生鮮市場TOP東久留米店がオープン、足元人口多い東京都内出店で足元+広域両にらみ

2026.01.05

マミーマートは2025年11月29日、生鮮市場TOP東久留米店を東京都東久留米市にオープンした。「生鮮市場TOP!」フォーマットとしては 全社37店目、同東京都3店目、全フォーマットを含む全社では 87店体制、同東京都5店目の出店となった。

東京西部に位置する東久留米市には初めての出店で、同業のスーパーマーケット跡地を、建物を活用した上で再開発した。バックヤードは使える部分は使ったが、一部組み換えなども行った。フリースタンディングだが、隣接した場所に飲食店があり、ショッピングセンターのような形となっている。

平屋建てのスーパーマーケット跡地に居抜き出店、建物は生かした

西武鉄道池袋線の清瀬駅から1.7kmと、鉄道駅からはやや距離がある一方、関越自動車道所沢ICから8.1km、県道15号野火止一丁目交差点から0.1kmに位置するなど車でのアクセスがしやすいこともあって、生鮮市場TOP!の特徴でもある広域からの集客を見込んでいる。

ただし、実際のところ、東久留米店の来店手段としては自転車が非常に多くになると想定しているという。駐車台数が226台と、それほど多くはないということもあるが、それ以上に商圏の密度が高いことが大きい。

「23区ではないが、東京ということで所得の高いところ、人口密度の高いところにはやはりチャンスがある。(生鮮市場TOP!が)掲げているコンセプト自体は商圏を広げて、車で来店というものだが、それとは少し違う狙いで出店している。密度が高い商圏で、足元でもしっかり売上げが作れるところだと思った。競合店も2、3km圏内のところではバラエティに富んでいる。こういうところの方が商売はしやすい。競合店を見てもやはり自転車が多い」(清水大輔・取締役執行役員TOP!事業部長)

そのため、生鮮市場TOP!ではあるものの、既存店と比べても客単価は低くなると想定している。「その分、客数でカバーできる」(清水事業部長)としている上、周辺は古くからの一戸建てや団地も多いことからファミリー層が多く、また、人口構成では高齢者の比率が若干高めだが、マンションを含め駅方面に向けて若年層も多いため、生鮮市場TOP!との相性も良い商圏といえよう。

周囲は平日の人流も多いことから、週末に加え、平日の商売についても重視していく。これは都内の既存店でも同様の傾向がみられ、自転車、徒歩での来店も多いという。

「料理好きが週に1度は通いたくなるお店」をコンセプトとし、フォーマットとして、「地域一番の圧倒的な価格と抜群の品揃えを追求し、お客様に選ばれる店舗」を目指すことで売上げを伸ばし、店舗数を拡大してきた生鮮市場TOP!だが、今回の東久留米店でもそのコンセプトを継承しつつ、さらなる進化を志向した最新のマーチャンダイジングが展開されている。

売場レイアウトは既存店同様、入口を基本的に1カ所にしたワンウエーコントロールを採用。売場先頭の青果では料理好きやプロの料理人も満足できる大容量のケース売りやまとめ売りを多用する他、品揃えにも注力。旬の野菜や果物、需要が高まるキノコ類に加え、海外の果物の品揃えも強化している。

プロもターゲットとなるため、基本的にケース売りなど販売の単位は大きく、その分、割安感を打ち出す
大き目のカットフルーツは生鮮市場TOP!の看板商品。タマリンドやリョウガン、ドラゴンフルーツやココナッツなど輸入果物もそろえている
輸入果物のドリアンなど、ポイント、ポイントとなる商品を大量陳列で売り込む。ドリアンは強い匂いがあるため、中見が見えるようにした上で、しっかりと包装している
ベーシック商品のバナナは、バナナハート(花)といっためずらしい商品も品揃えしている

主通路沿いに青果に続き、置く壁面と平ケースで大々的に展開される精肉は、生鮮市場TOP!としての核売場といえる。国産牛を1頭買いすることで希少部位まで取り扱いができる他、多様な商品化で売場のデスティネーション化を図る。特にラム、牛タン、さらに昨今は内臓系も含む味付け商品など、特定カテゴリーについては品揃えを広げて、「これを買うなら生鮮市場TOP!で」という想起を生み出そうとしていることが伝わってくる。

