無印良品が500円以下の日用品を中心に集めた新フォーマットの展開を開始、1号店を東京都三鷹市に出店

2022.09.30

良品計画は、税込価格で500円以下の日用品や消耗品を中心に集めた新フォーマットとなる「無印良品500」の出店を開始した。1号店として9月30日に「無印良品500アトレヴィ三鷹」をオープンした。

同社は、2021年9月より新中期経営計画をスタート。「誠実な品質と倫理的な意味を持ち、生活に欠かせない基本商品群、サービス群を、誰もが手に取りやすい価格にすること」を使命の1つとして掲げ、生活者の「日常生活の基本を支える」ことを目指している。

食品をはじめ、多くの生活必需品の価格高騰が続く中でも、品質の良い商品を手に取りやすい価格で提供し続けるため、1980年の無印良品スタート時から変わらず「素材の点検・工程の見直し・包装の簡略化」を行い続けている。

新フォーマットとなる「無印良品500」は、店舗で販売する商品のうち500円以下の日用品、消耗品が約7割を占める。販売商品は、生活必需品となる洗剤各種や掃除用品、キッチン用品、トイレットペーパーやキッチンペーパーなど紙類、歯ブラシや歯磨き粉などの洗面用品、化粧水、乳液などのスキンケア用品、シャンプーやコンディショナー(スキンケア用品やシャンプーなどについては販売価格が500円以上の商品も販売)、下着や靴下、ノートやペンなど文房具、スープやカレーなどの食品、クッキーなどの菓子。

来春以降はさらに500円以下の日用品のラインアップを拡大していくという。23年春夏シーズンは約100アイテムの新商品を販売する予定。1号店となる「無印良品500アトレヴィ三鷹」は500円以下の日用品を約2000アイテム、全体で約3000アイテムを販売する。

通常の無印良品と比べて売場面積をコンパクトとし、駅ナカや駅チカ、街中など、日常的に来店しやすい生活圏への出店を図る。まずは23年2月末までに都心部を中心に30店、その後年間20店のペースで出店を計画している。

ある価格ライン、もしくはそれ以下の商品を集めた業態には、日本の100円均一ショップ、あるいはアメリカのダラーストアなどがあり、バラエティストアと呼ばれるが、昨今のインフレ基調で100円や1ドルの商品だけの展開の難易度が上がっている。

価格帯を限定した業態は、価格を気にせず買物ができるというメリットがあり、支持を得ているが、実際には100円均一ショップやダラーストアでも、基準となる価格以上の商品を取り扱う動きも出てきている。

アメリカでは、5ドル以下の商品を主力とするFive Belowといった企業も台頭してきているが、今回の良品計画の動きはこうした価格帯限定のメリットを生かしつつ、主力の価格帯を500円以下にまで幅を持たせている点で戦略性が感じられる。

無印良品500アトレヴィ三鷹概要

所在地/東京都三鷹市下連雀3-46-1三鷹駅構内4F

営業時間/10時~21時

売場面積/55坪(181.82㎡)

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