サミットストア御徒町TAKEYA1店がオープン、多慶屋内にダイソーと共に出店、2層327坪で19.4億円目指す

2022.11.17

2022.11.16

サミットは11月16日、東京都台東区にサミットストア御徒町TAKEYA1店をオープンした。台東区への出店は初めてとなった。

総合ディスカウントストアの「多慶屋」を運営する多慶屋ホールディングスがリニューアルに際して開発した商業施設「TAKEYA1」への出店。

サミットの売場は地下1階と地下2階。総菜は地下1階、生鮮は地下2階だが、それぞれのバックヤードは同一フロアに設置している。他、地下3階にはデイリーの冷蔵庫、冷凍庫などがある。1階は共用の納品口、1~3階が多慶屋、4階がダイソー、5階が多慶屋本部といった構成

「多慶屋さんは御徒町を象徴する存在。サミットの店が多慶屋さんの下に入ることは何とも言えない不思議な感じがする。竣工式で竹谷(宗二)社長とお話したとき、『日常の食生活を賄う部分が少し弱いということで、スーパーマーケットに入ってもらうことが今回の建て替えの大きな目玉、それで多慶屋として全ての機能を賄える』ということだった。多慶屋さんは創業76周年ということだが、その長い歴史を誇る多慶屋さんのまさにラストワンピースを埋めることになる」(服部哲也社長)

オープンの朝礼は、地下1階の売場のほぼ真ん中にあるサービスカウンターから。従業員にメッセージを伝える服部哲也社長

東京メトロ日比谷線仲御徒町駅の3番出口から約0.1kmの徒歩約1分、あるいはJR御徒町駅から約0.2kmの徒歩2~4分に立地し、今回100円均一ショップのダイソーと共に出店。それぞれの店がお互いの強みを生かし、魅力を増すことで地域のお客から支持される店舗を目指すとしている。

今回、サミットの出店で、いままで品揃えのなかった鮮魚、総菜、ベーカリーなどが加わることで食品売場が充実した。輸入ブランド品や医薬品を扱う「TAKEYA3」、家電や家具を扱う「TAKEYA4」と共に集積の強みを生かす。

従来、サミットで行っているさまざまな活動についても、多慶屋と合同で取り組む他、多慶屋との連携でサミットの案内係がスマートフォンを携帯し、お客からの問い合わせに対して多慶屋と連携して対応するという。

また、外国人居住者が多く住んでいる地区である他、インバウンド需要も見込めることから、外国人への対応も強化。通訳機の「ポケトーク」を配置する他、レジ回り、売場のコーナー表記を日本語、英語、中国語の3か国語表記としている。

さらに買上した商品の配達サービス、多慶屋、ダイソーとの合同イベント、地域の学校との連携など地域とのつながりを重視した地元のお客に寄り添った店舗を目指す。

同店のオープンで、サミットの店数は東京都89店、神奈川県15店、埼玉県11店、千葉県6店の121店となった。

仲御徒町駅以外の地下鉄の駅も周囲に点在するなど交通アクセスが非常に良い立地。西側の湯島駅以西には急坂があるものの、それ以外のエリアは平坦で、徒歩、自転車での移動も容易だという。店舗西側の昭和通りは通行人の往来も多い。

0.5km商圏内の世帯数と人口は2020年の国勢調査では17年度比で世帯数が110.1%、人口が106.0%と大きく伸長。また、21年住民基本台帳では同圏内の年齢別人口比率では20代~30代の構成比がサミット平均より高い他、20年国勢調査では単身世帯の構成比が62.2%と、サミット平均の49.7%を大きく上回っているという。

生鮮総菜は素材売場ではなく、即食コーナーで展開する「小型店」対応

売場は2層の327坪の小型店となるが、年商目標は19.4億円と高い水準にある。2層の変則的な形の中で、オペレーションを回しつつ販売効率を高めるという高度なマネジメントが求められる。

