6.5kmのところに横浜磯子店(横浜市磯子区)、東方向にもほぼ同距離で横浜天神橋店(横浜市南区)がある他、反対の南西方向に約9.6kmのところに藤沢柄沢店(神奈川県藤沢市)、同約12.8kmのところに藤沢片瀬店(同)がある程度で、まさに空白エリア。横浜市と藤沢市の既存商圏をつなぐことが目的となる。

一方の他社競合店は、北方面の東戸塚駅周辺に複数存在する他は周囲1km圏にはないが、1kmを超えると全方向に競合店が現れる。特に大きな存在といえそうなのが、昨年11月21日に関東初出店を果たしたバローの横浜下永谷店(横浜市港南区)で、同店とは南東方向に直線距離で1km強しか離れていない。現在でこそ集客は落ち着いてきたものの、同店はオープン後、非常に多くのお客を集めていることで話題となっている。

その意味では今回のヤオコー東戸塚店の出店は、ヤオコー対バローの直接競合という意味でも注目だ。ヤオコーとしては、これまで出店してない地域であることから、「まずはヤオコーのベーシックな状態を知っていただくことから始める。その後、状況を見て、地域のお客さまに合わせて商品を変えていったり、価格の打ち出しを変えていったりしようとは考えている」(同社)という。

ただし、出店した東戸塚は横浜、品川へのアクセスも良く、都心通勤圏としてヤングファミリー層を中心に定住人口が流入している地域で、継続的な成長が見込めるエリアということで、出店地域としてのポテンシャルは高い。

1km圏内の人口は3万2000人、世帯数は1万4000世帯で、年代では30歳代~50歳代が42.3%でボリュームゾーンとなっている。3km圏の人口は25万9000人、世帯数は12万世帯となっていて、そのうち1km圏から3km圏の間について20歳未満の比率が17.2%で、神奈川県平均と比べて1.4%ポイント高くなっている。

1km圏内では2人世帯が最も多く30.5%、次いで単身世帯が27.8%となっている。3~4人世帯の構成比が神奈川県平均より7.3%ポイント高い。1km圏内の平均世帯数は2.25人で、神奈川県全体の2.01人を上回る他、世帯数の増加率も105.2%と大きく上昇している。人口増加率も101.4%で、神奈川県全体の100.2%を上回っているなど、足元の人口は確実に増加している。

ターゲットは、まずメインは30歳~40歳代の4人世帯を想定。ヤングファミリー層の小学生、中学生の子どもがいる子育て世代となる。習い事なども含め、子ども中心になりがちで、ローンなどのもあってできるだけ節約したいという意識が強く、さらに共働きが多く、買物時間、調理時間の制限も多いといったことが想定される。また、子どもは食べ盛りで食事の量も多くなる一方で、子ども成長過程での安全、安心には気を使うといったことも考えらえる。

サブは50歳~65歳のミドル層、2人暮らしの世帯。持ち家世帯で、子どもは独立している。そのため、自分の興味のあることに時間を使ったり、料理に対する知識があるので、調理と食事を楽しんだり、おいしいものを追求して自分で料理をする楽しさを知っている。また、健康への意識が高くスポーツをしたり、サプリや健康食品を活用したり、食べるものに気を使ったりするといった行動が想定される。

そうしたことを踏まえ東戸塚店ではストアコンセプトを次のように定めた。「美味しさと楽しさで毎日の食生活に喜びを届けるお店~ヤオコーらしさで地域のお客様をファンにしよう~」。

売場レイアウト図

精肉は、基本的にはベーシックな品揃えだが、特に和牛モモをニーズに合わせて平日と週末で量目や商品化に変化を付けて提案していく。また、夕方の時間帯には「夕市」として自社製ローストビーフの切りたて販売も実施していくという。

和牛モモ肉の量目や商品の変化を付けていく
ミートデリカはローストビーフの他、つまみ商品など平ケースで売り込む「

鮮魚は特に対面販売の売場を重視。近海魚を豊富に品揃えする他、夕方限定の盛り合わせや単品盛りなどを作りたて訴求しながら販売。また、主力のマグロは厚切りのお造りや食べ比べ盛り、手巻き寿司セットなどさまざまな品揃えで、「選ぶ楽しさ¥のある売場を実現していく。

鮮魚では対面販売の売場をしっかり設ける。オープン日はガニとホタテを訴求していた
対面販売売場では切り身や衣付けの半加工品も販売していた

青果は継続的に強化している高糖度トマトをしっかりコーナー化しながら売り込む。また、地元野菜は、地元の生産者10軒と契約し、市場には出回らないような野菜も含め毎日取りそろえる。また、花はミニブーケなどを提案していく。

