ヤオコー八王子鑓水店が9月28日オープン、東京都13店目、ビバモール内にテナント出店

2022.09.30

2022.09.24

ヤオコーは9月28日、東京都八王子市に八王子鑓水店をオープンした。東京都13店目、全社では180店体制になる。

多摩地域と相模原地域の既存店の中間に位置し、店舗網を増やすことで地域を結ぶと同時にドミナントを強化する。

京王線橋本駅、多摩堺駅から北に約2km強の多摩ニュータウン再開発地区の一角に位置する大型商業施設のビバモール八王子多摩美大前内にテナントとして出店した。

ビバモール内へエンクローズド型の出店。

八王子バイパス「鑓水インターチェンジ」からは約4分の距離。約2kmの距離にある最寄り駅の橋本駅は新宿駅まで電車で最短約40分でアクセス可能という立地条件。

店舗周辺は高低差があることから、車での来店が見込まれ、店舗周辺を東西に走る3つの主要道路と南北に走る国道16号は大きな混雑もなく、北側からの集客も見込まれるという。

出店地周辺の人口、世帯数は共に増加傾向を示し、年齢構成は1km圏内では30代~40代がボリュームゾーンとなっている3、4人のファミリー世帯が多い他、同圏内の世帯構成は10歳未満、10代の子どもの割合が高くなっている。

3km圏内では50代~60代が多くなり、1、2人世帯が増えるという。

近隣には多摩美術大学の他、JP楽天ロジスティクスのセンターがあることから、足元商圏の人口は少なめ。一方で、ビバモール内のショッピングセンター出店のために商圏は比較的広域になるとみられる。

ヤオコーとしては、平日は1km圏内のシェアを取るため、商圏内に多い30~40代のファミリー層の取り組みを最優先とし、車移動の増える週末に3km圏内のミドル、シニア層を狙う。

そのため、週末型の店となる見込み。週末の集客を狙い、レジ横のスペースで積極的な催事展開を図っていくという。

ストアコンセプトは「毎日の食生活が『彩り豊か』になるお店~楽しさあふれる売場を日々と週末でメリハリをつけ、彩り豊かな食生活を提案しよう~」。

初年度の売上高構成比計画は、生鮮が36.2%、デリカ18.1%、グロッサリーが45.7%、SKU数は、生鮮が1280、デリカ340、グロッサリーが1万3080、合計1万4700。

精肉は、地域一番の和牛焼肉売場として、食べ応えのある厚切りの盛り合わせや、グレード感のある食べ比べセットを名物商品として強化する。

肉惣菜ではローストビーフ、ローストポークののっけ盛りを展開する他、さらに差別化商品として従来取り組んでいる馬刺しについて、品揃えを強化して提案する。

鮮魚は、季節ごとに変化のある近海魚売場をメインに、圧倒的な「旬」と「鮮度感」を打ち出す。また、切り身がメインのおかず提案など、お客のニーズに合わせた提案を意識し、さらに商品特性や調理方法、豆知識なども発信するなど、活気ある売場の実現を目指す。

今回、商品知識を豊富に持つパートタイマーを育成し、推奨販売を強化したとしている。

野菜は、平日と週末で量目に変化を付けながら、季節ごとの産地リレーでミニトマトを中心に旬のおいしさを提案。

果物は、旬の商品を少量からカットフルーツやギフトまで、量目やアソート力を充実させて楽しい売場を提案する。約2.6kgと大ぶりで、黄色い皮のオーストラリア産の「エンペラーズゴールドメロン」を、柔軟な商品化が可能になる手切りにこだわってカットフルーツとして初めて展開。こちらは今後、取扱店舗を拡大する見込み。

新品種の「エンペラーズゴールドメロン」(右)は専用のシールを貼ってアピール
黄桃など、この店を皮切りに取り扱いを開始する新商品も多い

花は、マンスリーフラワーやミニブーケ、インテリア用の観葉植物や季節の鉢物を、お客のさまざまな生活シーンに彩りを添える品揃えで提案する。

「世界のバーガー」をシリーズ化して展開

デリカでは、惣菜はランチに合わせて米飯、麺類、ローストビーフ丼といった選べる売場に加え、少量のサラダなどの「もう1品」を充実させ、ヤオコーならではの出来たてのおいしさを提案。

