ライフのナチュラルスーパーマーケット、首都圏1号店「ビオラル丸井吉祥寺店」がオープン
2022.04.12
2020.12.23
ライフコーポレーションは12月19日、JR線、京王線吉祥寺駅至近にある丸井吉祥寺店(東京都武蔵野市)の1階に、近畿圏で実験を重ねてきた新フォーマットの「ビオラル丸井吉祥寺店」をオープンした。
同フォーマット1号店の靭店(大阪市西区)は2016年6月にオープン。同年3月、至近に大型の阿波座店がオープンしたことに伴い、新フォーマットへの改装という形で、「素敵なナチュラルライフスタイルを通じて、心も体も健康で美しく豊かな毎日を過ごしてもらいたい」と願うスーパーマーケット(SM)として誕生した。フォーマット名の「ビオラル」はドイツ語の「BIOLOGISCH(有機の)」と英語「NATURAL(自然)」を組み合わせた造語だ。
「オーガニック・ローカル・ヘルシー」をコンセプトとした商品構成で、必ずしもオーガニック(有機)主体ということではないが、「オーガニック」を強く打ち出したフォーマットとして注目された。
2000年代に入り、米国のホールフーズの台頭に象徴されるように欧米ではオーガニック市場が急速に拡大してきた。その流れも受けての出店であったが、日本では生産からつながる供給体制の問題もあって、オーガニックの広がりは限定されていたといえる。
そのため、品揃えでオーガニックに注力する企業は一部専門企業を除き、大手企業ではイオングループぐらいであった。
その中で、自社競合上の差別化策とはいえSM最大手であるライフコーポレーションがこの分野に参入した意義は大きかった。
ただし、ライフコーポレーション自体も想定していたように、認知度の向上もあって毎年売上げは伸びていたものの赤字が続いていた。
新型コロナによって健康志向へのニーズが高まった?
その状況は、新型コロナウイルスの拡大によって大きく変わった。岩崎高治社長が、「お客さまの意識の変化があって、健康への感度が高まっている」と言うように、コロナ禍によって健康志向や安全・安心に対するニーズが大きく高まったようだ。その結果、靭店の上期の売上げは前年比137%と大幅な伸びを示し、初めて黒字化も達成した。
その流れを受けての今回の首都圏1号店出店ということで、ライフコーポレーションとしても期待がかかる。丸井吉祥寺店の成功が前提になるが、今後店舗展開を拡大していく意向で、すでにほぼ決まっている物件があるという。さらに、中期的にはビオラル事業を100億円程度の規模にしていきたいとも意気込む。
丸井吉祥寺店は売場面積82坪。百貨店内の「1コーナー」という趣きであり、約292坪あった靭店とは大きく異なる。そのため、商品構成も青果、鮮魚、精肉の生鮮3品をフルラインで取り扱った靭店とは異なり、生鮮は青果のみで、魚と肉はほぼ冷凍のみの品揃え。一方で、惣菜については店内加工を含め大々的に展開している。
取扱アイテム数は4000アイテム。内訳は食品3000、農産200、惣菜100、生活関連600、水産と畜産が合わせて100となっている。
吉祥寺駅近くの百貨店内への出店ということで、1㎞圏内の単身世帯比率は56.2%、2人世帯比率が21.9%と、全体の約8割が少人数世帯となっている。また、年齢別人口構成は30代が16.4%と最も高く、次いで70代以上が16.1%となっている。
フォーマット名とPB名を同期
ビオラルとして、店舗展開以外にも、すでに健康志向のお客の多い既存店約40店に「ビオラル」コーナーを設置している他、プライベートブランド(PB)の1ラインであった「ライフナチュラル」を「BIO-RAL(ビオラル)」にリニューアル。
専任の商品開発担当者を首都圏に4人、近畿圏に1人配置するなど開発体制の強化も図った結果、今回の丸井吉祥寺店のオープンに際しては、新たに約50アイテムを加えることができた。
この春からの動向として、イオングループのビオセボン・ジャポンが展開するオーガニック専門SMのビオセボンも好調を維持している。特に栽培に条件が課されるオーガニックに関しては、マーケットの拡大自体が販路を確かなものとし、生産の強化にもつながる。新型コロナを経て、日本におけるオーガニック消費が変わってきた。
ビオラルは、オーガニック「専門店」ではないが、こうした状況がビオラルの今後に与える影響も大きいといえる。
ビオラル丸井吉祥寺店概要
所在地/東京都武蔵野市吉祥寺南町171(丸井吉祥寺店1階)
オープン日/2020年12月19日
駐車台数/74台(丸井吉祥寺店共有)
営業時間/10時30分~20時
売場面積/82坪(272㎡)
店長/木村順姫
従業員数/17人(社員3人、パートナー14人)
世帯数・人口/0~0.5㎞圏5598世帯9339人、0.5~1㎞圏1万7183世帯3万1331人、0~1㎞圏2万2781世帯4万670人