スーパーマーケットに娯楽性を、AI時代こそコミュニケーションが重要になる オール日本スーパーマーケット協会 田尻 一会長

2026.03.31

 オール日本スーパーマーケット協会(AJS)は国内正会員57社、海外正会員3社の計60社のスーパーマーケット(SM)企業などが加盟する協会である。1962年に前身となる「オール日本スーパー経営者協会」として設立され、「知恵の共同仕入れ」という独自の哲学の下、加盟企業の経営基盤の強化と人材育成、商品開発をサポートし続けてきた。

 「知恵の共同仕入れ」は、加盟企業同士が情報共有や相互研さんを通じて経営ノウハウを出し合い、それを「知」の財産として共有することで互いの質を高め合っていくことを意味し、それは「競合同士が互いのノウハウを共有する」という他業界ではまず見られない「文化」とでもいうべき存在として異彩を放っている。

 現在の会長は、2007年から16年まで、首都圏の有力チェーンであるサミットの社長を務め、15年にAJS会長に就任した田尻 一(たじり・はじめ)氏が務める。田尻会長に加盟企業の現状と共にSMの今後について展望を聞いた。

輸入に多くを頼る構造ゆえ、円安が大きな打撃に

 SM業界は、値上げの影響で売上が高まっている状況にあるが、一方で特に利益面では格差が見られる。

 「特に店舗数の少ない企業が非常に苦労しています。いま『値上げ』『値上げ』というけれど、メーカーは希望小売価格的なものを提示しますが、そこにはわれわれの人件費アップだったり、物流費アップだったり、水道光熱費アップ分は入っていない。だからわれわれが吸収するすべがないという形です。

 それにもかかわらず、時給を上げるといった部分もあって、店舗数の少ない企業が苦労していて、どこかに助けを求めているということが最近非常に多いですね。大手は割とその辺りは吸収しているけれども、経常利益は若干下がっていますよね。だから、売上が上がって利益が減っているというのが、いまの環境なのではないかと思います」

 AJSには田尻会長出身のサミットのような大手企業も加盟している一方で、地域に根差すローカル企業も多い。特に地方は人口減少の影響も大きく、マーケット的にはより厳しさを増している。加盟する中小規模の企業から「厳しい」という声は上がっているのだろうか。

 「声は大きいです。いまはやっているM&A(企業の合併、吸収)の対象になったり、あるいは後継者がいないので、将来的には廃業していこうと考えている企業など、いろいろいらっしゃいます。

 この厳しさの理由を考えると、やはり円安の影響が大きいと考えています。(昨今、エンゲル係数〈家計消費支出に占める食品の支出の割合〉の上昇が話題となっているが、)実はエンゲル係数が円の相場の動きとぴったり合っているんですよ。

 データを見ると、1980年のエンゲル係数は29%です。それが年々下がっていきましたが、2000年代に再び上がり始め、直近の2024年には28.3%まで来ていて、ちょうどU字のカーブになっています。為替の動きもこれにぴったり合っています(円安から円高になり、再度円安になっている)。やはり、輸入に頼っている日本としては、為替によってかなり価格が変わる。それでエンゲル係数とぴったり合っているという感じです。

 円の相場が、今後どうなるのかという部分が、われわれにとって大きな問題ですが、あまりそれについて語っている人はいません。(食品の)消費税をゼロにするといった話が出ていますが、相場が落ち着かない限り、幾ら消費税をゼロにしても、その分は、すぐ値上げの影響で、結果的に生活者にとって支払いの部分はほとんど変わりません。

 例えば消費税8%分減税になったとしても、いまの食品の値上げは8%どころではないですね。資材などは20%、30%の値上げ要請が来たりしているので、8%はあっという間に飲み込まれてしまうという感じです。

 いまの円安が食品の価格にかなり打撃を与えているのは事実です」

 一方で、価格は上がっていくが、その分、給料も上がっているため、消費が活性化していくという側面も指摘されている。

 「それは正しいとは思うのですが、それも円相場の関係だと思います。『失われた30年』(バブル崩壊後の日本経済の長期的低迷期)と言われている時代は、円も安定していたし、価格も安定していたので、あまり所得が増えなくてもそんなには気にならなかったと思います。いまは、所得が(遅行指標のため)抑えられてなかなか上がらずに物価が上がっているから、かなり意識が高まっていると思います」