「お惣菜屋さんの♪ローストビーフ丼ガーリック醤油仕立て」(498円、本体価格)
「醤油で食べないお寿司」、やみつきポキ丼(498円、本体価格)

週末に向けては大人数でシェアできるパエリアや巻き物などの米飯盛り合わせを豊富にそろえる。

また、鉄板商品として玉子焼きやお好み焼きをオープンキッチンによるライブ演出で展開し、「思わず立ち寄りたくなる売場」を提案。

鶏惣菜の「幸唐」。売り込み商品の「鶏の豪快半身からあげ」(598円、本体価格)は、欧米企業が名物商品としているローストチキンに匹敵するといえるかもしれない
「幸唐」では、「とろ~りチーズで食べるヤンニョムチキン」など韓国メニューなども販売
冷惣菜でも「味庵(あじあん)」コーナーを設置。もともと常温売場にコーナーがあり、中華・エスニック惣菜を展開していたが、今回、常温に加え、冷蔵売場にもコーナーができた
常温の味庵コーナーでも韓国メニューの「韓流ロゼチキントッポギ」を展開
冷惣菜では電子レンジ加熱タイプの鍋物など、熊谷市のセンター製の新商品を展開
惣菜売場壁面先頭の魚惣菜「漁火」では「金目鯛塩焼」(698円、本体価格)、「かまず塩焼」(598円、同)など高単価の商品も展開

寿司は、全店で最大の29尺の売場を設置。「握りといえばヤオコー」と支持してもらえるように、こだわりの本マグロをはじめ、その時期にしか味わえない旬の魚を使った握り寿司のおいしさを届ける他、ランチ需要や若年層向けには「すしBOWL」を豊富に品揃えする。

初めての挑戦として「寿司屋のおつまみ」コーナーを設置。家飲み需要を捉える

インストアベーカリーは、季節ごとに旬のフルーツを使ったタルトやデニッシュをはじめスイーツコーナーを充実。

インストアベーカリーはかなり売場が小さめ

ランチでは定番のバーガーに加え、こだわりの素材を使った「世界のバーガー」をシリーズ化して提供。定番のカレーパンは、マイク放送で焼きたてを案内するなど、店内手作りならではの作りたてのおいしさを提供。

「スパイシーケバブバーガー」をランチに提案

グロッサリーでは、日配食品はデザートを強化。ランチニーズを踏まえ、定番から手軽に片手で食べられるワンハンド商品や個食スイーツを品揃え。

多摩美術大学が隣りにあるため、主に学生をターゲットにプリンの品揃えを強化

また、銘店ラーメンをコーナー化し、月1回都道府県別に商品の入れ替えをしながら、お薦めの商品を提案する。さらに既存店でも定番となっている組み合わせ自由な個食麺、スープ、具材の種類を充実させ、選べて楽しい麺売場の実現も図る。

ドライ食品では、香りや味を引き立てるスパイスを生鮮食品と連携し、さまざまな食材との組み合わせ方や料理の幅が広がるメニュー提案を実施。シーズニングを使ったつまみの提案など、料理の楽しさを伝える。

酒は、ヤオコー直輸入ワインに関して、料理とも相性の良い、低価格から中高価格帯のワインを生活シーンに合わせて選んでもらえるラインアップを意識。

子会社の小川貿易を通じて直輸入のワインを強化しているが、円安が進む為替の影響が大きい。その中でも初めての取り扱いとなるイタリア産の「ピアチェーレ ロッソ(赤、白はビアンコ)」(798円、本体価格)など、リーゾナブルな商品の展開に努める
クッキングサポートを第1主通路のゴンドラ側に設置

来年の2023年春からは3km圏内を対象にネットスーパーを開始する予定で、専用の部屋をあらかじめ設けている。

ヤオコー八王子鑓水店概要

所在地/東京都八王子市鑓水2-108-1

オープン日/2022年9月28日

営業時間/9時~21時

駐車台数/978台(駐輪場150台、ビバモール)

店舗面積/2206.18㎡(684坪、ヤオコー売場面積)

延べ床面積/3362.48㎡(1017坪、ヤオコー床面積)

店長/金子大輔

従業員/正社員19人、パートナー・ヘルパー・アルバイト140人(延べ人数)

年間売上げ/初年度26億円(予定)

商圏人口/1km圏内1万4000人、5000世帯、3km圏内16万5000人、7万5000世帯

お役立ち資料データ

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