売場は生鮮と和日配、グロサリーの調味料など素材系、ソフトドリンクは地下2階、総菜、ベーカリーなど即食や洋日配、酒は地下1階という構成。

和日配は地下2階
洋日配は地下1階
酒は地下1階
ソフトドリンクは地下2階

売場では、コンパクトながらインストア製造で差別化を図るサミットの最新マーチャンダイジングが極力展開されている。青果売場では、単身者が多い地域特性に合わせ、「少量」「カット済み」商品の品揃えを充実させている他、「農家さんから直送」のコーナー展開も実施。

また、青果売場は地下2階だが、生鮮総菜である店内加工の「フレッシュサラダ&カットフルーツ」は即食商品を集めた地下1 階で販売。

通常、大型店などでは生鮮総菜は生鮮売場に隣接してコーナー化し展開するが、「小型店」ならではの対応として即食を集積している。

鮮魚売場では、刺身の夕方の切りたて販売や少量の商品の品揃えを強化することに加え、平日と週末で売場づくりや品揃えを変え、魅力ある売場を目指す。また、近年需要が高まっているレンジアップ商品では店内製造商品を充実させるという。

生鮮魚については、魚体の大きな生鮮魚を品揃えし、鮮魚売場全体の魅力アップを図るなど、小型店であっても本格的な鮮魚売場を展開する。

鮮魚でも青果同様、鮮魚の総菜である店内製造の「焼魚・煮魚」は地下1階の即食商品の売場で展開。商圏内ではほぼ品揃えがないこともあって、差別化商品として昼と夕方のピークに合わせ、出来たての商品を品揃えする

精肉売場では「牛肉」の品揃えを拡大。「焼肉盛合せ」は用途に合わせ複数品揃えする他、焼肉用内臓肉や希少部位の品揃えも充実させる。また、鮮魚同様、店内製造のレンジアップ商品では新商品を4品導入。

こちらも青果、鮮魚同様、精肉の総菜である店内製造の「グリルキッチン」の商品は地下1階の即食商品売場で展開する。時間帯によって品揃えをおかず、あるいはつまみに変えることで魅力を高めるとともに、夕方まで出来たて商品を販売する。

家庭用品は多慶屋やダイソーの存在を考慮し、絞り込み

総菜売場では、駅周辺エリアで働く人の昼食需要に加え、帰宅時の買物に対応できるように曜日、時間帯によって品揃え、内容量を変化させることでニーズに応える。また、週末を中心に寿司や米飯ではハレメニューを品揃え。

また、単身者が多い地域特性に合わせ、少量の商品の品揃えを充実させる他、特に温総菜は夕方を中心に出来たて商品を販売。

生鮮売場で販売している原料を使った洋風の「冷蔵米飯」や「煮魚・焼魚」「グリルキッチン」コーナーの商品を盛り込んだ弁当、丼物、店内で製造する「レンジアップパスタ」なども展開する。

ベーカリー売場では「カレーパン」や「キッシュ」の4分の1カットなど、昼食需要に対応する「総菜パン」の品揃えを充実させる。また、支持の高い「ドーナツ」は8種類そろえ、夕方を中心に出来たて提供。

グロサリー売場では、限られた売場の中でニーズに応えるため、「多慶屋の品揃えを補完する」カテゴリーを充実させる。売場づくりは壁面を生かした展開で、視認性も高い。

また、サミットオリジナル商品やサミットでしか買えない商品を展開することで差別化を図る他、冷凍食品については同規模店より品揃えを増やし、魅力ある売場を実現する。

グロサリー同様、家庭用品については多慶屋やダイソーがあることもあって品揃えを絞り込み、同規模店舗で販売実績の良いナショナルブランド商品中心の品揃えとした。

セルフレジを10台導入している。売場面積が限られる中、レジのスペースを節約できる効果は大きい

アイテム数は8288、青果348、鮮魚310、精肉410、総菜300、加工3768、菓子694、デイリー1742、家庭用品654、ベーカリー62。

部門別売上高構成比計画は、青果16.2%、鮮魚9.1%、精肉13.4%、総菜15.2%、加工18.8%、菓子2.9%、デイリー18.1%、家庭用品13.1%、ベーカリー5.0%。

