そよら武蔵狭山が9月26日オープン、イオンリテールの新都市型ショッピングセンターフォーマットが埼玉県初出店

2023.09.04

イオンリテールは9月26日、2020年に閉店した埼玉県狭山市のイオン武蔵狭山店跡地にそよら武蔵狭山をオープンする。「そよら」はイオンリテールが展開する小商圏を対象としたショッピングセンター(SC)フォーマットで、当初は都市型をメインに展開していたが、次第に郊外にも展開地域を拡大してきている。

今回、1979年に狭山サティとしてオープンし、最終的にイオン武蔵狭山店となっていた立地へのオープンとなった。そよらとしては埼玉県初出店となる。

狭山市は、東京都心より40km圏の県南西部に位置し、利便性などからファミリー層やシニア層が多く住む。特産品の「狭山茶」や関東三大七夕祭りの「入間川七夕祭り」、狭山市と入間市にまたがる航空自衛隊「入間基地」の「入間航空祭」でも知られている。

SCは、国道16号線沿いの幹線道路に面し、市の中心に位置する西武新宿線の狭山市駅から徒歩約9分と交通アクセスも良い。

狭山市とイオンは2022年11月に狭山市内における地域の一層の活性化および市民サービスの向上を図ることを目的に、包括連携協定を締結した。そよら武蔵村山も狭山市と連携し、地域住民の健康的で豊かな暮らしに寄り添った「通う」「集う」「つながる場」として、「都市生活に必要なモノが揃い、日々の暮らしをもっと楽しく便利にする、毎日のように自然と通う生活拠点」「子どもを連れて、一番快適に過ごせる身近な施設」を目指す。

核店は「イオンスタイル武蔵狭山」で、コンセプトは「地域の日常生活に密着したお店」。商品構成を食、ヘルス&ビューティの「フード&ドラッグ」と「カジュアル衣料」といった購入頻度の高いカテゴリーに特化し、日々の生活に密着した店舗としたい意向だ。

国道16号線上に北東約900mの距離にはもともとカルフール狭山店だった同社のイオンスタイル狭山があるが、同店は今年6月、食品、ヘルス&ビューティに加え、特にキッズ関連の品揃えを充実させた店舗にリニューアル済み。総合スーパー(GMS)として、比較的広域の商圏をターゲットに小商圏型のSCのそよらとすみ分ける。

例えばそよら武蔵狭山はキッズなどは品揃えを限定するなど、2店をお客の生活スタイルに応じて使い分けられるような態勢とし、狭山エリアでの提供価値を高め、シェアの向上を図る。そよら武蔵村山としては半径3km圏をターゲットに、特に1km圏内のシェアを高めたい意向だ。

食では、店舗近隣のイオン直営のイオンアグリ日高農場から当日収穫のサニーレタスやリーフレタスなどのオーガニック野菜を引く他、JAいるま野の15軒の生産者による小松菜や長ネギ、キュウリなど約15~30種類の地場野菜、地域自慢の特産品「狭山茶」を豊富に品揃えし、自家用にも贈答用にも活用できる商品を展開。

また、狭山茶を使用した清水園狭山煎茶、丸康園の狭山茶を使用した和紅茶、手軽に味わえるペットボトル入りの狭山茶の他、狭山茶を使った「狭山抹茶最中アイス」「狭山茶おはぎ」「狭山煎茶チョコレート」といったスイーツや和菓子なども提案する。

さらに狭山市と入間市にまたがる航空自衛隊最大級の基地「入間基地」の名物である「狭山茶空上げ」をオリジナル商品として販売。航空自衛隊は、各基地の給食で提供される鶏の唐揚げを、「空自空上げ(くうじからあげ)」としているが、今回は抹茶塩をたっぷりとかける「狭山茶空上げ」を入間基地監修のもと開発。そよら武蔵狭山とイオンスタイル入間の2店で取り扱う。

他にも地域で親しまれている多彩な味を提供する。1946年創業の「豚の生産」「加工品製造」「販売」までを一貫体制で行っている日高市の豚肉専門店「サイボク」の商品を展開する他、小江戸川越の伝統を引き継いだ酒造「小江戸鏡山酒造」の「鏡山さけ武蔵大吟醸」や、入間郡越生町「佐藤酒造」の「越生梅林 特別純米酒」、入間郡毛呂山町「麻原酒造」の「琵琶のささ波」など近隣エリアで作られた地酒を品揃え。また、川越で約250年続く蔵元である松本醤油商店の「はつかり醤油」も展開する。

