マルエツがリンコス白金ザ・スカイ店をオープン、高級フォーマットで上質商品差し込み、ビオセボンをコーナー化
2023.03.22
マルエツは上質の商品を差し込む同社の高級フォーマットとなる「リンコス」の最新となる白金ザ・スカイ店を3月17日にオープンした。
東京メトロ南北線、都営地下鉄三田線の白金高輪駅から北方面に約400m、東京都港区白金の高層マンション1階への出店。マンションは世帯数は1247世帯で、現状、約170世帯が入居している。同店の開業で全社では305店、リンコスとしては6店体制となる。南に1km強の近隣にはリンコス高輪店がある。
店舗周辺はオフィス、マンションが混在する地域となっている。300m圏内の人口は9444人、世帯数は5769世帯で、2021年対比の22年の世帯伸長率は104.4%と増加傾向にある。
世帯当たりの平均人員は1.64人、単身世帯が54.1%で港区と比較して2.8%ポイント高い他、2人以上世帯は45.9%で、同2.9%ポイント低い地域。年齢別人口構成比は港区と比較して、25歳~44歳が38.6%と1.6%ポイント高く、24歳以下が18%と1.1%ポイント低い地域となっている。
世帯年収は、500万円以上の比率が高く、特に1000万円以上の高所得者層が多い地域となっている。
リンコス(LINCOS)の語源は「Linkage of Commutative Store」の頭文字を取ったもので、「生産者・お客さま・従業員が商品を通じて互いに連鎖し、無限に対話しあえる店舗」を意味する。ロゴは無限大のの記号の「∞」を変化させたものとなっている。
上質商品を随所に差し込む
売場面積は112.8坪と、都市型小型フォーマットの「マルエツ プチ」とマルエツの標準店との中間のような規模。日常生活を支えるスーパーマーケットとしての商品構成は同社の既存店と共通しているが、リンコスのため、一部他店では扱っていない商品が差し込まれている。
今回は、オーガニック商品を豊富に展開。特に一般食品ではイオングループが展開するオーガニックSMのビオセボンのコーナーを設置。商圏内のニーズを考慮し、同じグループ内のビオセボン・ジャポンにマルエツ側から提案した。
単品の売れ行きを見ながら既存店にも波及させていく計画もある。
ヨーロッパから直輸入したオーガニック商品を取りそろえる。ドイツで選りすぐりの茶葉を世界観に合わせてブレンドしたサステナブルなお茶の「ジャストティー」、フランスで伝統的技法によってアロマが引き立つようにゆっくりと焙煎したコーヒーの「デスティナシオン」、フランスの蜂蜜ブランドの「ファミユマリー」の百花蜜、グルテンフリーのスイーツを手軽に作ることができるミックス粉の「オーガニックラーダー」など、海外のトレンドを踏まえたオーガニック食材を展開。
コーヒー、紅茶、蜂蜜、スプレッド、ケーキミックス、シリアルなど25SKUを導入。価格はマルエツとして独自に設定している。
精肉はアウトパックながら、A5ランクの「仙台牛」や黒毛和牛をはじめ、「TOKYOX」やサフォーククロスラム肉などの生鮮に加え、加工品では「館ヶ森アーク牧場」のベーコンや「ブッツ」のウインナーなどこだわり商品を多数品揃え。また、冷凍肉の品揃えを強化し、松阪牛などの銘柄牛を使用したローストビーフやジビエ肉、エンドウマメのタンパク質を主原料とした「ビヨンド・ビーフ」を展開。
青果では、使い切りの適量目商品など簡便商品を品揃えする他、こちらでもオーガニック野菜を展開。特にトマトは高糖度にこだわって種類豊富に展開。果実でも上質な国産果実や輸入果実の品揃えを強化。
青果でも冷凍商品として、オーガニックの冷凍野菜や冷凍果実を品揃えする。
鮮魚も全てアウトパックで生本マグロ、生アトランティックサーモンの他、適量目の刺身盛り合わせや旬の生魚、切り身を取りそろえる。冷蔵売場は6尺程度にとどめ、その分、冷凍の商品を充実させるなどロスを考慮した展開。鮮魚全体では20尺の売場となっている。
冷凍売場ではこだわりの干物、漬魚やギンダラ、塩サケなどの切り身、貝類、うなぎ、煮魚といった冷凍加工魚を種類豊富に展開。
サテライト供給で鮮魚部門が手掛ける寿司である「鮮魚鮨」も導入。こちらは用途に合わせ惣菜売場で展開する。
惣菜では、「窯焼ピッツァ」を専用窯を使用して店内で焼成、出来たてを販売する他、ベーカリーでもクロワッサンなどを店内で焼成し、焼きたてを販売する他、健康素材の発芽玄米と黒米を使った食事用パンなどを展開。
惣菜ではサテライトなどアウト供給を活用し、「たっぷりほうれん草のミートラザニア」などの他、素材、産地、製法にこだわった弁当や温惣菜メニューを豊富に品揃え。
一般食品では洋風商品の品揃えを強化、特にオリーブオイルやパスタなどで上質商品を多数取りそろえる。また、輸入菓子の品揃えを強化する他、韓国系の菓子も販売。
ワインでは通常のゴンドラに加え、ワインセラーを設置し、付加価値の高い商品を取りそろえる。5万円を超えるドン・ペリニヨンも販売している。
日配食品でも各カテゴリーで上質、こだわり商品を豊富に展開。和日配では国産有機大豆を使用した豆腐やがんもなども品揃えする。洋日配ではフレッシュデザート、ヨーグルト、バターなどの洋風商品の品揃えを充実させる他、ワイン売場に隣接するナチュラルチーズ売場では、渋谷に店舗を構える「チーズスタンド」の商品を品揃えする。
決済面では多様性を重視し、通常レジに加え、お客が自身のスマホで商品登録を行いながら決済まで行える「Scan&Go」、フルセルフレジを導入する。
取扱SKU数は、ミート(精肉)199、プロデュース(青果)342、フィッシュ(鮮魚)142、生鮮3部門合計で683、日配1450、一般食品(酒・たばこ含む)2900、惣菜238、ベーカリー30、フーズ計で5301、生活用品210を加えて全体で5511。
目標売上高構成比は、ミート11.0%、プロデュース16.8%、フィッシュ8.0%、生鮮3部門合計で35.8%、日配20.6%、一般食品17.0%、酒・たばこ8.4%、惣菜15.8%、ベーカリー1.8%、フーズ計99.2%、生活用品0.8%となっている。
客単価はオープン時は2000円ほどを想定するが、通常時には1500円~1600円程度になると見込む。一部高単価の商品が差し込まれていることから、同じく都市型で買上点数が少なめのマルエツ プチよりは若干高い水準。
リンコス白金ザ・スカイ店概要
所在地/東京都港区白金1-2-1
オープン日/2023年3月17日
営業時間/9時~22時
駐車場/14台(共用)
駐輪場/49台(共用)
建物構造/鉄筋コンクリート造45階建て、地下1階て
売場面積/374㎡(112.8坪)
店長/大出一登
従業員数/29人(8時間換算)
年間売上高目標/6.3億円