徐々にアイテムと売場を広げながらカテゴリーとして確立してきた「生ラム」。精肉ではスパイス、たれなどの関連販売を強化中で、スパイス、たれは今後開発にも踏み込む予定だという
ラムでも盛り合わせなど、独自性のある商品化で差別化ができている
ラムは「ヘルシーミート」としても訴求する
牛タンは一度も冷凍していない「生」を打ち出しながら2年ほどかけて商品力を強化してきた
牛タンの売れ筋は「一本切り盛り合わせ」だというが、独自性を高めることで3000円程度の単価でも売れ筋にできることが強みだ
生鮮市場TOP!は販売量が多いことから多段ケースより平ケース中心の展開となっていて、売場が平面的になりがちという宿命を抱えている。その問題に対し、丸型の立体的なトレーを活用することで、売場に立体感を出すように工夫している

商品も、さまざまな部位を訴求しながら商品化を分けたりしていて、お客が売場でじっくり選んでいる場面をよく見る。これは意図的なもので、売場を素通りすることなく、さまざまなところで立ち止まって、興味を持ってもらうことを狙っている。

希少部位をそろえ、アピールすることで、専門性の高い店であることが印象付けられる
業界全体で売上げが伸びているといわれる味付け商品については「牛」「豚」「鶏」と畜種ごとにコーナー化しながら展開
味付け商品ではファミリーターゲットの量目の大きなものも多い
味付け商品で強化中の「鶏」コーナー
味付け商品では、シマチョウなど内臓系の商品も強化中
「焼豚」を主力に、周辺商品を含めて精肉の温惣菜として即食商品を展開
こちらは冷蔵の即食商品の強化カテゴリー「肉屋のおつまみ」。プロセスセンターからの納品を中心に展開。ローストビーフやスライスしたハムなどの並びで展開

生鮮市場TOP!の場合、精肉は店内加工が多いが、昨今はプロセスセンターを活用したアウトパックも増えていて、比率として30%を超えるようになってきた。牛肉は基本的に店内切りだが、豚の一部、鶏の大部分、味付け商品はプロセスセンターで商品化するようになっている。

馬刺しは冷凍での展開だが、多様な部位をブロックで品揃えしている

精肉に続く鮮魚は即食商品である鮮魚寿司や海鮮丼のコーナーを拡大。鮮魚寿司はオープン日には28尺と、同社最大の規模で展開した。「いま、カテゴリーを1つずつ見直している中で、寿司を最大限、開店のときに広げて、どれぐらいの売上げに行くのかを見て、それで全体の尺数を考えていく。いま(既存店では)12~16尺が標準だが、20尺ぐらいあればもっと行けるといったことを試しているところ」(清水事業部長)

鮮魚の即食商品の寿司売場。海鮮丼から始まり、握り寿司、具の大きさを訴求する海鮮巻きと続く
海鮮丼では、握り寿司の10カンの売れ筋のたねを丼ぶりにしたというコンセプトの商品を売り込んでいた

一方で、寿司と並んで鮮魚の即食商品の代表的な存在である「刺身のスライス」については盛り合わせを品揃えしないなど極めて限定的な品揃えにとどめ、食べるときに何らかの加工が必要なサクを主体としている。サクでは特にマグロを大きくコーナー化。また、素材系の商品として、豊洲市場で買い付けした丸魚なども展開するが、対面販売などは実施せず、全てパック販売に特化。

寿司については売場や品揃えの拡充を図りながら製造面でも人時をかける半面、刺身や丸魚については徹底してディスカウント的なローコスト志向であるという「めりはり」は、生鮮市場TOP!の大きな特徴といえる。

形状的にインパクトのある「ブーメラン」も品揃えするマグロコーナー
刺身は「柵(サク)」主体に特化
丸魚も品揃えするが、全てパック売り

また、即食としても最も代表的な存在である惣菜についても、グループの惣菜と精肉の加工を手がける彩裕フーズのリソースを生かす形で店内加工を含め大きく展開している。各種 コンテストの受賞商品、専属パティシエ監修のスイーツなど、オリジナリティを打ち出す。

温惣菜は平台を活用し、平台ごとにカテゴリーを分けながら量販。惣菜は一度、SKUを絞り込みつつ売上げと作業効率を確認中
中華惣菜もギョーザやシューマイを主力に量販
500円前後でホールサイズが買えるピザは核商品に育っている。東久留米店では販売量が非常に多いオープン日の対応として一部の加工を工場でのアウト化したところ、欠品することなくしっかり商品が並んでいる状態が実現できた
専属パティシエ監修のスイーツは冷蔵ケースと常温で大きくコーナー化。主力カテゴリーとなっている
ベーカリーではクッキーやアップルパイなどの焼き菓子を充実させている

生鮮市場TOP!では、生鮮3品と惣菜の売上高構成比では6割程度が目安となるが、最近の店では6割を超える店が増えているという。惣菜と精肉が特に伸びをけん引しているが、特に惣菜が引っ張る構図になっている。生鮮食品が強いフォーマットであることから惣菜の売上高構成比も以前は1桁台だったが、最近では10%を超えることもある。