 それではSMは今後、どのような方向に向かうのか。

 「これはあまり語られないことですが、1990年、これは『失われた30年』のある意味スタートの時期ですが、そのころの小売業の店舗数を調べると、2024年の店舗数はそれと比較すると約3.4倍になっているんです。90年のころはドラッグストアについては(存在感が大きくなかったため)統計には入っていないのですが、24年にはドラッグストアも入って来るし、CVS(コンビニ)は圧倒的に増えている。SMは約2.3倍、GMS(総合スーパー)と百貨店は減っています。それで店舗数としては約3.4倍です。

 一方で、売上で見ると1.58倍しか伸びていない。ということはパイの奪い合い、競合との戦いの時代になっている。それでどんどん商圏が狭くなっているんです。小商圏の中で、どう客数を伸ばすかという戦いになっているわけです。

 Z世代(主に90年代半ばから2010年代前半に生まれた世代)などの若者はSM離れをしているのではないかと感じられるデータを見る機会があります。それで、若者に対する施策を打つ企業も多くなっていますが、ディスカウンターは若者に人気があります。価格という概念が強い世代だということでしょう。

 価格もそうですが、それ以外のもの、サービスであったり、心地よさであったりそういったものを求める世代から、変わってきているなという気がします。世代、世代によって好みが変わってきているのでしょう。だから、どの世代をターゲットにして政策を打つかという部分があります。特に首都圏はそんな感じがします。

 一方で地方では過疎化がかなり進行しているので、どうすれば良いのかという話をいただいて、現場に行ってみるのですが、とにかく買物をするのにもかなりの距離で、首都圏とまるで違う。あとはやはり収入との関係もあり、(安い)価格が出てしまうと、そちらに行ってしまう。なかなか難しく、これといった答えが出しづらいのですが、やはり、ディスカウンターとの差別化を、どういう風に図っていくかという作戦しかないだろうなと思って、そういう提言をさせてもらっています。

 やはり、買物をする心地よさであったり、『この品質だけは他には負けない』ものであったりといったことが重要で、そうしたお客さまが欲しい良い商品を、値入れを落としてでも、品揃えしていく作戦で客数を増やすしかないだろうと。ディスカウンターと戦って価格で勝負しても負けますから。ある程度の価格は押さえられるとは思いますが、それ以上合わせることは難しい。

 ただ、見ているとディスカウンターもじわじわ値段が上がっています。そうは言いながらもディスカウンターも苦しいので、そこをどういう風に突いていくか。ディスカウンターにないものを狙っていく感じですね。

 高度成長期で、どんどん成長している時代から変わり、人口の増加が止まり、人口が減少していく中、店舗数だけがどんどん増えていくという状況の中では、何が必要かという議論です。そうするとやはり、特徴を持ったSMが支持を得ているというのが現実だと思います。だから競合対策は、自社の特徴を出すということが一番だと言っています」

パイの奪い合いの時代、ディスカウンターを含む競合店との差別化も難しい時代だが、やはりSMとしてはいかに自社の特徴を出すかが問われている

LSP以前の、むだな作業をしている企業も多い

 それはディスカウンターを含む競合店だけでなく、食品を強化するドラッグストアの対策にもなり得る。

 「私が前の会社(サミット)のときからずっと言い続けていることに、SMは『生鮮のウエイトを上げていくべきだ』ということがあります。私もここに来て(AJS会長として)ずっと言い続けていることもあって、加盟各社もだいぶ注力していると思いますが、その大きな要因はやはり利益率です。ドライグロサリーは、価格(を下げる形)で行かざるを得ないところがあるので、そうすると、先ほど言った人件費だとか、水道光熱費の上昇分をどこで吸収するかということが問われます。

 例えば、惣菜は100%プライベートブランド(PB)商品なので、そこでどう利益率を上げていくか。惣菜を含む生鮮の構成比を増やすことが利益率を守る1つの手段であると考え、50%以上の(売上高)構成比を狙おうというのが、前の会社のときに出した政策でした」

