GW直前! この提案は実施したい!! 精肉編 インでもアウトでもキャンプ飯

2024.04.22

2023年は新型コロナウィルスの影響がまだまだ残っていたが、24年に入り、年末年始や連休の動向を見ていると、経済は完全に動き出している。

24年1月を振り返ってみると、スーパーマーケット(SM)、外食でもファストフード、ファミリーレストラン共に軒並み動きが活発になっている。

外食産業が活発になっているため、ゴールデンウィーク(GW)も当然、いままでどおり旅行やアウトドアも盛んに行われるようになると考えて良い。

今年のゴールデンウィークは、4月27日(土)~29日(月)の3連休、5月3日(金)~5月6日(月)の4連休が一般的な休みの設定となる。

企業によっては最大10連休という大型連休となる。一般的な企業の場合は3連休、4連休のパターンのため、「安近短」の近場でアウトドアのレジャーを楽しむことが想定される。

コロナ禍で購入したキャンプギアが、いよいよ本格的に使われるのが今年というわけだ。実は、年始の能登半島地震をきっかけに、家庭にあるキャンプギアや寝袋、テントをいつでも使えるように一度使ってみるという行動が今年行われているようだ。

特にバーベキュー用品は、頻度が高くないものの、久々に出して使ってみようという人が多く、特にGWは期待できる。

そのため、ジャンボステーキや厚切りステーキ、焼肉、バーベキュー商材は昨年よりもしっかりと厚く、展開しておきたい。

輸入肉で攻めるキャンプ飯提案

豪州産牛カタロースジャンボステーキ用 248円/100g当たり

豪州産牛肉を使用したジャンボステーキを拡販する。

チャックロールの骨肌や余分な脂肪を除去して、スライサーで1cm以上の厚みでスライスし、トレーに盛り付けるだけで、オペレーションも難しくなく商品化することができる商品である。

GWのアウトドア需要だけでなく、家庭での夕食の1品としても使うことができる商品となる。

カタロースのリブ側は、厚めのステーキでも十分に楽しめるが、ネック側は肉質が硬めになるため、やや薄めに商品化する。

グレードは各社仕入れが可能なグレードを使用すると良いが、単純に輸入牛として豪州産、米国産などで展開するよりも、アンガス牛やパスチャーフェッドなど特徴を打ち出すことで、競合店との明確な差別化を図ることができるようになる。

クロス販売では、家庭で食べるステーキソース、欧米のように楽しめるガーリックバターなど定番の他にも、アウトドアの食シーンを想定したバーベキューソースなどは、GWから始まるキャンプ需要にもマッチしている。

米国産牛上タン並タン2点盛り ネギ塩付き1380円/肉130g

米国産チルド牛タンスライスをネギ塩付きの大型パックで販売する。牛タンはこだわりの小売店や専門店では、皮付き和牛タンなど仕入れて高く販売することもあるが、SMではムキタンを仕入れてスライサーでカットすると、オペレーションもよく奇麗な商品化とすることができる。

「タン元」は厚切りタンなどで付加価値を付けて販売し、タン中からタン先にかけてはスライスし、ネギ塩タン用として売り出す。

「タン先」ばかりのパックができないように、タン中のサシの入った部分をバランス良く商品化することがポイントとなる。サシの入った上タンと並タンの2点盛りにすることで、買い得感を高める。

最近は、牛タン売場の横にネギ塩を定番販売している店舗も増えている。家庭でも焼肉店で食べるネギ塩タンを味わうことができる環境になっている。そのネギ塩タンセットを中心とした展開で、定番の牛バラ焼肉やハラミ、希少部位アイテムも購入する売場づくりを実施。

牛タンは一時に比べると出回り量も増え、価格も落ちている。そうした状況も踏まえ、夏場の焼肉需要を捉えた定番の売り方を強化する。

特にGWは、外食ではなく、家庭で食べる焼肉やアウトドアのバーベキュ-、キャンプ飯での需要を一気に加速させるタイミングといえる。

焼肉では必須アイテムとなる牛タンは、小パックの品揃えではなく、大型パックでの展開をすることで、一気に「焼肉が食べたくなる」ような売場づくりにすることができる。

ニュージーランド産生ラム骨付きロース 498円/100g

バーベキューの楽しみの1つである「骨付き肉のかぶりつき」。家庭では焼いたときのラム肉の独特の香りが出ることを懸念していることも多いが、アウトドアでは香りを気にすることなく調理することができる。

ラム肉のおいしさを引き出すスパイスも添付することで、焼肉のたれ以外の味をアウトドアでも楽しむことができるようになる。

家庭においても、連休の空いた時間を活用する形で普段は挑戦できないフレンチを提案したり、骨にアルミホイルを巻いてインドアキャンプ飯提案をしたりといった提案もおもしろい。

ラム骨付きロースを仕入れると、通常骨が8本分1セットとなったブロックで真空パックされている。基本的には骨1本ずつに切り分けてステーキで食べることができるように商品化するが、バーベキュー用として、そのまま真空パックで販売したりすることも可能である。

産地は、多くはニュージーランド、もしくはオーストラリアが広く出回っている。ニュージーランドよりもオーストラリアの方が、比較的骨付きロースの断面が大きく赤身率が高い。

一方、ニュージーランドは小ぶりで肉質はしっかりしているが、脂肪が目立つという特徴がある。しかしながら、ニュージーランドの牧草はマメ科の草が多いため、味は日本人好みともいえる。一長一短であるため、各店に合った産地を選ぶとよい。

売場づくりのポイント

GWは、バーベキュー訴求をベースにした世界観で売場を構成することが重要である。

消費者が家族や友人との楽しいバーベキューを想像できるよう、炭や焼き台なども関連販売して購買意欲を高めることがポイント。

焼肉セットや骨付き肉の充実は、購買意欲が高くなるポイントの1つであるが、子どもも楽しむことを想定してソーセージやハンバーガーパティ、串付きフランクなども品揃えするとよい。

近年は家庭でもバーベキューの料理を楽しむ、キャンプ飯がブームになっている。家庭でもキャンプやバーベキュー、焼肉を豪快に楽しめるよう、工夫した品揃えにすることで、インでもアウトでもキャンプ飯を楽しむことができる。

調味料は、塩コショウや焼肉のたれ以外にも、岩塩、ワサビ、ネギ塩、キャンプ用スパイスなど、さまざまな市販用調味料が発売されている。

グロサリー部門とも協力して、工夫を凝らした売場づくりをすることで、集客につなげていきたい。

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