ハチペイとは?使い方や使える店、メリットなどを「ハチポ」と併せて解説
2022.11.18
渋谷区内の店舗で利用可能なスマホ決済サービスの「ハチペイ」。他のキャッシュレス決済サービスより還元率が高く、お得に買い物できるとして消費者から注目を集めている。
また、消費者を集客して売上向上につなげられる点から、ハチペイの導入に至った店舗も非常に多い。本記事では、ハチペイの概要から消費者および事業者が利用するメリット、デジタル地域通貨「ハチポ」の概要まで解説していく。
ハチペイとは?
ハチペイとは、株式会社カヤックが総合プロデュースを担うキャッシュレス決済アプリである。専用のハチペイアプリを使用し、渋谷区内の飲食店や物販店、サービス、イベントなどの支払いに利用可能。ハチペイはJR渋谷駅前のシンボルとも言える、忠犬ハチ公が名前の由来となっている。
キャッシュレス決済の推進もさることながら、地域の活性化も兼ねて、2022年11月1日からサービスの提供を開始。事業者もハチペイの加盟店となることで、消費者の来店促進を図れる。
事前にチャージして料金の支払いを行う
ハチペイは事前にアプリへチャージを行い、決済する仕組みを採用している。チャージ方法としては、下記3種類から選択可能。
- クレジットカード
- セブン銀行ATM
- 専用チャージ機
チャージ金額の下限は1,000円。専用チャージ機に関しては、2022年11月10日より下記10ヶ所で稼働を開始する。
場所 | 住所 |
地域交流センター新橋 | 恵比寿1-27-10新橋区民複合施設3階・地下1階 |
地域交流センター恵比寿 | 恵比寿西2-8-1恵比寿区民施設1階・地下1階 |
地域交流センター二軒家 | 本町3-35-4 |
地域交流センター笹塚 | 笹塚1-27-1 |
地域交流センター代々木の杜 | 代々木2-35-1 |
YCC 代々木八幡コミュニティセンター | 代々木5-1-15 |
幡ヶ谷社会教育館 | 幡ヶ谷2-50-2 |
千駄ヶ谷社会教育館 | 千駄ヶ谷1-6-5 |
上原社会教育館 | 上原3-13-8 |
区役所本庁 | 宇田川町1-1 |
自身の生活スタイルに合ったハチペイのチャージ方法を選んでみよう。
NFCタグにスマホをかざして決済する
スマホ決済サービスを利用した支払い方法は大きく分けると、QRコードやバーコードを使用するコード決済と、スマホをかざして支払うNFC決済の2種類が存在する。ハチペイで採用されているのは、後者のNFC決済。
店舗に設置されているハチペイポップにスマホをかざすことで、料金の支払いが完了する。NFC機能が正常に動作しない場合や、NFCタグの読み取り機能に対応していない機種の場合は、ハチペイのコード読み取りを起動し、ハチペイポップの裏側に記載されているQRコードで決済することも可能だ。
なお、ハチペイは現金やクレジットカードなど、他の決済方法と併用できない仕様となっている。料金の支払いを行う際は、事前に残高をチェックした上で決済しよう。
渋谷区内の約1,200店舗で利用できる
サービスリリース時点で、ハチペイを利用できる店舗は約1,200店に上る。主な店舗種別としては、下記の通り。
- 飲食
- 物販
- サービス
- 公共施設
- 教育・学習支援
飲食店としては、ドトールコーヒーやモスバーガーといった大手チェーン店から、個人経営店まで幅広く利用可能。サービスに関しても、美容・理容・エステ・マッサージ・ジムなど対応店舗はさまざまである。
チャージしたお金の使い道に困ることは、基本的にないと言えるだろう。
渋谷区民以外も利用できる
ハチペイは渋谷区内の店舗で利用できるが、渋谷区民以外でもアプリは使用可能となっている。仕事や観光で渋谷を訪れ、区内の店舗を利用する人にもハチペイはおすすめと言えるだろう。
ハチペイのメリット
昨今、PayPayや楽天ペイといったさまざまなスマホ決済サービスが提供されているが、その中でハチペイを利用することにはどのようなメリットが存在するのか、解説していく。
渋谷区民ならチャージ金額の50%を還元
ハチペイでは「プレミアム率50%ハチペイデジタル商品券キャンペーン」と題して、渋谷区民認証を行ったユーザーに対し、10,000円のチャージで15,000円分のハチペイデジタル商品券を販売するキャンペーンを実施している。キャンペーン詳細としては、下記の通り。
- 参加条件:マイナンバーカードで認証した15歳以上の渋谷区民
- 開催期間:2022年11月10日から2023年3月31日まで
- 購入上限:1人2セットまで購入可
- 販売数:4万セット
- 有効期限:購入日から1年間
還元率50%と非常にお得なキャンペーンだが、販売数は4万セットと定められている。キャンペーン期間の終了を待たずして完売する可能性もあるので、早めの購入をおすすめする。
