再びの緊急事態宣言に伴う、スーパー・百貨店など小売各社の対応まとめ
2022.04.21
2021.01.29
去る1月7日、政府は増え続ける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止のために東京都と埼玉県、千葉県、神奈川県の1都3県を対象に緊急事態宣言を発出した。
さらに、それを追うように1月13日には2府5県(栃木県・岐阜県・愛知県・京都府・大阪府・兵庫県・福岡県)にも緊急事態宣言が発出されている。
期間は発出の次の日から~2月7日までだが、緊急事態宣言を受け今小売業界は、どのような対応策を講じているのかをまとめている。
営業時間変更のアナウンスをしたチェーン店(2021年1月時点)
1月7日の1都3県への緊急事態宣言では、一般の生活者にも20時以降の外出自粛、飲食店には20時以降の営業自粛の要請が出された。
では緊急事態宣言の発出後、スーパーマーケットや百貨店、コンビニエンスストアなどの物販小売業の営業時間に変化は見られたのだろうか?
2021年1月時点で営業時間変更のアナウンスをした物販小売業のチェーン店などを見ていこう。
●スーパーマケットの対応
東急ストア
1都3県にある東急ストア84店舗のうち19店舗(あきる野とうきゅう・東急ストア上池台店・東急ストア久が原店・高島平とうきゅう・東急ストアつくし野店・東急ストア中目黒本店・東急ストアフードステーションミニ二子玉川駅構内店・東急ストア不動前店・東急ストア三鷹センター店・すすき野とうきゅう・東急ストア高津店・東急ストア田奈店・東急ストア中央林間店・東急ストアフードステーションつきみ野店・東急ストア戸塚店・東急ストア仲町台店・東急ストア溝の口店・東急ストア宮前平店・東急ストアフードステーション宮前平駅前店)は通常通り営業時間に変わりはないが、残り65店舗が営業時間を変更している。
ただし営業時間の変更は、今回の緊急事態宣言を受けたものではなく新型コロナウイルス感染拡大防止のため、以前からとられていた対応である。静岡県内にある3店舗も通常通り営業時間に変更はない。
イトーヨーカドー
全国展開しているイトーヨーカドーは、1月7日の緊急事態宣言を受け1都3県のイトーヨーカドーとアリオ、グランツリー全店(東京都29店、神奈川県29 店、埼玉県20店、千葉県16店、合計94店舗)の営業時間を変更して、食品フロア以外を20時閉店とした。新たに、1月13日の緊急事態宣言に呼応して1府4県(栃木県・岐阜県・大阪府・兵庫県・ 愛知県)のイトーヨーカドーとアリオおよびプライムツリーも同様の営業時間の変更を決定している。
ヤオコー
1月7日の緊急事態宣言に伴い、埼玉県の2店舗と千葉県の1店舗の営業時間変更を発表した。埼玉県の浦和パルコ店の営業時間が10時~20時、ららぽーと富士見店が9時30分~20時に変更。千葉県の新浦安店が9時~20時に変更し、期間は当面の間としている。
オーケー
ディスカウントスーパーマーケットとして関東地方に展開しているオーケーストアは今回の緊急事態宣言での時間変更はなかった。だが、2020年4月に発出された1回目の緊急事態宣言に呼応して、営業時間を変更している。状況に応じ、順次変更することがあるとしながら現在も、閉店時間が21時30分の店舗は、30分短縮して21時閉店を継続中である。
●百貨店の対応
高島屋
高島屋は1月7日と13日の緊急事態宣言を受け営業時間の変更を発表している。1都3県にある日本橋高島屋S.C.・新宿タカシマヤタイムズスクエア・玉川高島屋S・C・立川高島屋S.C.・柏高島屋ステーションモール・流山おおたかの森シショッピングセンター・横浜店・タカシマヤフードメゾン新横浜店・大宮店(ジュンク堂を除く)は1月13日から当面の間、営業時間短縮となる。大阪店・堺店・泉北店・京都店・洛西店・岐阜店は1月14日から営業時間が短縮となった。専門店のフロアとレストランは20時閉店である。
松坂屋と大丸
