代田 実

創風土パートナー。1983年ダイエー入社。青果売場担当として6年間店舗での勤務を経たのち、バイヤーとなる。関東、東北、北海道エリア担当バイヤーとして10年間青果の仕入れ業務に携わる。その後、マーチャンダイザーとして本社で商品開発、人事部で青果部門の人材育成を担当。2014年に両親の介護のため退職したのちは、介護の傍ら農産物産地、中間流通、小売向けの雑誌執筆、セミナー講師などを務め現在に至る。

  • 2024.07.08

    【盆商戦】対策2024 青果編 盆休みは長期予想、際物商品の売り切りに細心の注意を

    世界的インフレや気候温暖化、さらにはコロナ禍の影響もあって、近年の盆商戦の商品、販売状況は毎年大きく変化している。そのような中、まず昨年の盆商戦を振り返り、その上で今年の商品、販売環境を踏まえた、今年の盆商戦の方向性を考えていくことにしたい。 まずは、昨年の振り返りから。観測史上最も暑かった昨年の夏、盆期間直前には台風6号が迷走した上で九州に接近、さらには盆期間中に近畿地方に台風7号が上陸して本州を縦断、そのため日別の販売状況は地域、日別に大きく変化した。 一例として首都圏の店舗では13日に台風の影響で大雨となり、この日を境に盆前半は消費者の買い急ぎが起こり、売上げはおおむね昨年対比110%駄…

  • 2024.04.22

    GW直前! この提案は実施したい!! 青果編 重点管理すべき3日間とスイカ、サラダ商材の展開

    青果部門にとってゴールデンウィーク(GW)の商売はやっかいな存在だ。市場休市がつながり、数日分前もっての発注が必要となるのに加え、毎年曜日回り、天候が違うので売れ筋も変わる。 また、品切れしないよう多めの発注をして在庫商品を持ってしまうと、連休明けに相場が下がり評価損を出すこともある…。 このようにGWの青果商売は不確定要素が多く、計画販売しにくいのが実態だ。 そこでお勧めしたいのは、GW前に立てた売場計画をそのままにせず、ポイントを押さえた計画修正を繰り返し行うことで、余分な在庫を持たず最終着地する考え方だ。 発注担当者が特に注目すべき日は? 今年のGWは4月末と5月第1週の前後半に分けて考…

  • 2022.12.09

    どうする? 2023年の商品と売場 青果編|価格上昇は避けられず、販売方法、調達方法を見直すとき

    多くの食品が値上がりする中、相場商品である青果物は消費者感覚でも値上がりしたのか? していないのか分かりにくい品目だ。 青果物の価格は上がっているのか? 2022年10月消費者物価指数を見ると、食料全体で前年同月比6.2%と高い上昇が続く中、野菜6.7%、果物は1.2%の上昇だった。ところがこの1カ月前、9月の上昇率は野菜でマイナス6.7%と昨年より安くなっている。相場変動の大きい青果物の難しさがある。 そこで、青果物価格が実際はどのようになっているのかを確認するため、東京と卸売市場扱いの青果物kg単価の推移を見ていくことにしよう。 この東京都中央卸売市場扱いの青果物kg単価推移のグラフから分…

  • 2022.08.03

    特別寄稿 秋以降の原料高騰、コスト高対策 青果編 ①販売規格、②調達、販売方法、③付加価値の3本柱

    もともと相場商品である青果物は、昨今の世界的インフレの影響を受けているのかいないのか。いま1つ分かり難い部分もある。 しかし、肥料など農業資材や包装資材、輸送コストの値上がりの影響に加え、昨今の異常気象による入荷量減少により、足元の相場はジリジリと上がっているのが現実だ。 そこで今回は、青果物をとりまく原料高騰とコスト高要因を分析しつつ、それに対する販売現場の対策について考えることにする。 そもそも青果物はどれくらい値上がりしているのか? 前述の通り相場商品である青果物は、生産量と需要のバランスを取りつつ、常に価格が変動している。ところが、今年に入ってからは前述の理由から、確実に値上がり傾向が…