 サミットは田尻会長が社長を務めていた2011年に新MD(マーチャンダイジング)として生鮮と惣菜を強化したモデル店として成城店(東京・世田谷)をオープンした。この新MDはその後の改装のモデルとなり、さらにそれには現在、大きな売上の塊となっている生鮮各部門が手がける惣菜の取り組みや試食カウンターの「おためし下さい」を含むなど、現在のサミットのMDの方向性を大きく位置付けたものだった。

 「惣菜だけに特化したわけでなくて、一種のミールソリューション的な動きだとは思います。やはり、例えば青果物などは、良いものをどうやって安く仕入れられるか、そしてそこに対する価格をどういう風に考えるかといったことで、割と競合対策の商材になり得る部門で、キャベツの値段が幾らといった見方を結構、お客さまがするので、なかなか利益を取るのが難しい部門ではあります。

 それに対してどうやって工夫をしていくか。例えば、カットした野菜を品揃えしながら売上総利益率を確保するとか。いまやはり(お客が)手間ひまをかけないことが多いので、惣菜にしろ、鮮魚、精肉、青果、ベーカリーも入れて(売上高構成比)54%ぐらいになるようにして、グロサリー関係の利益が縮小していくのをカバーする。この作戦はいま皆さん、割とやられていると思います」

 生鮮の強化に加えて、他の分野について最近のSMのMDの方向性について思うところはあるのか。

 「どんどん雑貨の売場が縮小されていってしまっていることが気になります。ドラッグストアと戦う意志を見せていないんですよね。あきらめてしまっているから、『違うだろうな』とは思います。ワンストップショッピングのSMの後、わざわざドラッグストアに寄って台所用品を買ったりとか、そんな面倒なことはあまりしないと思うんです。

 (SMは)『家庭の中のワンストップショッピング』なので、やはり、ドラッグストアが安売りをしているようなラップなどの台所用品関係も、実はSMが得意としなくてはいけない分野なんですよね。そこを、あきらめてしまっているのが心配ですね」

 AJSが目指すべきものとして掲げる「地域一番店になる」という意味でも、ワンストップショッピングに寄与する生活関連の品揃えは重要になる。その意味では、差別化のための「生鮮や惣菜」を強化することに注力しているため、なかなか生活関連を強化する余裕がないこともあるかもしれない。

 「SMを見ていると、むだな作業をしている企業が割と多く感じます。そのむだな作業をどう店舗のオペレーションの中で排除していくか。そのことによって人件費率も下がるし、良い売場ができるのですが、その店舗オペレーションに関しては、実はAJSは得意としていて、メンバーが教えに行っています」

 田尻会長出身のサミットは、古くから作業に人時を割り当てるレイバースケジューリングプログラム(LSP)を構築し、進化させてきたことで有名だ。

 「現状はLSP以前の問題で、まだLSPにたどり着けないところが多いです。品出しなどの作業の仕方などを指導している段階ですが、そのことによってむだな人員配置を変更することがまだまだ必要だと思います。

 いま実は問い合わせが結構あるんです。それで、『それはなぜなのだろう』と思ったのですが、やはり『教育』なんです。教育を希望したいと。先ほどの店舗オペレーションだったり、店長の役割だったり、バイヤーの役割だったり、そういった部分に特化した勉強を結構やっています。

 私も『バイヤー塾』に自ら参加しています。みんな怖がっていますが(笑)。バイイングの基本を教えていますが、一番、彼らが困っているのは『商談』なんです。要は対取引先とどういう商談をすればよいのかといったものです。

 非常におもしろいと思ったのは、われわれの業界は現場に対するマニュアルは山ほどあるのですが、本部に対するマニュアルはほとんどない。特にバイヤーなどは『背中を見て覚える』といったことがいまだにあるので、基本的な取引先との対応だったり、こういう場合はどうすればよいのだろうみたいなことを体感してもらおうと。私もバイヤー歴が長かったので、バイヤーの話をするとみんな真剣に聞いてくれます。