また、生鮮市場TOP!は北関東の栃木県宇都宮市や鹿沼市にも出店しているが、宇都宮や鹿沼では即食の寿司、惣菜の売上げ高めで、一方の東京は素材が強いといった傾向がみられる。

デスティネーションを明確化した特徴ある売場に進化してきているが、さらなる進化を目指すため、目下、各部門で9つずつ強化カテゴリーを設定し、商品、売場づくりに取り組んでいる。背景には、「一定のところが少し変わったぐらいではお客さまは気付かない」(清水事業部長)との思いがある。

強化カテゴリーは、例えば精肉ではラム、牛タン、シマチョウなど、鮮魚ではエビ、ブリ、カツオ、寿司の巻き物、丼などといったようにすでに特徴ある売場づくりができてきているものも多いが、現状にとどまることなく、「売場を変える」ことを目的に、あえて設定して取り組んでいるという。

また、生鮮では「旬」のある商品も含むが、あえてこれを年間で取り組む。「どうしても(旬には商品が)あったり、(そうではない時季には)なかったりだとバイヤーとしても言い訳ができてしまう。解凍も含めて、年間で売れるような仕入れをどうやってできるかが課題。お客さまはシーズンだけカツオを食べるわけではない。仕入れと連動して、年間でどうやって、そのカテゴリーが作れるか」(清水事業部長)

鮮魚の強化カテゴリーの1つであるエビ。現在、重点カテゴリーとして売場を模索し、数値を追いかけている
青果ではイチゴやブロッコリーなどを「鮮度」を重視した切り口で強化中。仕入れとオペレーションを連動させながら検証している

生鮮主体のため、グロサリーや日配、日用品は売場面積によって拡縮の対象となるが、東久留米店は売場が600坪を大きく超えていることから、一通り展開できたという。脇役のような位置づけの加工食品だが、売場づくりでは特徴もみられ、重要な役割を果たしている。

例えば、酒は高単価の商品も取り扱うなど、品揃えでデスティネーションアイテムを作り出している。以前は大容量の商品が主体だったが、希少酒の調達できるようになったこともあって、若年層や外国人のお客などの需要も見込んで品揃えするようにした。

特に洋酒において高単価の商品や希少酒を販売している
3Ⅾフルーツアイス。冷凍スイーツのカテゴリー強化の一環として品揃え。新規商品に積極的に挑戦する姿勢が表れている
生鮮市場TOP!では冷凍食品は、主通路最終の角に配置することが多いが、東久留米店の場合、売場がやや横長のため、主通路内側の加工食品のゴンドラが並ぶエリアに平ケースとリーチインケースで設置
日配でも、一部カテゴリーで目立つコーナー化を実施している。発酵食品として長年、注目されてきた甘酒売場
売場では一部、バンドル販売もみられる。客単価向上の効果も見込める
グロサリーでは、エンドなどでかご車ごと単品を販売することでエキサイトメントを作り出している。これらは賞味期限が長い商品で、売り切り前提のため、定番の投げ込み陳列とは異なり、基本的に日付管理が必要ないことが大きなポイント
常温の加工食品では、めずらしい商品を強調したスポット的な売場が設置され、お客が立ち止まっている光景をよく見かける。写真は「バウムクーヘン」売場
同様に常温の加工食品では、スポット商品として「超特価品」が並んでいたりして、目に留まる演出が多数みられる。ぞろ目の3桁売価はマミーマートでしばしば用いられている

これら生鮮、加工食品共にめりはりを付けた特徴あるマーチャンダイジングが独自の雰囲気を作り出し、それが生鮮市場TOP!の強さにもつながっているともいえるだろう。

レジについては、東久留米店は常設でセミセルフ5台、フルセルフ16台の陣容。ここのところフルセルフが主体になってきている。既存店での利用率でみても、基本的に5割以上、高い店では7割ほどがフルセルフを利用するようになっている。

清水大輔・取締役執行役員TOP!事業部長。「(現在の)生鮮市場TOP!の店の1店舗目が(19年11月30日に)オープンして丸6年。3年目ぐらいまではいろんなことを模索しながら新しいことをやってきたが、この1年は少しずつアイテムを削ったりといったことをしてきた。ベースをしっかり作って、それを少しずつ膨らませている」と語る

生鮮市場TOP東久留米店概要

所在地/東京都東久留米市幸町5-3-21

営業時間/9時~22時

駐車台数/226 台

売場面積/632.86坪(2092㎡)

店長/田原裕之

お役立ち資料データ

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