米国発植物性代替肉ビヨンド・ビーフを販売したU.S.M.H、惣菜を含め紹介し、ウェルビーイング提案
2022.12.12
Foodbiz-net.com 道畑富美
DX（デジタルトランスフォーメーション）推進、フードテック企業との協働など、スーパーマーケット（SM）の新しい形を追求するユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス（U.S.M.H）が、本年9月に国内独占販売契約を結んだ米国BEYOND MEAT社のエンドウ豆タンパク質を主原料とした植物性代替肉製品「BEYOND BEEF（ビヨンド・ビーフ）」を発売。
同社のプライベートブランド（PB）である「Green Growers」（グリーングロワーズ）より販売を開始した。
11月18日より、同社グループ、カスミBLΛNDE2店舗では、BEYOND BEEFの１ポンド（約453g）パックに加え、同製品を使用した惣菜を販売。
翌19日からは、マルエツ板橋南町店、マックスバリュ関東の神奈川県内1店舗および千葉県内3店舗でも１ポンドパックの販売をスタートし、今後、販売店舗を拡大していく計画である。
これらの製品の発売時の週末に、BLΛNDE研究学園店では、「Well-being Weekend」を開催した。
店内の商品の健康かつ環境持続性を訴求するだけでなく、周辺の飲食店や小売店などによるグルテンフリー、植物由来や規格外の食材などを使った食品を店内の特設ブースと店舗外のキッチンカーで提供。地域を巻き込んだウェルビーイングな食生活の提案をして、同店は子ども連れの顧客で賑わっていた。
店内では、BEYOND BEEFの1ポンドパックの販売に合わせ、同製品で作ったミートボールを3種のソースで試食提供し人気投票を実施したり、さらに店内のクッキングスタジオでは地元シェフを講師とした料理教室でレシピを提案したりするなど、購買へと誘導するPRも効果を発揮していた様子であった。
家庭調理だけでなく惣菜としての提案もあり、デリカコーナーでは、ミートボールを使ったデリ3種とランチボックス2種、加えてベーカリーコーナーでは、バーガー4種と焼きカレーパンを販売。店内のカフェでも焼き立てのバーガーを楽しむことも可能である。
カスミのブランド戦略室マネージャーである執行役員ジュン・マーディアン・スガンディ氏は、U.S.M.H のGreen Growersブランドや同社のウェルビーイング企画全般を統括している。
これら惣菜を、BEYOND MEAT社のレシピ開発者の監修の下、練りに練って何度も試食を重ね、味、ウェルビーイング度とも自信ありと語った。
若い世代を中心に環境への意識が高まり、また動物福祉の観点でも、植物性代替タンパクへの関心が高まっている。食味や経済性を考えると、従来の畜肉の方が優位ではあるが、環境への負荷をどう天秤にかけていくかという選択となる。
また、グローバル市場で植物性タンパクの動向を見ると、乳代替は伸びを続けているが、畜肉代替の方は食味の面で少々足踏み状態というところである（Good Food Institute、https://gfi.org/marketresearch/）。
今回の同社の取り組みのように、おいしく、楽しく、親しみやすい提案は、代替というよりも「新しい素材」として、健康な食生活を顧客に気づかせてくれる機会となったであろう。今後の展開を期待したい。
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