大丸松坂屋百貨店と博多大丸は、政府から発出された緊急事態宣言と都府県知事の要請を踏まえ、大丸・松坂屋の一部店舗の営業時間変更を伝えている。1月7日、13日の緊急事態宣言を受けた各店舗やレストランの営業時間には、少し違いが見られた。しかし、18日からは大丸東京店・大丸心斎橋店・大丸梅田店・大丸神戸店・松坂屋名古屋店・大丸福岡天神店、6店舗の閉店時間が20時となる。6店以外の店舗は営業時間に変更はない。
三越と伊勢丹
首都圏の三越伊勢丹も1月7日の緊急事態宣言を受けて、8日から営業時間を変更している。伊勢丹新宿店・伊勢丹立川店・伊勢丹浦和店・日本橋三越本店・銀座三越・恵比寿三越の閉店時間は当面の間19時となる。ただし、レストラン街は19時までの入店で20時閉店である。また、小型店 (アイプラザ1店・エムアイプラザ6店・サテライト20店) 27店の営業時間は店舗により異なる。
●ドラッグストアの対応
ココカラファイン
全国に1300を超える店舗を展開している薬局グループのココカラファインも1月14日時点で営業時間を変更。各店舗の通常の営業時間より30分から2時間、閉店時間が短縮されている。
薬の福太郎
東京都と千葉県、埼玉県などで店舗展開しているドラッグストアチェーンくすりの福太郎は、一部の店舗の営業時間を変更している。1月13日発出された緊急事態宣言を受けて変更された営業時間は、1月12日から2月7日までの間実施される。
営業時間変更のアナウンスをしていないチェーン店(2021年1月時点)
1月7日に緊急事態宣言が発出された首都圏、1都3県の大手3社のコンビニエンスストアは、通常通りの営業である。また同じように、緊急事態宣言の対象地域に追加された7府県にあるコンビニも営業時間、変更のアナウンスはない。
●コンビニエンスストアの対応
セブンイレブン
全国展開しているセブン-イレブンだが原則、通常営業を継続中である。イートインスペースは閉鎖するかを検討中としている。
ローソン
ローソンも全国展開しているコンビニだが営業時間に変更はない。ただし、全店舗のイートインスペースの利用を一時中止している。
ファミリーマート
全国展開している大手コンビニのひとつファミリーマートも通常通り、営業時間に変更はない。
●スーパーマーケットの対応
ライフ
1都3県を対象とした緊急事態宣言の発出を受け、1月20日から22日の首都圏店舗のチラシ配布・配信を自粛する。店舗の混雑緩和を目的としたものであるが、営業時間の変更はない。対象地区は首都圏全121店舗である。なお、1回目の緊急事態宣言以降の営業時間は、状況に合わせて随時変更をしている、としている。
いなげや
1回目の緊急事態宣言が全国に発出された4月以降に、イートインコーナー(くつろぎスペース)は全店閉鎖されている。試食・試飲販売もすべて中止されているが、営業時間に変更はない。
ジャパンミート/まいばすけっと/業務スーパー
上記スーパーでは、以前より営業時間を変更した店舗が一部あり、時短営業を継続して実施中の店舗もある。
カスミ/サミットストア/フレッセイ/ベルク/マルエツ
1月7日に出された緊急事態宣言に伴うアナウンスはなく、営業時間には変更はない。通常通りの営業である。
●ドラッグストアの対応
マツモトキヨシ・サンドラッグ・クスリのアオキ・スギ薬局などのドラッグストアは1月7日に発出された緊急事態宣言にともなうアナウンスはなく、通常通りの営業である。ウエルシアの場合、ショッピングセンター内の店舗は管理会社の営業時間に合わせるため一部の店舗の営業時間が変わる。また、ツルハドラッグ の一部店舗は以前より時短営業を継続している。
おわりに
1都3県でチェーン店展開しているスーパーマーケットやドラッグストアの公式サイトによれば、営業時間を短縮する店舗が一部見られた。しかし、ほとんどの店舗が通常通りの営業を続けることがわかる。
緊急事態宣言下において、小売り事業者には感染防止対策を講じつつさらに事業を展開していくことが求められる。危機が発生する前のリスクマネジメントとして、販売現場での安全確保は第一義となる。従業員が、感染防止対策として実践するべきことや求められていることを理解していなければ、なしえないことは言うまでもない。
朝礼やさまざまな機会をとらえて、適時に情報提供を行い従業員の新型コロナウイルス感染症への知識や対応力を高めていくことも重要になろう。