近畿圏出店続くライフが阪神鳴尾店オープン、一番店目指す水産強化、在宅ニーズに向けてはサラダ、スイーツを強化

2022.04.21

2020.09.17

駅前の2階建ての建物の1階部分に出店。店前は駐輪場で、駐車場は屋上に設置

近畿圏の新規出店が続くライフコーポレーションが9月16日、兵庫県西宮市にライフ阪神鳴尾店をオープンした。全社276店、近畿圏156店目となる。ちなみに、5月オープンの西宮北口店(兵庫県西宮市)から約2.9㎞、8月オープンの夙川店(同)からは約4.5㎞の距離にあり、西宮店への3店連続出店となった。

阪神本線の鳴尾・武庫川女子大前駅前に立地し、線路を挟んで国道43号線の北側に位置している。鳴尾・武庫川女子大前駅周辺には教育施設が点在するため、通学で駅を利用する学生などの乗降客が多く、店舗周辺には戸建住宅の他、集合住宅などが混在している。

商圏内の年代別構成比では10~40代の構成比が高く、学生や高齢者の1人暮らしなど単身世帯が多くなっている。500m圏内では単身世帯が53.4%、1㎞圏内では43.2%となっており、県平均をそれぞれ20.7ポイント、10.5ポイント上回る。対して2人以上世帯は県平均を下回るなど、単身世帯が多い特徴的な商圏だ。

実際、2010年から15年の人口推移でみても、500m圏の人口が1.5%減に対して世帯数は2.5%増、1㎞圏でも人口が1.5%減に対して世帯数は1.8%増と、単身など少人数世帯が増加していることが分かる。

世帯数と人口では500m圏で5263世帯、9991人、1㎞圏では1万9898世帯、4万2638人と厚い(2015年国勢調査・1kmメッシュ集計情報に基づく)。

 一方、商圏北側には、戸建を中心に低層集合住宅が混在する閑静な住宅街が広がり、10 代前後の子供をもつ共働きの世帯も多く、ニューファミリー層にも人気の地域だという。

そうした商圏にあって、ライフコーポレーションとしては「幅広い世代」のお客のニーズに対応することで、「地域一番店」を目指す。特に新型コロナウイルスの影響で、買物の頻度が減る中、そうした中で「選ばれる店」になるためには商圏内での「地域一番店」になることが以前にも増して重要になっている。

阪神鳴尾店は、売場面積は1256㎡(約380坪)と小ぶりだが、周辺には約600mの距離のイトーヨーカドー甲子園店と約900mの距離のイオンスタイル甲子園の2店の大型店があるものの、それ以外は大きくても同規模の競合店に限られるため、その中でいかに存在感を高められるかが鍵になる。

農産側の出入り口。売場レイアウトは変則的で右手の惣菜側にも出入り口があり、写真右手にかけて「生鮮と惣菜の一体型の売場」となっている。左手からグロサリー売場が広がるが、売場奥の壁面には和洋日配と酒をまとめ、回遊を促している
こちらは惣菜側の出入り口からの店内。惣菜からスタートし、生鮮、グロサリー、日配と続く

社内競合では約1㎞の距離に売場面積約1065坪の大型店、浜甲子園店があり、ドミナント固めの一手にもなっている。

健康志向の高まりにサラダと弁当で応える

売場づくりでは、まず、水産売場を強化。神戸市場・明石近郊漁港から新鮮な生魚を仕入れ、「魚屋さんの雰囲気」あふれる対面の調理場で調理をしながら販売。

ポイントである「幅広い年代」に対応するため、対面調理場では、お客の要望に対応する他、小さな子供やシニア層にも安心して魚を食べてもらえるように切り身から骨を抜き取った「骨取り魚」を用意。また、家族での団らんのニーズに対応した手巻き寿司コーナーの刺し身サクや寿司だねのセットなどを打ち出す。

小ぶりの売場でも対面販売をしっかり設けるなど、水産売場に注力。「地域一番店」になるためにも鍵となる売場といえる
小さな子供やシニア層にも安心して魚を食べてもらえるように、切り身から骨を抜き取った「骨取り魚」を用意。「幅広い年代」対応を徹底

新型コロナウイルスの影響で在宅時間が長くなり、結果的に健康志向の高まりも指摘されていることから、サラダコーナーや素材にこだわった弁当を充実。「健康な食生活」をサポートする。

サラダに関しては生鮮各部門で品揃え。農産では、食べ切りサイズからファミリーパックまで、便利なカットサラダ、カット野菜といった定番的な商品をしっかり販売。一方で、水産では「真鯛のカルパッチョサラダ」「生サーモンのカプレーゼ風サラダ」といったサラダと一緒に刺し身を楽しむ商品を展開する他、畜産では肉の旨味と香りを楽しめる「北海道産ローストビーフ和風サラダ」といった部門の素材を生かした商品を打ち出す。

サラダ強化の一環として打ち出す洋風刺し身
畜産部門のサラダとして打ち出す店内加工の「北海道産ローストビーフ和風サラダ」。低温加熱西方による「肉の旨みと香り」をアピール

惣菜では店内で調理する「トマトとアボカドのサラダ」や野菜とたんぱく質、炭水化物を一緒に摂れる「パスタサラダ」といった「食事としてのサラダ」に注力するなど、各部門の特徴を生かした形の展開となっている。

弁当でも健康志向に対応した商品を投入。身体にやさしい雑穀米を使用したオリジナルのプレート弁当「1/2 日分の野菜が摂れる」シリーズなどを売り込む。

惣菜で強化する「1/2 日分の野菜が摂れる」シリーズ
中身をイラスト調に描いた掛け紙を使用した「手作り ミニのり弁当」(358円、本体価格)。女性を意識し、こうしたミニサイズの弁当も品揃え

一方で、単身世帯が多い商圏ということもあって、昼食や夕食需要に向け弁当の品揃えを強化。昼食、夕食時のピークに合わせて出来たての商品を展開する。

また、こちらも在宅時間の長時間化への対応として「自宅でカフェ気分を味わえるスイーツ」としてスイーツを充実。カットフルーツコーナーでは、季節ごとに旬のフルーツを使用し、華やかな売場を展開する他、インストアベーカリーの「小麦の郷」でも、素材を生かしたフルーツサンドを品揃え。また、小麦の郷ではその他、食事としても、デザートとしても利用できるスイーツ系の菓子パンやデニッシュの品揃えを拡大。

さらに日配売場の「ドルチェガーデン」コーナーでは、ケーキや老舗洋菓子店とコラボレーションしたシュークリームなど、本格的なスイーツを展開する。

農産部門のスイーツ、カットフルーツコーナー
インストアベーカリーの「小麦の郷」ではフルーツサンドを売り込む。インストアベーカリーのアイテム数は77、売上高構成比では2.9%と高い水準を見込む
売場奥にレイアウトされた日配の「ドルチェガーデン」コーナー。ケーキや老舗洋菓子店とコラボレーションしたシュークリームなど本格的なスイーツを展開

ライフ阪神鳴尾店概要

所在地/兵庫県西宮市里中町3-13-40

オープン日/2020年9月16日

建物構造/鉄骨造地上2階建て

売場面積/1256㎡

年間売上目標/17億円

店長/黒田大司

従業員数/78人(社員20人、パートナー58人)

駐車台数/49台

営業時間/9時~24時

お役立ち資料データ

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