オーケーが立川のSC「若葉ケヤキモール」に居抜き出店、550坪型でヤオコーと真っ向勝負

2022.04.12

2021.07.28

オーケーは7月15日、東京都立川市に立川若葉町店をオープンした。立川市内には2014年2月オープンの立川富士見町店と2店体制になる。

ネイバーフッドショッピングセンターの「若葉ケヤキモール」のマルエツ跡地に居抜き出店した。1階部分にワンフロアの1807.18㎡(546.67坪)の売場で出店。

居抜きではあるが、内装を含め新店のような売場となっている。ただし、バックヤードの位置も含め、基本的にマルエツ時代の配置を引き継いだという。

壁面を生鮮、日配が囲み、内側に加工食品を配置するオーソドックスなレイアウト。550坪近い売場のため、ゴンドラには中通路を設けている

東側に徒歩数分の300mほどのところにはヤオコー立川若葉町店がある。直接の競合店といえそうだ。店舗面積460坪の中型店で、11年9月のオープンから間もなく10年を迎える。また、ヤオコーに関しては、北方面に約2kmのところには13年6月オープンのヤオコーの旗艦店クラスの東大和店もある。

また、南側にはいなげや本社があり、bloomingbloomyららぽーと立川立飛店など大型店を含むいなげやの店も周辺には多い。

それらを含む有力スーパーマーケットがひしめく中にあって、オーケーは「高品質・Everyday Low Price」のディスカウントスーパーマーケットという独自路線で、低価格を武器に存在感を発揮している。競合店もある程度価格を合わせざるを得ない状況にある。

大型店を除いて、主通路沿いに平台や平ケースを配置していない。青果でも壁面での大量陳列でボリューム感を打ち出している
刺身盛り合わせはつまを入れず、別売している
冷凍を生かしたマーチャンダイジングに長年注力してきた。刺身なども品揃え
干物を冷凍で販売する企業が増えてきたが、オーケーでは長年冷凍での販売をしてきた。取れた魚を冷凍し、冷凍の状態のまま販売する「ワンフローズン」の「旨い塩さば」などの核商品が育っている
ゴンドラエンド部分を一部平ケースにし、デジタルサイネージなども設置して売り込み商品を販売している。鮮魚では7月15日のオープン日は土用の丑の日に向けうなぎを販売。うなぎも基本的には冷凍がメイン
牛肉は国産は、A4以上の和牛のみ販売することにこだわっている
ラムは売上げが伸びていることから売場もしっかり確保。ニュージーランド産がメインだが、店によっては実験的にオーストラリア産も取り扱いが始まっている
特に鶏では産地パックが増えている。ローコストオペレーションに寄与する他、品質維持の面でも注目
在宅時間が増えて需要が高まっている冷凍の焼き鳥を6月から導入。原料を委託の工場に持ち込むなど独自に開発
インストアベーカリーではカレーとナンといった商品も展開
インストアベーカリーでは、昨年小麦粉が品薄になった際、原料の小麦粉を小分けして販売したところ好評だった。現在でも品揃えされるようになっている
本体価格で400円代~500円代のピザも核商品。立川若葉町店にはインストアベーカリーがあるが、設置できない小型店でもピザは展開する。補充されるとすぐ売れるほどの人気となっている
トレンドの代替ミルクも品揃え。常温販売可能な商品はあくまで常温で販売
冷凍食品の売場は平ケースとリーチインを配置する広大なもの。平ケースでは非食品を関連販売
冷凍食品では日清医療食品の「食宅便」シリーズをコーナー展開している
グロサリーではケース売りも多用

昨年からのコロナ禍では、ワンストップショッピングの強みが発揮されたことでスーパーマーケットは全般的に好業績となったが、中でもオーケーは21年3月期決算の既存店売上高前年比112.5%と、頭一つ抜けた好業績となった。その背景には15.69%という低い総経費率の水準と、それに基づく低価格がある。

全社的には8月1日から売場面積1930坪の大型店である港北店(横浜市都筑区)の2階で処方せんに対応する調剤薬局事業を開始。今後、導入店には調剤だけでなく、大型店ではクリニックも併設する予定もあるなどワンストップショッピング機能の強化を図っている。

6月にオープンした登戸店(川崎市多摩区)も至近に競合店を抱える中、駐車台数20台と少ないながらも駅前立地の強みと自転車、徒歩客を中心とした集客によって好調な売上げだという。

その意味では、オーケーのフォーマットの独自性は、その低価格とワンストップショッピング機能の強化を図りながら、競合店との差別化を図る上での大きな強みとなっていることが分かる。至近の競合店だけでなく、ある程度距離のある競合店にも影響は必至だ。

オーケー立川若葉町店概要

所在地/東京都立川市若葉町1-7-1若葉ケヤキモール1階

オープン日/2021年7月15日

営業時間/8時30分~21時30分

駐車場/300台

売場面積/1807.18㎡

お役立ち資料データ

  • 2024年上半期 注目店スタディ

    2024年上半期も注目新店がたくさん出ました。今回はその中から厳選した6店舗を独自の視点でピックアップしました。今回もいつものとおり、企業戦略、出店背景、商品政策(マーチャンダイジング)までを拾いながら記事にまとめました。豊富な写真と共にご覧いただければ幸いです。 注目企業の最新マーチャンダイジングの他、売場づくり、店舗運営など、いまのスーパーマーケットのトレンドも知ることができる一冊となっています。企業研究、店舗研究、商品研究の他、実際に店舗を訪問するときの参考資料としてご活用いただければ幸いです。 <掲載店舗一覧> ・ライフ/ソコラ所沢店 ・ヤオコー/武蔵浦和店 ・サミットストア/ららテラ…

  • 2023年 下半期 注目店スタディ

    2023年下半期注目のスーパーマーケット7店舗を独自の視点でピックアップし、企業戦略を踏まえた上で、出店の狙い、経緯、個別の商品政策(マーチャンダイジング)まで注目点を網羅。豊富な写真と共に詳しく解説しています。 注目企業における最新のマーチャンダイジングの取り組みや、厳しい経営環境と向き合うスーパーマーケットのトレンドを知ることができ、企業研究、店舗研究、商品研究などにご活用いただけるほか、店舗を訪問するときの参考資料としてもお勧めです。 <掲載店舗一覧> ・オーケー/銀座店 ・ヨークベニマル/仙台上杉店 ・ベイシア/Foods Park 津田沼ビート店 ・ヤオコー/松戸上本郷店 ・カスミ/…

  • 2023年 上半期 注目店スタディ

    2023年上半期注目のスーパーマーケット5店舗を独自の視点でピックアップし、企業戦略を踏まえた上で、出店の狙い、経緯、個別の商品政策(マーチャンダイジング)まで注目点を網羅。豊富な写真と共に詳しく解説しています。 注目企業における最新のマーチャンダイジングの取り組みや、厳しい経営環境と向き合うスーパーマーケットのトレンドを知ることができ、企業研究、店舗研究、商品研究などにご活用いただけるほか、店舗を訪問するときの参考資料としてもお勧めです。 <掲載店舗一覧> ・ ヤオコー/トナリエ宇都宮店 ・ サミットストア/川口青木店 ・ 原信/紫竹山店 ・ ライフセントラルスクエア/ららぽーと門真店 ・ …