ファミマが主力チキンの1つ「クリスピーチキン」をリニューアル、大きさ1.2倍、価格据え置きで「かりっ」とした食感も強化

2024.06.25

ファミリーマートは6月25日、人気のホットスナック商品である「クリスピーチキンプレーン」165円(税込み178円、軽減税率8%)について、価格を据え置いた上で大きさを規格重量ベースで1.2倍にするリニューアルを実施。全国のファミリーマート約1万6300店にて発売を開始した。

同時に新商品「クリスピーチキン梅しそ味」165円(税込み178円)を500万食限定で発売する。プレーンがしょうゆとニンニクを使ったシンプルな味付けであるのに対し、あっさりとした梅しそを使った旬の梅の風味を生かした味付けになっている。幾つかの候補の中から最終的にこちらが選ばれた。

クリスピーチキンは、2021年3月の発売当時、「ファミチキ越えの問題児」として打ち出され、販売開始2日間で合計200万食を突破。ファミリーマートのホットスナックでは類を見ないペースで売れ、供給が追い付かないことから一時販売を休止するほどの反響があった。この間の約3年半でシリーズ累計の販売数は1億8000万個以上。ファミチキ、スパイシーチキンに次ぐ人気商品となっているという。

一方で、売上げは前年並みを維持していたものの、商品の宿命として徐々に売上げの伸びが低くなってきていたこともあった。また、販売から3年が経つ中で課題も浮かび上がってきていた。例えば、時間が経過した際の衣の食感と肉のぱさつき、さらに商品の見た目のばらつきにも課題を感じていたという。

そこで今回、改めてリニューアルを実施し、再度、売上げを伸ばすことが狙いとなっている。リニューアルに際しては、衣はさらに「かりっ」とした食感になるように独自の衣付け機械を導入した他、衣については小麦など成分自体は変えていないものの、配合を変更した。同時に肉の水分が抜けにくい衣とすることで、さらにしっとりとした食感になるように仕上げた。

同社としては、今回のリニューアルを含む一連の施策によって、ホット、常温のカウンターのファストフーズカテゴリー全体の日商を前年比110%に伸ばす計画。クリスピーチキンはそのための重要な役割を担うことになる。

クリスピーチキンは、ファミリーマートのホットスナック商品の中でも女性からの支持が高い傾向にあるという。24年4月の月間の数値で見ても、人気トップのファミチキ、あるいはチキン商品全体では女性客比率が3割台であるのに対し、クリスピーチキンの場合、女性客比率は46.26%に及ぶ。男性比率が高いコンビニに新たな客層を呼ぶという意味でも重要な商品といえる。

食感に加えてもう1つ、今回のリニューアルのポイントなる価格据え置きで重量を1.2倍にした点は、相次ぐ値上げなどで起こっているとされる「節約疲れ」に対応するものとしている。実際、84gの重量で税込み178円、ユニット価格で2.1円は、同2.3円のファミチキ、スパイシーチキンと比較しても割安感を感じる水準になった。

発表会に参加した商品本部FF・スイーツ部ファーストフーズグループの和田健太郎氏は、「圧倒的なお得感を多くの皆さまに味わっていただきたい」と力を込めた。客層拡大に寄与する商品として期待が持てる。

リニューアルの3つのポイントを説明するファミリーマートの和田氏

発売に際しては、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)や自社アプリなどを活用した販促施策も用意。

Xでは無料券がもらえるキャンペーンを実施。ファミリーマート公式Xをフォローし、「新クリスピーチキン検定」に参加すると、抽選で7万人に無料券をプレゼントする。キャンペーン期間は6月25日(火)~7月1日(月)、クーポン利用期間は6月25日(火)~7月15日(月)。

ファミリマートのアプリ「ファミペイ」では、クリスピーチキンを含めたホットスナック、惣菜が次回購入時に50円引きとなる「ファミペイクーポン」を配信。レジカウンター横のホットスナックや惣菜を購入するとクーポンが受け取れるQRコード、ギフトコードがレシートに印字される。レシート発行期間は7月2日(火)~7月15日(月)、ファミペイクーポン利用期間は7月2日(火)~7月22日(月)。

また、SmartNews、LINEクーポンでは、クリスピーチキンプレーン、クリスピーチキン梅しそ味が20円引きとなるクーポンを配信する。

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