 そういう意味での教育、オペレーション、人材の育成。これらにかなり要望が来ているので、その部分に対してわれわれも2026年、特化して行こうと考えています」

 特に小売業の場合、基本的に地域の1店から始まって店舗数を増やしてきた流れがあるため、なかなか組織的に教育機能を設ける機会がなかった企業も多いとみられる。

 「機会がないままということと、他との交流がないので情報が入って来ないということもあります。勉強会などをやると勉強会よりも、その後の懇親会の方が盛り上がったりします。それぞれ、『どうしているの』とメールを交換したり、電話番号を交換したりしながら、つながりを持つらしいです。そんなことがいま非常に求められているんだなと思います。だから、26年度のテーマとしては教育をやっていきます」

AJSには教育の面で大きな期待が寄せられている。情報発信を含め、「知恵の共同仕入れ」の哲学が生きる

PBへの追い風生かし、「くらし良好」を進化させる

 一方で、AJSでは、AJSと会員企業が株主となって設立したコプロを通じて、PB商品「くらし良好」の商品開発、供給や、ナショナルブランド(NB)商品の販促企画、用度品の開発、斡旋なども行っている。田尻会長は、コプロの社長も務める。

 「われわれはコプロの商品販売もあるので、教育については特化して行い、商品については『くらし良好』をもっともっと強くしていかなければいけない。その部分に加え、行政については3団体(AJSと日本スーパーマーケット協会、全国スーパーマーケット協会のSM業界の団体)で協調しているので、それをもっともっと強めていくことを26年はやっていこうとしています。

 行政の皆さまには、ぜひ流通現場の実務についても、より深くご理解をいただければと願っております。今回、消費税を2年間ゼロにするという案が出されましたが、正直なところ2年という期間では対応が非常に難しいのが実情です。2年という短期間ではコスト負担が重なりすぎてしまうという点は、なかなか行政の方々には伝わりにくいのかもしれません。せめて次の投資サイクルへ無理なく移行できるようにしていただけることに加えて、最低でも半年の準備期間を含めた配慮をいただければと思います。

 何より大変なのは、現場での値札貼り替えやPOPの変更といった膨大な作業です。これらを一瞬で切り替えるのは、想像以上に現場の負担が大きいのです。

 また、現在の物価高や為替の影響も無視できません。自給率が38%という状況で輸入品の価格が上がり続けていけば、せっかくの減税効果も薄れてしまう懸念があります。消費者の方々の負担を真に減らすためにも、より実効性のある、長期的な視点での議論を期待しています」

 その意味では、コプロとしても商品開発の環境は厳しくなっている。

 「ただ、実は値上げのときPBは強いんですよ。昔から経済事情によってPBの動きは変わるんですね。経済事情が良いときにはPBの売上は落ちるんです。ちょっと良いものを買いたいという消費者の動きがある。

 それで経済事情が悪くなると、1円でも安いものということでPBのウエイトが上がるんです。だから、経済事情と逆の波の動きになる。これは過去からずっとそうです。だから、最近この5年ぐらいは各社PBをお持ちの企業は、そちらにウエイトを傾けていますね」

 それでも、コプロとしても値上げは避けられないのでは。

 「値上げをせざるを得ないのは確かです。ただ、NBよりも3カ月や4カ月、遅れた値上げにしていきますので、その遅れている間の需要には応えることができます。

 一方で、商品開発が滞っている面はあります。要因は値上げに対するいろいろな作業に忙殺されてしまって、本来の業務ができていないのが実態ですね。値上げになってきたときに、例えば菓子などは量目を減らして価格を維持する動きが多いです。そうすると、それに対する作業がかなり発生します。新商品を作るのと同じようなものなんですよ。

 そちらに偏ってしまっていて、本来の新商品を開発していく時間が取れていないのが現実です。ちょっと出遅れていますが、だいぶ値上げも落ち着いて来つつありますので、26年は新商品の開発にもっと特化してこうという動きです。

 ただ、新商品と言っても、NBとPBの違いをやはり明確に出しやすいのは、中心的な商品です。その中心的な商品はあまり変化しないものです。だから、その辺りに対してどのようなアクションを起こしていくか。

