イトーヨーカドー幕張店がリニューアルオープン、衣食住をワンフロアで展開しショートタイムショッピング実現図る

2022.07.07

イトーヨーカ堂がイトーヨーカドー幕張店の大幅改装を実施し、7月6日にグランドオープンした。幕張地域は幕張ベイタウン地区などをはじめとした充実した住環境、学校施設など教育環境が整っている他、ショッピングセンターも多数存在することから子育てファミリーに人気の地域だという。

今回、すき間時間で効率的な「時短ワンストップショッピング」可能な売場展開を実現するため、2フロアに分散していた衣食住の生活必需品の売場をワンフロアで展開する売場に変更。衣食住フルラインの総合スーパー(GMS)クラスの売場をこのようなワンフロアにしたのは同社でも初めてのパターンとなる。

もともと、同店は平面駐車場から食品へのアクセスが良く、食品の売上げは全社でもトップ5に入る。今回、その食品の強さを生かした上で、ワンフロアでのワンストップショッピング性を高めることでお客の利便性向上とショートタイムショッピングの実現を図る。

食品売場の強さを生かす。7月5日の内覧会時、食品売場では至るところで「初夏のカレーフェス」を大々的に展開していた。GMSの大型食品売場らしい展開といえる

駐車場から高低差のない買物動線を実現し、食品から衣料品、生活用品、さらに医薬品まで含めた計約6万3000アイテムをワンフロアで買うことができるようになった。

改装前は2階に直営の衣料品がレイアウトされていたが、それを含め直営の売場を1階に集約。改装に伴って直営の売場面積は1216坪から846坪へと69%に減少したが、210cmのゴンドラなど高さのある什器を導入するなどしてアイテム数の維持に努めた。

改装前の2021年12月末時点のアイテム数は約7万8000アイテムだったが、改装後は前述のように約6万3000アイテム、改装前の81%のアイテム数を維持した。カテゴリーで欠落させないようにしたという。坪当たり売上げは改装前比で137%に高める計画となっている。

ドラッグ売場は重視。既存店で「『食』で集客し、『薬』で利益を出すモデル」を実験し手応えがあったため、日用品や化粧品と連動させながらコーナー展開

さらにスマホのアプリを使ったセルフレジ「IYマイレジピピットスマホ」も導入、レジ待ち時間を短縮することでさらなるショートタイムショッピングが可能になるとしている。

IYマイレジは幕張店で16店目の導入店となった。専用レジでの精算となる

半面、衣食住のワンフロアでの展開ため、各売場でテーマごとの訴求ポイントを設けながらアクセントを設ける。

シーズンに合わせ、ファミリーシーンに寄り添った「おすすめ」売場を新規で設置する。

リニューアルオープン時には、例えば「近場の海浜幕張公園でプチピクニック!遠くに行かなくても夏は楽しめる」とのコンセプトで、チキンラーメンや菓子など食品を含めた形でアウトドア関連商品を提案。

また8月6日土曜日に「幕張ビーチ花火フェスタ」が開催されることからファミリー向けの浴衣売場など設置。

新型コロナウイルスの影響で改めて調理に対する関心が高まったとされるが、今回、キッチングッズ売場も強化。イトーヨーカドー幕張店オリジナルのエプロンを開発した他、パーティなどにも使える便利な食器なども取りそろえる。

販促面では、特に若年層が新聞を購読しなくなっていることによる折込チラシの減少を受け、デジタル販促を新ためて強化。デジタル上で地域のお客とのつながり強化する。

チラシやアプリで随時配信してきた「お得情報」に加え、今後は幕張店専用のインスタグラムアカウントとアプリでも「お得情報」をタイムリーに発信する。

商品やキャンペーンの情報を事前に入手し、さらにワンストップショッピングをしてもらいたいとの意図もある。

また、店頭では、アプリの問い合わせに対応するリモート接客端末を導入した。

一方、直営の衣食住を1階に集積した結果、2階はテナントに特化。100円均一のダイソーやホームファッションのニトリのインテリア雑貨フォーマットのデコホーム、幕張地区初出店のロフト、菓子専門店のシャトレーゼなど子育てファミリーに人気のテナントが新規出店した。

イトーヨーカドー幕張店

所在地/千葉県千葉市花見川区幕張町4-417-25

リニューアルオープン日/2022年7月6日

営業時間/9時~21時

敷地面積/1万853坪

売場面積/3133坪

建物/店舗地上2階建て

駐車台数/1401台

駐輪台数/1066台

専門店・ブランド店/合計36店(うち新規9店、移設改装8店)

お役立ち資料データ

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