カフェ&ベーカリー併設という「新スタイル」で物販との相乗効果目指す北野エース

2022.04.12

2020.08.07

北野エースを展開するエースが、従来のグロサリーストアの枠組みを超え、カフェ&ベーカリーの展開に踏み込んだ。

6月17日、住友不動産が開業した大型商業施設の住友不動産ショッピングシティ有明ガーデン内にKITANO ACE有明ガーデン店をオープン。

売場面積は73坪で、24席を擁する「CAFE & BAKERY(カフェ&ベーカリー)」を初めて物販と併設して展開。レジはカフェ&ベーカリーのカウンターと物販で分けている。ベーカリーとドリンクの提供があるため、カウンターには常に2人ほど付けている。

店内焼成なし、仕入れのみで構成するベーカリー

今回、同社が手掛けるカフェ&ベーカリーの最大の特徴は、商品を店内で焼成せずに全て仕入れているということだ。そのまま販売する焼成済みのパンの他、ミニパンなどは焼成冷凍の状態で仕入れ、店内で自然解凍して、それぞればら販売している。

「グロサリー店に併設している、集客力のあるカフェ&ベーカリーを表現した」と坂本英剛・新規統括事業部新規プロジェクト企画部次長は言う。もともとショッピングセンター(SC)に出店している店のパン部門の売上高構成比が高いことから、パンが集客に寄与していると判断。

それもあって、その集客力をより強化するために、同じ仕入れであっても形を変えてカフェ&ベーカリーにすることで、集客力をさらに高めることを目指した。その上で、カフェ&ベーカリーの集客力を物販にもつなげていくというストーリーだ。

仕入れの強みを生かし、多岐にわたる取引先から商品を仕入れている。「物販と同じような考え方でおいしいものを集めてこようということでそろえているので、各社さまの商品を扱っている。それが集客につながればと考えている」(坂本次長)

カフェ&ベーカリーのアイテムは、ばら売りで約30種類、ミニパンで約20種類、以前から展開していた全国からのお取り寄せパンが日替わりと定番併せて10~20種類といったところ。

パンは約60種類。日替わりで築地・折峰、清澄白河・コトリパンも扱う。「今売れてます! HOT ITEM」のPOPは有明ガーデン店の用に新たに作ったもの

「既存の仕入先から範囲を広げて、いろいろなところとお取り組みをしながら、『店で焼成しない』カフェスペースを作っていきたいと考えている」(坂本次長)。もともと既存店のパン売場でもお取り寄せパンのニーズは高いという。

カフェ&ベーカリーではパンの他、ケーキも販売。「生チョコレート発祥の店」とされ、横浜市西区に本社があるシルスマリアのケーキを同社で初めて展開。これも冷凍の状態で仕入れ、解凍して販売している。シルスマリアのケーキは1日20~30個の販売を見込む。

カフェ&ベーカリーで提供するコーヒーは、静岡市葵区に本社を構えるコーヒー乃川島のこだわりのコーヒーを採用。同社には店内用だけでなく、物販用の商品も製造してもらっている。「店で飲んでおいしかったら家でも飲んでもらおうという考え」(坂本次長)で、つまり、カフェ&ベーカリーが「有料の試飲」という位置づけになっている。

同社の物販用のドリップコーヒーは今後、既存店にも導入を拡大していく意向。焙煎してすぐパック詰めするなど鮮度重視のこだわりのコーヒーで、「これをグロサリー店として、責任を持って、いっしょに商品化したことがポイント」(坂本次長)だという。

なお、営業時間はカフェ&ベーカリーは物販より30分短くしている。ラストオーダーは閉店30分前、つまり物販の閉店時間からみると1時間前ということになる。

また、カフェ&ベーカリーのスペースでは、7月12日から定期的にワークショップを開催。これまでも既存店で試食販売の延長の形でワークショップは実施していたが、今回は講師の価値に重点を置きながら、取り組みを深化させることで「店のブランドづくり」をしていく。メーカーなどに声掛けをしながらアイドルタイムなどを活用し、週2回ほど実施していく予定だ。無料のものの他、有料のワークショップも実施していく。

カフェ&ベーカリーは売上高構成比で15~20%を見込む。

ターゲットは30~40代のファミリー層とシニア層

有明ガーデン店は大型のSC内にあるが、エースとしては商圏をあくまで近隣の住民に設定。ターゲットは30~40代のファミリー層とシニア層になる。高所得者が多いといわれていることから、高品質の商材が売れると見込んでいる。

エースによると、2020年段階の有明エリアの人口は約1万4000人とされているが、22年にマンションなどが建つことで4万人になると見込まれている。

なお、物販のアイテム数はグロサリーが約700、菓子が約300、酒がワイン約300、和酒が約100、パンが約60で合計1500ほど。もともと面積が広くない上、カフェ&ベーカリーがあることから特にグロサリーは絞り込まれた。プライベートブランド(PB)は全ラインアップ800ほどのうち、約200アイテムを展開している。また、弁当や惣菜は販売しない。

物販で特徴的な商品としては、所得が高く、流行に敏感な女性をターゲットにコールドプレス製法で搾った果実を使ったワインを品揃え。自分用だけでなく手土産需要も見込む。

コールドプレス製法で搾った果実を使ったワインは色鮮やかで、黒っぽいワイン売場の中では一際、存在感を放っている(上段の商品)

また、レトルトカレーを販売する北野エース名物の「カレーなる本棚」で展開するカレーは約200種類。

カフェ&ベーカリーを併設している他、酒を強化しているため、客単価は通常の北野エースより高くなると見込んでいる。

KITANO ACE有明ガーデン店概要

所在地/東京都江東区有明2-1-8有明ガーデン2階

オープン日/6月17日

営業時間/10時~21時

売場面積/73坪

店長/阿部正晴

従業員数/正社員3人、パートタイマ―・アルバイト19人

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