 例えば、しょうゆなどは、昔は1.8ℓの一升瓶や1ℓが中心だったのですが、いまは200㎖、300㎖になっています。家庭の中でしょうゆを主とした調味料を使うことがなくなっている一方で、『この調味料1つで全部まかなえますよ』というものが増えていて、しょうゆの消費量がどんどん減っていっています。

 そういった商品の開発について、われわれは少し遅れている部分があるので、その類の商品、要は利便性に対してどういう風にPBを変化させていくかということが26年は必要になってくるだろうと思っています」

これからの小売業に求められる「娯楽性」と「コミュニケーション」

 AI(人工知能)の進化などもあって、小売業の姿は今後、変わってくるとみられる。小売業で働く人は、これからの小売業に対してどのような視座を持てば良いのか。

 「皆さんAIやロボットの話などをしますが、『人材』というよりも、『人の配置』の問題について、私は強く言っています。例えば、レジでの会計であったり、あるいは本部への提出物の書類であったりといったものは全てAIに置き換えられるんですよ。

 ただし、お客さまとの接点であったり、生鮮の商品の販売であったり、AIやロボットではなかなか難しい部分なので、そういった部分に人の配置の転換をしよう、するべきだという話をしています。

 やはり、これからSMとしてお客さまに支持されるのは、お客さまとのコミュニケーションだと思うんですよね。ただ、商品を並べて安く売っていれば良いという部分は、一時は経済事情の中で支持されて行くとは思うのですが、結果的にはやはり人ですから、人とのふれあいの部分を求めていく必要があると思います。

 そういった部分で、AIやロボットができる部分は全てそちらに振る。それ以外の部分に人を集中すると言っています。最終的には人とのコミュニケーションを現場でどうするかというところに集中しなさいという話をしているんです。

 前の会社(サミット)で試験的に私がスタートした『案内係』が、ほぼ全店に近い形で広がっています。私がいなくなったらやめるかなと思っていたら(笑)、どんどん逆に広がっていったりしている。やはり、そこで会話をしたり、案内をしたりという部分の利便性、コミュニケーションを求めているお客さまがずいぶん多いんだろうなと思います。

 そういう部分については逆に集中的に、AI以外の部分でスタートするという風にすべきだと思うんですよね。コストコなどで楽しそうに買物しているのを見ると、やはり、買物の楽しさを消費者は求めているんだろうなと思います。

 その楽しさ、娯楽性がSMにあまりないと思っていたので、そういう意味で『おためし下さい』や『案内係』で会話をできる場所を作ったんですね。だから、SMでどう娯楽性を提案できるか、あるいは演出できるかということが、大きなキーワードだと私は思っています。そういったところが今後、必要になって来る。

 だから、発注など機械でできるものは全部、AIに任せると。レジは相対した方が良いんですが、その代わりわれわれがいまやっているのはアテンダントと言って、セルフ精算レジ4台か5台に1人、必ず付けています。その人たちが、精算に困っている方や、精算が終わって帰る人に声がけをする、会話をする。それだけで安心感があるんですね。

 AIで幾ら変わっていっても、そういった安心感を与えるのは人間にしかできないことなので、そういった部分は、どんどんAIが導入されていっても、捨ててはいけない部分だと思います。だから、そこに関してはわれわれも教育の中で、コミュニケーションの重要性を提案しています」

 これからの小売業界は、コミュニケーションが肝になるということか。

 「とても重要だと思います。価格ではない(差別化の)部分として非常に重要になっていると思いますので、その辺りの教育をAJSでしっかりやっていくということが重要なんですね。それもあって、AJSの門を叩く企業が最近だいぶ増えているなという気がします。現場に沿っているのが、われわれの大きな特徴だと思いますね」

 特に自動販売機では代替できないSMのような小売業にとっては、コミュニケーションが非常に重要であり、逆にSMが生き残っていくためのキーワードにもなる。そしてAJSとして、それをしっかり教育していく。

 田尻会長が強調する教育の内容を聞いていると、まさにいまこそ、AJSが掲げる「知恵の共同仕入れ」の哲学が光を放つ時代になっていることを実感する。

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