ハチペイ決済で8%のポイントを還元
先述のキャンペーンと並行し、「ハチペイ開始記念 8(ハチ)%ポイント還元キャンペーン」が実施されている。ハチペイで代金を支払うと、決済金額の8%をポイントとして還元する。
キャンペーン詳細としては、下記の通り。
- 参加条件:誰でも対象
- 開催期間:2022年11月1日から2023年3月31日まで
- 1回あたりの付与上限:888円
- キャンペーン付与上限:2億円
- 有効期限:付与日から1年間
渋谷区民限定の50%還元キャンペーンと異なり、本キャンペーンは対象者を限定していないのが大きな特徴で、誰でも8%のポイント還元を受けられる。ハチペイのポイントは加盟店舗での支払いに充当可能だ。
ただし、本キャンペーンに関しても2億円の付与上限が設けられているので、早期終了する可能性があることも念頭に置いておきたい。
また、ハチペイの公式サイトでは、2023年2月頃から期間限定で30%ポイント還元キャンペーンも実施予定と告知されている。要チェックのお得なキャンペーンと言えるだろう。
アカウント登録・渋谷区民認証でポイントをプレゼント
ハチペイでは、アプリをダウンロードしてアカウント登録を行うことで、500ポイントを付与するキャンペーンを実施している。キャンペーン詳細は下記の通り。
- 開催期間:2022年11月1日から2023年3月31日まで
- 付与人数:5万人
- 有効期限:付与日から1年間
加えて、ハチペイアプリでマイナンバーカードを使用し、渋谷区民認証を行えば、1000ポイントのプレゼントも受けられる。こちらのキャンペーン詳細としては、下記の通り。
- 開催期間:2022年11月1日から2023年3月31日まで
- 付与人数:3万人
- 有効期限:付与日から1年間
簡単な条件でポイントがプレゼントされる非常にお得なキャンペーンなので、付与人数の上限に達する前に、ハチペイアプリの利用を開始しよう。
ハチポとは?
ハチポとは、株式会社カヤックのコミュニティコインアプリ「まちのコイン」を利用したデジタル地域通貨で、「渋谷区ライフをもっとたのしく、ハッピーに」をコンセプトに掲げている。
大きな特徴としては、換金性がない点が挙げられる。地域イベントやボランティア活動などに参加すると、ハチポが付与される仕組みで、現金チャージや現金への交換には対応していない。また、貯めたコインは一定期間が過ぎると回収され、再配布するという持続可能な仕組みも取り入れている。
ハチポを貯められるスポットを紹介すると、例えば小中学生向けパソコンスクール「アントレキッズ」を運営する株式会社アントレキッズでは、体験のアイデアを募集。ユーザーはアイデアをメッセージで送信し、申請が承認されれば100ハチポが付与される。
貯まったハチポは区内の加盟店において、特別なサービスや体験と交換可能。ハチポの一部をハチペイのポイントに交換できる連携企画も検討されており、お得さと楽しさの相乗効果を生み出していくことも1つの目標としている。
ハチペイとハチポの使い方
ここでは、ハチペイとハチポの使い方を解説していく。
ハチペイの使い方
ハチペイの初期登録方法
最初に、iPhoneのApp StoreもしくはAndroidのGoogle Playから「ハチペイ」をインストールする。
アカウントの登録が必要になるので、『新規登録』をタップ。続く画面で携帯電話番号を入力し、利用規約・プライバシーポリシーに同意、『次へ』をタップする。
携帯電話番号の認証画面にて、『確認コードを送信する』をタップ。その後、SMSに6桁の確認コードが届くので、スマホに入力して『ログイン』をタップしよう。
次の画面では、『アクセスを許可する』をタップする。
続く画面では、ニックネーム・パスワード・渋谷区との関係といったプロフィール情報を入力し、アカウントの登録を行う。
アプリのホーム画面が表示されれば、ハチペイの初期登録は完了となる。
ハチペイのチャージ方法
ハチペイの残高をチャージしたい場合は、まずホーム画面中央の『チャージ』をタップする。
チャージ方法の選択画面が表示されるので、利用したい方法をタップ。ここでは、『クレジットカードからチャージ』を選択する。
次に、チャージ金額を入力し、『チャージする』をタップする。
クレジットカード情報の設定画面が表示されるので、各情報を入力して『新しく登録したカードでチャージ』をタップ。
チャージ完了画面が表示されれば、チャージ処理は終了となる。
ハチペイを利用した決済方法
ハチペイで決済する方法としては、まず店舗に設置されたハチペイポップにスマホをかざす。iPhoneであれば、NFCタグは本体上部に搭載されているので、背面カメラ付近をハチペイポップにかざそう。
NFCタグにスマホをかざしても動作しない、もしくはNFC機能非搭載のスマホであれば、ハチペイアプリのQRコード読み取り機能を立ち上げ、ハチペイポップのQRコードをスキャンする。
