【ローソンセルフレジ】使い方から支払方法、導入の背景まで徹底解説
2022.04.21
2021.03.04
世界中を襲った未曽有のコロナ禍はまだ終息の兆しが見えず、多くの業界に影響を与えている。
小売業界も例外ではなく、新型コロナウイルスへのさまざまな対応が求められ、期せずしてセルフレジなどの導入にも拍車をかける形となった。今回はローソンのセルフレジ導入の背景や実際の使い方などについて紹介したい。
ローソンのセルフレジの特徴とは?
●ローソンセルフレジ導入の背景とこれまで
ローソンのセルフレジ導入は2010年6月28日に東京都品川区のローソンゲートシティ大崎店から開始された。ローソンは、マンアワーの削減と通勤や昼のピーク時間帯の混雑緩和を目的としたセルフレジ導入の実験を、以前から一部店舗で続けていた。ゲートシティ大崎店のセルフレジ導入は、その結果に基づく決定であった。
10年に導入したセルフレジではバーコードを商品読み取り部に当てる方式が採用され、多くの種類のカード利用決済が可能となっている。当時、多種類のカード決済ができるセルフレジ導入は、コンビニ業界ではローソンが初めてだった。
19年に入り、7月2日から徳島県内の138店のローソン店舗で新型POSレジの運用実験を開始した(19年5月末時点、一部店舗を除く)。
20年2月末時点ではローソンのセルフレジ導入店は約1800店舗だったが、4月末時点には、約4500店舗となる。2カ月で2.5倍に拡大した計算であるが、新型コロナ対策の一環としてローソンはさらにセルフレジの導入に力を入れていくとしている。
●ローソンセルフレジの特徴とメリット
ローソンのセルフレジの利用可能な時間や台数、また、実施の有無は店舗によって異なる。キャッシュレス決済のみで現金払いはできないが、ポイントカード(Pontaポイント、dポイント)は引き続きポイントが加算され、従来どおりの使い方が可能だ。
セルフレジのメリットは店舗、お客双方にある。会計や商品梱包の時間短縮による回転率の向上は、店舗側にとってマンアワーの削減の他に売上高のアップに対する貢献も望める。
お客は自身でスキャンするという作業は発生するものの、レジ前で並ぶ待ち時間が解消されることはお客側のメリットといえる。また、店員との現金の受け渡しがなく、また、会計時に他のお客と一緒に並ぶこともないため、コロナ禍における対面での感染症対策として有効である。
●ローソンセルフレジで利用できる支払い方法
ローソンセルフレジでの決済には、クレジットカードや電子マネー、バーコード決済、ポイントカードが利用できる。
クレジットカードはJCBやVISA、マスターカード、ダイナースクラブ、アメリカンエキスプレスなど各種。電子マネーでは、SuicaやICOCAなどの交通系電子マネーの他、楽天Edy、iD、WAON、QUIC Payが利用可能である。
バーコード決済はLINE Pay、PayPay、楽天ペイ、au Payなどが利用でき、楽天ポイントとdポイント、国際ブランドプリペイドカードも使用できる。しかし現金、QUOカード、プリペイドカード、デビットカード、金券、ギフト券などでの決済はできない。
また、医薬品や切手、はがき、酒、たばこなどの購入は不可であり、現行のセルフレジでは受けられないサービスもある。
Loppi(ロッピー)の収納代行や領収書発行、返品・返金、コンビニ受け取りサービスやLoppi・QUOカード・プリペイドカードなどの残高照会はできない。
ローソンセルフレジの実際の使い方
ローソン研究所の内容に沿って、ローソンのセルフレジの使い方を解説していく。
ローソンのセルフレジは店舗内レジに「セルフレジ」と書かれたピンク色のPOPがついているのが目印となる。
ローソンでセルフレジを実際使うには、まず購入した商品を持ちピンク色のPOPが付いたセルフレジを見つけることから始まる。
①支払方法の選択
最初の画面には使用可能な決済手段が映し出されるため、セルフレジの読み取り機器とパネルを確認し、支払方法を選択する。
②レジ袋の有無を選択
次に、レジ袋の有無と必要な枚数を選択する。20年7月1日から、商品をスキャンする前にレジ利用の有無を選択できるようになっている。
レジ袋が不要な場合は向かって左の「不要」のボタンを選択し、レジ袋が必要な場合は向かって右側の「必要」のボタンを選択する。
③商品のスキャンを開始する
購入商品のバーコードの読み取りを開始する。
ピッという機械音が聞こえ、画面に商品名が表示されたら無事スキャンができている。クーポン利用を希望するなら、この際に「クーポン利用」を選択しておく。購入商品を全てスキャンし終えたら、「購入する」を選択。
④ポイントカードの読み込み
ポイントカード(Pontaカード、dポイントカード)を持っている場合は、こちらから選択を行う。
「ポイントカードはお持ちですか?」と問われるので、持ってない場合は「持っていない」を選択する。Pontaカードまたはdポイントカードを持っている場合は、表示できる登録方法を選び、ポイントを加算できる。
⑤決済をして購入を完了する
最期に自分の選んだ支払方法(クレジットカードや電子マネー、バーコード決済など)に即した対応を実施すれば、決済は完了となる。
ローソンセルフレジにみる小売業界の キャッシュレス化
20年5月の調査によると、国内のリアル店舗の約36%がキャッシュレス決済を導入しているとされる。しかし、キャッシュレス導入の普及率は事業者サイドのそれを大きく上回り、消費者の約87.6%がキャッシュレス支払いを利用しているという。キャッシュレスが消費者の支払手段の1つとして浸透していることが分かる調査結果である。
ローソンは、クレジットカードに始まり、おサイフケータイや電子マネー、コード決済など数々のキャッシュレスへの対応を続けてきている。ローソンが推進するキャッシュレス化が、現金決済インフラのコスト削減や人手不足解消に貢献していることは確かだろう。
一方、リアル店舗の利点ともいえる対面でのサービスも20年に出現した新型コロナウイルスによって、リスクが伴う状況へと大きく変化した。感染リスクを抑えることがリアル店舗の重要な課題となったいま、キャッシュレス化はさらに重要な位置付けを占めるといえるだろう。