GW直前! この提案は実施したい!! 鮮魚編 バーベキューに焼きガニを提案
2024.04.25
昨年、2023年は、5月に入ってからゴールデンウィーク(GW)後半に連休が集中する形だった。昨年のGWはコロナ前の19年並に人の動きが活発となり、バーベキュー商材が大きく伸長した。営業数値的にはGW期間(4/27~5/6)の売上前年比(鮮魚部門計)は都心型店舗苦戦、郊外型店舗、田舎立地店舗は2桁に近い伸びを示した。
好調商品は寿司、バーベキュー商材、加熱エビ、塩サケマス、うなぎ、イクラスジコなど。不調商品は刺身用サク類、生食サケマス、むきエビなどだった。
昨年は後半型だったが、今年は前半と後半に分かれるセパレート型になる。GW自体は昨年よりも、2日早く始まって1日早く終わる形だ。今年は4月の3連休、5月の4連休共に天気さえ良ければ期待できる。ただ、4月27日~5月6日まで10連休を取得できる人は、少ないのではないか。
今年はバーベキューメニューに「焼きガニ」追加
昨年も好調であったバーベキュー商材。今年は天気にさえ恵まれれば昨年以上の伸びが期待できる。
今年のバーベキューメニューに追加したいのがズワイガニ、タラバガニ、ゴールデンキングクラブ、アブラガニなどのカニ類。
バーベキューと言えば、どうしても焼肉に比較して分が悪い鮮魚部門だが、「焼きガニ」が加われば話は別。昨年の年末商戦でもカニは爆発的に売れた。ボイル商品であっても焼くことで味が凝縮、カニの味が楽しめる。
カニ類の状況は悪くないので、ぜひともバーベキューメニューに追加したい。販売価格の中心は1パック1980円~2980円程度。カット商品の調達が難しい場合は、原体を店舗でカットして販売する。
バーベキュー商材は、冷蔵商品と冷凍商品に分かれる。
GWの売場展開は10日間というロングランの展開となる。冷蔵商品と冷凍商材を分けて展開し、ロスの最小化に努める必要がある。
冷凍ケースでの展開の場合、お客の立寄率が低く、認知度が低いので販促資材などを有効活用して視認性を高める工夫をする。
冷凍商材としては、カニ類、つぼ抜きイカ、スチームホタテ貝、冷凍ホタテ片貝、冷凍アワビなどの貝類、有頭エビ、むきエビなどのエビ類、サケ、カジキなどの冷凍(骨取り)切り身類、バーベキューセットなどの展開。他に縞ほっけ、ピリ辛シシャモなど塩干商品もお薦め。
冷蔵ケースでの展開は週末と平日のめりはりを付けるなどロスを考えた売場づくりをする。活サザエ、殻付きホタテ貝、殻付牡蠣、生スルメイカ、アルゼンチン産アカエビなど。
写真のような生アユ、ニジマスやコダイなどの串打ちの品揃えがあればバーベキュームードが高まる。
こどもの日は手巻き寿司中心にホームパーティの提案
5月5日はこどもの日。成功率が一番高いのは手巻き寿司だ。
子どもたちの好きなサーモンを中心に見た目にかわいく、カラフルで楽し気な提案ができれば、成功率はさらに高まる。海鮮手巻き寿司セット1パック1580円前後、海鮮ちらし寿司セット1パック1280円の提案。
寿司用具材としては子どもたちに人気のサーモンの他に、マグロ切り落とし、マグロたたき、養殖マダイ、寿司エビ、イクラしょうゆ漬け、厚焼卵焼きなどの品揃え。関連商品としては寿司酢、のり、大葉、ブロッコリースプラウトなどを展開。
節分やひな祭りの成功事例を参考にして売場展開を考える。中でも養殖(解凍)本マグロの相場安が進み、売り込みやすい状況が続く。盆商戦の予行練習も兼ねて、売り込みを強化する。
新しい高値入商品の販売強化(GWに浸透させたい野菜とのコラボ商品)
アフリカ産蒸しタコに続く高値入商品の開発、育成
昨年のアフリカ産蒸しタコの成功事例「タコぶつ+野菜+各種フレーバー」のように、原料相場高でも野菜を加えることで値入れをしっかり確保し、値頃販売できる商品の開発、育成を考える。
例えばポキ丼(サーモン+キュウリ+ポキ丼のたれ)。ポキ丼といえばアボカドが定番だが、色目と鮮度管理が難しい。その点、キュウリは扱いが簡単。キュウリの見た目の清涼感、食感共にポキ丼に合う。魚具材としては、マグロ、カツオ、ブリ、タコ、ベビーホタテ貝、ボイルサラダエビなどが考えられる。
今後も水産物の相場は、相場過多など在庫調整の局面で短期的な相場下げはあっても、大局的には現在のような相場高が続くものと思われる。
そうした中で、水産物以外の食材とコラボレーションすることは、単にかさ増し効果だけでなく、消費者の簡便化志向にも合致しており一石二鳥と考える。鮮魚部門が扱う商品として「鮮度感、素材感を大切にしながら」という前提付きではあるが、GWを契機に強化していきたい。