堀内幹夫

エバーフレッシュ研究所代表取締役社長。「水産物における絶えざる革新、価値創造」をテーマに水産コンサルタントとして活動。スーパーマーケット、ボランタリーチェーン、水産卸、メーカーなど数多くの企業を指導。1951年島根県出雲市出身、75年獨協大学外国語学部卒業、同年ダイエー入社、90年ダイエー退社、91年エバーフレッシュ研究所設立。

  • 2024.07.29

    うなぎ商戦「土用二の丑」本当に直前の対策はこれだ!

    今年の「土用の丑」が終わった。まだ詳細は明らかになっていないが、中国産、国産共に相場高の中で思いの外、健闘した企業が多かったようだ。昨年が7月30日で日曜日であったのに対し、今年は24日水曜日、大きく前年割れする予測もあったが、あくまで聞き取りベースではあるが、半分程度の企業、店で土用の丑対比で前年実績を確保できたようである。 年々、中国産の比率が高まりつつある傾向にあるが企業によってばらつきがあり、むしろ好調であった企業に国産うなぎを大きく伸ばした傾向がみられる。 その上で、今年の「二の丑」となる8月5日(月)の強化ポイントを次のように提案したい。 ①二の丑は、8月3日(土)~5日(月)の3…

  • 2024.07.09

    【盆商戦】対策2024 鮮魚編 相場安の解凍本マグロを生かし、刺身のマンネリを「価値訴求」で脱する

    2023年の盆商戦期間(8月11日~15日)の売上状況は、全国的におおむね好調であった。令和になって11日が「山の日」の祝日となったため、盆商戦の帰省が11日を起点にしてスタートするようになった。さらに昨年の曜日回りは、「山の日」の祝日が金曜日で3連休となったため、予測通り期間前半に売上げが集中する結果となった。 8月11日~13日の3日間の傾向としては、次の表のように売上高、客単価、買上点数共に12日が3日間の中で一番高くなったが、1点単価だけは13日が一番高く、買上点数は3日間の中で一番低かった。13日は刺身盛り合わせ、寿司盛り合わせなど大型商品、高額商品に集中した購買状況がうかがえる。 …

  • 2024.06.12

    2024年直前対策 どうする? うなぎ商戦 「土用の丑」編

    今年の「土用の丑」は7月24日(水)。昨年の「土用の丑」は7月30日(日)。 今年の土用入りは7月19日(金)。「二の丑」は8月5日(月)。昨年は国産うなぎ高値の影響で7月前半は厳しかったが、土用期間(土用の丑までの5日間)では前年実績を越えた企業が多かった。 丑当日では土日で購買客が分散したのか、多くの企業が80~90%台と苦戦した。月間を通すと、前半のマイナスをカバーしきれず前年割れした企業が多かった。 昨年の状況をまとめると次のようになる。 ①天気…梅雨明けは平年より3日遅かった。全国的に晴れ。東京最高気温36.6℃。 ②製品相場…国産1.5割高、中国産1.5割高。大型サイズ中心。大手ス…

  • 2024.04.25

    GW直前! この提案は実施したい!! 鮮魚編 バーベキューに焼きガニを提案

    昨年、2023年は、5月に入ってからゴールデンウィーク(GW)後半に連休が集中する形だった。昨年のGWはコロナ前の19年並に人の動きが活発となり、バーベキュー商材が大きく伸長した。営業数値的にはGW期間(4/27~5/6)の売上前年比(鮮魚部門計)は都心型店舗苦戦、郊外型店舗、田舎立地店舗は2桁に近い伸びを示した。 好調商品は寿司、バーベキュー商材、加熱エビ、塩サケマス、うなぎ、イクラスジコなど。不調商品は刺身用サク類、生食サケマス、むきエビなどだった。 昨年は後半型だったが、今年は前半と後半に分かれるセパレート型になる。GW自体は昨年よりも、2日早く始まって1日早く終わる形だ。今年は4月の3…

  • 2022.12.22

    どうする? 2023年の商品と売場 鮮魚編|夕方、夜間の見直しと即食、ロングライフの再強化

    全面的相場高の中、2022年は厳しい商売を強いられた。特に粗利益面では大きく前年実績割れした企業、店舗が多かった。この相場高は一過性のものでなく、23年も続くものと予測される。 中には一段の相場高となる商品もあり、あるいは少し相場が緩むと予測される商品あり、と一様ではないが、大勢において相場高基調は変わらない。「魚離れ」など消費傾向も変わらず、水産部門にとっては課題多き23年となる。今後の鮮魚部門の採るべき方向性について考えてみる。 夕方、夜の時間帯の重要性 この間、夜間の買物が増えてきたとの指摘がある。コロナ禍で少し流れが変わった面もあるが、社会構造が変わらない限り、夜間の買物客の比率は今後…

  • 2022.08.12

    特別寄稿 秋以降の原料高騰、コスト高対策 鮮魚編 「質の商売」へのシフト、商品設計、販売方法の見直し

    ただでさえ相場高の上に、ロシアによるウクライナ侵攻など相場高となる要素がさらに加わり、主力商品はかつて経験したことがない程の相場高となり売上げが作りにくくなっている。 実際に6月は気温の高さもあり、スーパーマーケットの水産部門は前年実績93%台となった企業が多かったように思う。 7月はうなぎかば焼きの好調に助けられ、前年比96~97%程度まで回復。ある面、これだけの軒並みの相場高において善戦と言っても良い状況だが、問題はこれからだろう。 秋口からの生サンマ、生秋サケなど秋の旬魚の漁獲不漁、不順が予測される他、全面的な相場高の中で値入確保がますます厳しくなり、恒常的に利益率が低下する恐れがある。…