東戸塚店に限らず、木熟ミニトマトなど糖度の高いトマトは全社的な売り込み商品
地元野菜のコーナーと量販コーナーを隣接。オープン日は神奈川県三浦市産の春キャベツを本体価格128円で訴求
ヤオコーでは昨今、青果では平台を活用した量販型売場を設けることが多くなっている。価格訴求の売場としても有効に機能する

即食のカットフルーツは、小量目からオードブルまで豊富に品揃えし、デリカ売場でスイーツと一体で展開する。

デリカの惣菜は、北海道産あずきを使用したおはぎを「幸太郎おはぎ」とブランド化した上で、粒あん、きなこ、ずんだの3種類展開。また、ランチタイムには昼食重要も視野に入れながら店内手作りを含む米飯を豊富に品揃えする他、16時からの夕市では試食販売を実施するなど、売場に変化を付ける。

惣菜では東戸塚店オープンの前週にオープンした新浦安店(千葉県浦安市)で登場した「サラダ幸玄米」もコーナー展開
デリカのバックヤード内ではローラーコンベアによる商品の移動が水平展開されるなど、作業効率の向上が図られている

寿司は店内製造にこだわり、店内炊飯、店内酢合わせの寿司飯と店内手切りのたねを使用し、出来たての価値を訴求する。商品としても「金目鯛入りご馳走握り」など、上握り寿司の品揃えを充実させる。

デリカの寿司では上握り寿司を強化するなど価値向上に努める

ベーカリーは、店内でスクラッチから製造したフランスパンの「GUシリーズ」をコーナー展開しながら売り込む他、鉄板調理の「厚焼き玉子&かつサンド」や「パン屋のおべんとう」などランチニーズ対応も強化。また、品揃えが充実してきているスイーツもしっかりコーナー化の上、前述の青果のカットフルーツと一体で売り込む。

具がたくさん入っていることが売りの「GUシリーズ」
鉄板調理の卵焼きに衣を付けて揚げ、サンドイッチに活用
惣菜パンなどをセットにした「パン屋のおべんとう」はベーカリーの弁当として定着。本体価格398円で値頃感もある
ベーカリーではオープン前週末から全店で新発売になっていた「牛豚王道ハンバーガー」。惣菜の弁当で使用している肉厚のハンバーグを使用している。商品の厚さが強調されている

グロッサリーの日配は、プライベートブランド(PB)商品を含め、素材や産地にこだわった商品を取り揃え、生鮮部門、あるいはドライ食品部門と連動したメニュー提案を行っていく。キムチ売場、チーズ売場では地域一番の品揃えを実現していく。

キムチ売場はヤオコー最大級で、かつ主通路のゴンドラ側の先頭に配置。こだわり商品も取り扱い、核売場となっている
加工肉のPB商品では4月から発売の新商品である、「北海道産三元豚 桜のスモーク薫るもも生ハム」を先行販売

ドライ食品は、忙しい毎日にも取り入れやすいし好品としてコーヒーを充実させ、PB商品、地元商品などを提案しながら試飲販売も実施していく。

コーヒーは強化カテゴリー。横浜市に本社を構えるウエシマコーヒーの横浜工場製の商品を展開しながら地域性をアピールすると共に、PB商品も併売する

酒では、清酒で地酒や全国各地の商品を取りそろえてアピール。その上でコーヒー、清酒とのペアリング提案として豆菓子も強化する。

神奈川の地酒を充実させた上で冷蔵で販売する
ヤオコーの場合、酒売場の主通路沿いはワインが前面に打ち出されることが多いが、今回は洋酒から売場が始まる
豆菓子も、東戸塚店に限らず、ここのところ継続的に強化しているカテゴリー
「カラダも、暮らしも、美しく。」をコンセプトにした住居関連の新PBの「Reneful(リネフル)」も初登場した新浦安店を皮切りに水平展開が始まっている

初年度の売上高構成比見込みは生鮮40%、グロッサリー44%、デリカ16%。取扱SKU数は生鮮850、グロッサリー1万4110、デリカ330で、合計1万5290となっている。レジは4月14日以降の通常運営でフルセルフ10台、セミセルフ4台とフルセルフ主体となる。

ヤオコー東戸塚店概要

所在地/神奈川県横浜市戸塚区前田町100-6

オープン日/2026年3月31日

営業時間/9時~21時30分

駐車台数/106台(平面29台、ピロティ77台)

駐輪場(従業員用含む)/76台、バイク17台

敷地面積/4872.66㎡(1473.98坪)

延べ床面積/5618.98㎡(1699.74坪)

店舗面積/1798.21㎡(543.96坪、ヤオコー売場面積)

店長/小池繁行

従業員/正社員19人、パートナー・ヘルパー・アルバイト128人(延べ人数)

年間売上げ/初年度24億円(予定)

商圏人口/1km圏内3万2000人(1万4000世帯)、2km圏内11万4000人(5万2000世帯)、3km圏内25万9000人(12万世帯)

お役立ち資料データ

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