ライフがビオラルの近畿圏2号店を大阪駅内に出店、同社初の駅ナカ専門店

2022.04.22

2021.10.28

ライフコーポレーションは、10月26日、JR大阪駅桜橋口すぐの駅ナカ商業施設「エキマルシェ大阪」内に、ナチュラルスーパーマーケット「ビオラルエキマルシェ大阪店」をオープンした。

エキマルシェ大阪が今回、食に特化した施設として第1期のリニューアルオープンを迎えるに当たって核テナントとして出店した。リニューアルでは食のテイクアウトショップを中心とした20店超の食のゾーンを新たに開業。さらに2022年夏、第2期リニューアルの予定となっている。

ビオラルは、ライフコーポレーションが2016年から展開する新フォーマットで、「オーガニック」「ローカル」「ヘルシー」「サスティナビリティー」をコンセプトとする。

1号店の靭店(大阪市西区)は、自社店をリニューアルする形でフルラインのスーパーマーケット(SM)としてオープンしたが、その後、既存店へのコーナー展開を拡大する他、2号店で、首都圏1号店となった丸井吉祥寺店(東京都武蔵野市)はショップのような形となり、以後、グランシップ大船駅前店(横浜市栄区)などショップのような規模でコーナー展開をする事例なども出て来ていた。

今回のマルシェ大阪店は近畿圏2号店となるが、首都圏と同様の形となる「駅ナカ専門店」となった。「駅ナカ」に専門店として出店するのは、ライフコーポレーションとしては初。気軽に立ち寄ってもらうことを見込む。

ライフコーポレーション初の駅ナカ専門店タイプ

コンセプトは、「おでかけやお仕事の“よりみち”で気軽に立ち寄ることができ、『BIO-RAL(ビオラル)』の商品を「知る」「使う」きっかけとなれる場所」。

これは、エキマルシェ大阪のコンセプトである「ちょっとよりみち、エキマルシェ」を踏まえたもの。

エキマルシェ大阪のターゲットは「30代マインドを持つ、女性ビジネスパーソン」で、実年齢30~50代を想定。リニューアル前の平均入館者は1日2万3000~2万7000人、男女別構成比では男性1に対し女性2と女性が多く、ポイントカード会員の約90%は女性であるという。

JR大阪駅の利用者である1日約87万人と比べ少ないが、24年度には、「うめきた2期開発」「大阪駅西地区再開発」が完了し、桜橋口側の活性化が予想されるため、今後、増加が見込まれる。

多くの人々が行き交う大阪駅の駅ナカ専門店として、「BIO-RAL」名のプライベートブランドの新商品などを打ち出す他、1号店のビオラル靭店で人気のオーガニック商品や惣菜を取り扱うなど、ビオラルの商品を「知る」「使う」きっかけをつくってもらいながら、ナチュラルをベースとしたライフスタイル提案を試みる。

農産では、オーガニック野菜、果物や和歌山県産を中心とした地場野菜を取りそろえる。

惣菜では、有機原料や添加物に配慮した商品を展開。駅ナカ店舗のため、昼食、夕食をターゲットにした弁当やおにぎりを打ち出す。地元のパンスイーツなども品揃え。

また、既存のビオラルでも導入されているピーナッツバターも導入。店内の専用のマシーンでひき、砂糖不使用でつくる。

また、レジで配布されるカトラリーは、環境に配慮した木製スプーンと紙製ストローを用意している。

ビオラルのフォーマットの特徴として、同様のコンセプトの非食品、特にヘルス&ビューティケアの品揃えにも注力していることがある。エキマルシェ大阪店では、有機、無添加、天然由来の原料を使用したスキンケア、ヘアケア商品を品揃えする他、環境に優しいサスティナブルな製法で作られた商品も展開する。

プライベートブランド「BIO-RAL」の新商品が多数登場
プライベートブランド「BIO-RAL」の新商品「ビオラル有機中濃ソース・とんかつソース・ウスターソース」
同様に食品の新商品「ビオラル国産有機栽培米を使用した純米料理酒」
農産では、農薬や化学肥料に頼らずに育てたオーガニック野菜を展開
果物は産地にこだわった季節の商品をアピール
惣菜でも有機原料や添加物に配慮した商品を展開
駅ナカ店として、昼食、夕食をターゲットにおにぎりを打ち出す。左が「有機玄米のおにぎり(塩)」、右が「十六雑米おにぎり(薩摩ハーブ鶏唐揚げ)」
日配では奈良市発のベーカリー「アルペンローゼ」の商品を導入。天然酵母 100%にこだわり、保存料を一切使用しない無添加のパン
弁天堂(兵庫県淡路市)のシュークリームやロールケーキなど無添加のスイーツを品揃え
生活関連では、環境に優しいサスティナブルな製法で作られた「環境配慮型商品」を品揃え
有機、無添加、天然由来原料を使用したスキンケア・ヘアケア商品を展開

また、商品にこだわったフォーマットであるため、幅広い層にアプローチするチラシよりは、ファンに対して直接アプローチする販促の方が向いているといえる。そうしたこともあって今回、オープン日にチラシを1万1150枚配布したものの、通常はチラシを入れない。

その代わり、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のInstagramを展開する。これまでビオラル靭店のアカウントとしていたものを、10月1日に「BIO-RAL関西」にリニューアルした。

コロナ禍でさらビオラルに限らず、世界的な規模で環境配慮や健康志向といった分野に対する関心が高まっている。ビオラルはフォーマット開発以降、赤字体質が続いていたが、昨年からのコロナ禍で需要が急激に高まり黒字化を果たした。

黒字化やビオラルの拡大の動きも、こうした流れに沿ったものといえる。

ビオラルエキマルシェ大阪店の売上高構成比見込みは、農産25.0%、畜産1.0%、惣菜・インストアベーカリー(IB)3.0%、日配15.0%、加食50.0%、生活関連(生関)6.0%。水産、衣料は取り扱いがない。

また、アイテム数は3500で、内訳は農産192、畜産8、惣菜・IB28、日配522(SKU)、加工食品(加食)2025(SKU)でうち酒225SKU、生関500となっている。

ビオラルエキマルシェ大阪店概要

所在地/大阪府大阪市北区梅田3-1-1(エキマルシェ大阪内)

オープン日/2021年10月26日

営業時間/9時~22時

駐車場/なし

店長/三木尚子

従業員数/18人(社員4人、パートナー14人)

お役立ち資料データ

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