都市部の小型店らしく、総菜、ベーカリーはアイテムもしっかり展開し、売上高構成比でも合わせて20%超の計画となっている。

一方で素材でも、青果や精肉はしっかりと売り込む計画となっている。

サミットストア御徒町TAKEYA1店概要

所在地/東京都台東区台東4-12-1

建物構造/地上5階地下3階建て

売場面積/1080㎡(327坪)

バックヤード面積/881 ㎡(267坪)

駐車台数/46台

駐輪台数/168台

レジ台数/12台(セルフ精算レジ2台、セルフレジ10 台)

営業時間/9時~1時

年商目標/19.4億円

店長/三上達士

従業員数/77.9人(正社員23.5人、パートタイム・アルバイト社員54.4人、パートタイム・アルバイト社員は173時間/月=1人で計算)

商圏内世帯数(人口)/1次商圏(半径0.5km以内)6502世帯、1万122人、2次商圏(半径1.0km以内)2万9398世帯、4万7998人、3次商圏(半径1.5km以内)6万6323世帯、10万8556人

お役立ち資料データ

  • 2023年 下半期 注目店スタディ

    2023年下半期注目のスーパーマーケット7店舗を独自の視点でピックアップし、企業戦略を踏まえた上で、出店の狙い、経緯、個別の商品政策(マーチャンダイジング)まで注目点を網羅。豊富な写真と共に詳しく解説しています。 注目企業における最新のマーチャンダイジングの取り組みや、厳しい経営環境と向き合うスーパーマーケットのトレンドを知ることができ、企業研究、店舗研究、商品研究などにご活用いただけるほか、店舗を訪問するときの参考資料としてもお勧めです。 <掲載店舗一覧> ・オーケー/銀座店 ・ヨークベニマル/仙台上杉店 ・ベイシア/Foods Park 津田沼ビート店 ・ヤオコー/松戸上本郷店 ・カスミ/…

  • 2023年 上半期 注目店スタディ

    2023年上半期注目のスーパーマーケット5店舗を独自の視点でピックアップし、企業戦略を踏まえた上で、出店の狙い、経緯、個別の商品政策(マーチャンダイジング)まで注目点を網羅。豊富な写真と共に詳しく解説しています。 注目企業における最新のマーチャンダイジングの取り組みや、厳しい経営環境と向き合うスーパーマーケットのトレンドを知ることができ、企業研究、店舗研究、商品研究などにご活用いただけるほか、店舗を訪問するときの参考資料としてもお勧めです。 <掲載店舗一覧> ・ ヤオコー/トナリエ宇都宮店 ・ サミットストア/川口青木店 ・ 原信/紫竹山店 ・ ライフセントラルスクエア/ららぽーと門真店 ・ …

  • 有力チェーントップ10人が語る「ニューノーマル時代のスーパーマーケット経営論」

    有力スーパーマーケットチェーンの経営者10人にリテール総合研究所所長の竹下がインタビューを実施し、そのエッセンスをまとめています。 インタビューを通じ、日本を代表する有力トップマネジメントのリアルな考えを知ることができ、現在の経営課題の主要テーマを網羅する内容となっています。 変化する経営環境において、各トップマネジメントによる現状整理と方向性を改めて振り返ることは、これからの新しいスーパーマーケットの在り方形を模索する上でも業界にとって大変有用と考えます。 ぜひ、今後のスーパーマーケット業界を考える材料としてご活用ください。 ■掲載インタビュー一覧 ライフコーポレーション 岩崎高治社長 ヨー…