隣接する川越市と周辺地域で作られているブランド芋「川越いも」を使用した秋フレーバーのシュークリーム「おいもクリーム&ホイップシュー」といった商品も販売。

ヘルス&ウエルネス提案では、オーガニック、低糖質、機能性飲料など「食」を通じての健康維持や、健康的な生活の実現に向けた商品の拡充を目指す他、オーガニック商品ではプライベートブランドのトップバリュグリーンアイオーガニック商品に加えグループのオーガニック専門店「ビオセボン」の商品も36SKU取りそろえる。

冷凍食品は地域最大級の約1000品目をそろえるなど強化。簡便商品の他、トップバリュグリーンアイのオーガニック冷凍野菜、また、「RF1」や「神戸コロッケ」など専門店の味を自宅で楽しめるロック・フィールドの「RFFF」シリーズ、南インド料理専門店の本場の味わい「エリックサウス」などの他、人気が高まっている冷凍スイーツとして「神戸元町EVIANティラミス」や花畑牧場「十勝カタラーナ」なども品揃えする。

「医薬品」ではオンライン服薬指導や当日配達できるサービスなどを導入し、「かかりつけ調剤薬局」を目指す。

また、衣料品では日常使いに特化した商品を新規展開。23年4月にイオン船橋店で展開を開始した「トップバリュコレクション」「ESSEME(エシーム)」「SELF+SERVICE(セルフ+サービス)」などカジュアル衣料とインナーウェアをそろえる「デイリーカジュアル」の売場を初めて単独展開し、専門店のように選べる売場で提案する。デイリーカジュアルの売場では同様に23年4月にイオン船橋店で導入開始したセルフレジを設置。カジュアルウェアやインナーウェアをより気軽に自身のペースで精算できるとしている。

一方で、食品売場でもレジ精算の効率化と混雑緩和を実現するため、新しいレジ配置「スマートモデル」を導入。携帯端末を使ってお客自身が購入商品をスキャンしながら買い回り、精算機でお支払いだけで済む「レジゴー」や、支払いのみセルフサービスで行う「セミセルフレジ」を設置。

ネットスーパーは9月21日配送開始予定。ネット注文品を配送料なしで店舗で受け取れる「ピックアップ」も展開する。

25年には入曽駅前にも「そよら」を出店

SC機能では「生活によりそい毎日通いたくなる専門店」として、コンパクトでありながらも多彩な機能の専門店を導入。ライフスタイルに合わせて「通う」「集う」「つながる場」としてのSCの機能を果たす。

カフェ&レストランではバーガーキング、サイゼリヤ、タリーズコーヒーが出店する他、食物販では契約農家から仕入れた茶葉を狭山火入れで仕上げた深蒸し煎茶を主に取り扱う茶の一茶が出店。

他、ヘアカットのQBハウス、へアカラー&ケア専門店のCASA COLOR、100円ショップのキャンドゥ、メガネのT.G.C、書籍の未来屋書店、ペットのPETEMO、リラクセーションのリラクゼーションサロンもみじなど、日常使いの専門店が出店する。

また、狭山市とイオンが包括連携協定を締結したことを受け、狭山市の「ご当地WAON」の「さやまWAON」の発行も開始。さやまWAONの寄付金は「狭山市の子供たちへの支援」に役立てる。券面は狭山市在住の「まんが日本昔ばなし」の童絵作家池原昭治氏が「入間川七夕祭り」の童絵をデザインした。

なお、イオンリテールは、25年にはそよら武蔵村山の最寄り駅の狭山市駅の隣駅である入曽駅前にもそよらフォーマットを出店予定。小商圏をターゲットにした新たなSCでシェアの向上を図る意向だ。

そよら武蔵狭山概要

所在地/埼玉県狭山市入間川3-31-5

オープン日/2023年9月26日

敷地面積/約1万8600㎡

売場面積/約6980㎡

駐車台数/310台

駐輪台数/240台(バイク43台)

SC構造/地上2階建て(2階の一部は駐車場)

核店舗/イオンスタイル武蔵狭山

店長/蒐場広樹

営業時間/食品8時~23時、非食品9時~22時、イオン薬局(調剤)9時~20時、専門店(飲食除く) 9時~21時、専門店(飲食)9時~22時

専門店数/15店舗

お役立ち資料データ

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