続く画面では、支払い金額を入力して『次へ』をタップする。
スタッフへアプリ画面を提示し、支払い金額に誤りがないか確認してもらう。問題なければ、『ハチペイで支払う』をタップ。
支払いの完了画面が表示されれば、決済は終了となる。
ハチポの使い方
ハチポの初期登録方法
最初に、iPhoneのApp StoreもしくはAndroidのGoogle Playから「まちのコイン」をインストールする。
まちのコインの概要が表示されるので、画面を進めていく。
次に、まちのコインのアカウント登録を行っていく。Apple・Google・Facebookの外部アカウント、もしくはメールアドレスでアカウントを作成する。
メールアドレスで登録する場合は、アプリにメールアドレスを入力し、届いたメールから本登録を実施する。
続く画面では、利用するコインを選択する。コインの選択ボタンから『ハチポ』を選び、『次へ』をタップ。
最後にニックネームを登録すれば、ハチポの初期設定は完了となる。
ハチポコインの使い方
ここでは、ハチポコインを加盟店のサービスに使う方法を見ていく。まず、まちのコインのホーム画面にて、『体験』をタップする。
スポット一覧が表示されるので、利用したい体験をタップする。
体験の内容をチェックし、『やってみる』をタップ。ここで選択した「Counter Sharing imantokoro」では、100ハチポによる応援依頼および体験のアイデアを募集している。
任意でメッセージを入力し、『申し込む』をタップ。承認されれば、ハチポ残高は消費される。
ハチポの使い方は以上だ。
ハチペイを導入する店舗のメリット
ここでは、事業者がハチペイを導入するメリットを解説していく。
売上の向上を期待できる
先述の通り、ハチペイでは店舗の利用で8%の還元を受けられるお得なキャンペーンを実施している。それに対し、他のキャッシュレス決済サービスの還元率は概ね1.0%前後であるため、高還元率で買い物できるハチペイの利用ユーザーは今後増加していくことが予想できる。ハチペイの加盟店であれば、高い集客効果を見込めるだろう。
また、チャージ金額50%上乗せキャンペーンで付与されるハチペイデジタル商品券、およびアカウント登録・渋谷区民認証キャンペーンで受け取れるポイントに関しても、1年間の有効期限が設けられている。ポイントの期限間近になれば駆け込み需要を期待でき、売上の向上につながると考えられる。
導入経費・決済手数料がかからない
ハチペイの加盟に際し、加盟店料や振込手数料は一切発生しない。加えて、中小企業基本法上の中小企業に該当する事業者および個人事業主に関しては、決済手数料もかからない。
なお、大規模事業者は2024年3月31日まで決済手数料が無料で、以降は有料化が予定されている。大きなコストをかけずに導入できるのは、大きなメリットと言えるだろう。
専用の機器不要で導入できる
事業者がキャッシュレス決済サービスを導入する上では、専用のレジやクレジットカード・スマホの読み取り機など、さまざまな機器の準備が必要となる。しかし、ハチペイの場合は決済用のポップを置くだけで、消費者のキャッシュレス決済に対応可能。短い期間で導入したい事業者や十分なレジスペースがない店舗にもおすすめと言える。
また、決済用ポップ以外にもスターターキットとして、店頭用ステッカーやポスター、のぼり旗の貸出も実施。店舗独自で販促用ステッカー・ポスターなどを準備する必要なく、消費者の来店促進につなげられる。
入金回数を選べる
ハチペイの売上金は、月1~3回まで入金回数を選ぶことができる。詳細な入金サイクルとしては、下記の通り。
- 月1回:月末締め翌月10日払い
- 月2回:15日締め25日払い、月末締め翌月10日払い
- 月3日:10日締め20日払い、20日締め月末払い、月末締め翌月10日払い
入金サイクルは事業の資金繰りに大きく影響する。早い入金サイクルで、売上金を事業の拡大につなげたい企業にも最適と考えられるだろう。
対面サポートを実施している
ハチペイでは、土日祝年末年始を除く平日9時~17時において、メールおよび電話によるサポートを実施している。
加えて、渋谷区役所7階に運営事務局渋谷デスクを常設。土日祝年末年始を除く平日10時~16時にて、対面サポートも受けられるので、直接ハチペイの詳細や不明点を聞きたい事業者にもおすすめだ。
ハチペイのまとめ
ハチペイの魅力は、やはりお得なキャンペーンを実施している点。還元率は他の人気キャッシュレス決済よりも圧倒的に高く、渋谷区内で買い物する際は積極的に利用したいサービスと言える。
さらに、事業者もハチペイを導入することで、新規・既存顧客の来店を促進可能。決済用ポップだけで運用でき、費用および導入の負担も大きくかからないハチペイの利用を、この機会に検討してみてほしい。