イトーヨーカ堂が新展開するアダストリアが企画開発、生産担う新ブランド「FOUNDGOOD」を本格展開

2024.04.24

イトーヨーカ堂は衣料品事業からの撤退を決め、直営を食品プラスα、その他はテナントなどへの売場転換を進めている。

ショッピングセンターのデベロッパーとして、テナントに対して売場を貸すケースが多いが、アカチャンホンポやロフトなどグループ企業を含む一部専門店についてはフランチャイズ契約で自営としている売場も残している。

その流れの中で、2月から衣料品の主力売場として、衣料品専門店のアダストリアと組み、同社が企画、開発、生産したブランドの「FOUNDGOOD」の展開を開始、アダストリアが他の小売企業のプロデュースを行うリテールプロデュース部を通じて衣料品売場をプロデュースし、イトーヨーカ堂が運営する形の売場となる。

戦略説明会に参加したアダストリアの小林千晃・執行役員ビジネスプロデュース本部長(左)とイトーヨーカ堂の梅津尚宏・執行役員専門店事業部長

4月24日時点で47店にまで拡大しているが、これを2024年7月までにさらに64店にまで拡大する意向で、本格展開が始まった格好だ。この64店はイトーヨーカ堂側の売場として、衣料品をそれなりに取り扱う店であり、当面はこれが上限となるが、後述するように、2月にオープンさせた次世代セブン-イレブンを実験するSIPストアへの導入も予定されていることから、今後、セブン-イレブン・ジャパンを含むグループ内への広がりも期待できる。

アダストリアは、イトーヨーカ堂に商品供給することに加え、売場づくりや販売促進の媒体物、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を含むマーケティングなどもアダストリア側で担当。形としてはフランチャイズ方式に近いといえる。

イトーヨーカ堂は、商品の販売、発注量の確認や調整を担うなど、実際の売場を運営する。

商品はメンズ、レディース、キッズ向けということで、ファミリーコーディネートが可能な衣料品と生活雑貨まで比較的広くカバー。

売場スペースは、店舗の状況ごとに100坪、150坪、200坪、300坪の4パターンの展開種類を用意している。

商品はハンガー陳列主体で、ローコストオペレーションとなっている

また、前述のようにあくまで生活雑貨の一部商品に限られるが、従来、モノ的利便性提供をしてきたコンビニに「楽しさ」「ワクワク」など新たな目的を付加することを目指し、SIPストアでの約170~180アイテムの販売も予定している。

商品構成では、衣料品に限らず、生活雑貨まで幅広くカバー

「FOUNDGOOD」の売場を先行導入している店舗では、30代、40代の年代層の利用割合が増加する店舗利用客層の変化が起きたり、坪効率、売場利益の改善面でも改善傾向が出たりしているという。

打ち出しとしては「アダストリア」がプロデュースしたことをアピールする

FOUNDGOOD店舗一覧(4月24日段階)

・千葉県(6店舗)

松戸店、四街道店、幕張店、流山店、アリオ蘇我店、船橋店

・東京都(18店舗)

アリオ北砂店、アリオ亀有店、アリオ橋本店、アリオ葛西店、曳舟店、東大和店、武蔵境店

赤羽店、東久留米店、大井町店、大森店、綾瀬店、国領店、八王子店、武蔵小金井店

東村山店、四つ木店、木場店

・神奈川県(12店舗)

立場店、上永谷店、武蔵小杉駅前店、たまプラ-ザ店、溝ノ口店、横浜別所店、大船店

川崎店、新百合ケ丘店、ららぽ-と横浜店、湘南台店、大和鶴間店

・埼玉県(7店舗)

草加店、アリオ深谷店、上尾駅前店、アリオ川口店、大宮宮原店、浦和店、和光店

・静岡県(2店舗)

静岡店、三島店

・山梨県

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・兵庫県

アリオ加古川店

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