日本惣菜協会が惣菜製造業のDX化、ロボット化支援プロジェクトをスタート

2022.04.22

2021.12.13

一般社団法人日本惣菜協会は、ロボット革命・産業IoTイニシャティブ協議会において日本惣菜協会が幹事を務める「食品TC」のメンバーのFAプロダクツと共に、中小惣菜製造業の協調領域における共通課題の明確化、実現化に向けたシステム構想設計とシミュレーション分析を提供するプロジェクトの推進をスタートした。

独立行政法人中小企業基盤整備機構が進める「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ビジネスモデル構築型)」事業で、協会会員企業30社を対象に課題解決を支援。同事業にFAプロダクツが採択された。

同事業は、民間サービスとして継続的に中小企業のビジネスモデル構築や事業計画策定を支援する「拡張可能な先駆的プログラムの立ち上げ」を後押しすることで、中小企業が持続的に経営革新に取り組んでいける「イノベーション・エコシステム」の構築を目指す取り組み。

中小の惣菜製造業が、①革新性、②拡張性、③持続性を有するビジネスモデルを構築できることを目指し、協会会員企業30社を対象に共通課題を明確化し、中小企業を支援するプログラムの開発、提供を補助する。

中小企業や小規模事業者などが取り組む革新的サービス開発、試作品開発、生産プロセスの改善を行うための設備投資などを支援する。

最初の一歩のサポートと投資対効果の明確化

中小惣菜製造業では、市場環境の急激な変化や人手不足を中心に課題が山積している。自社だけでは解決策の構想や投資対効果の明確化が難しく、さらに投資対効果が十分期待できないことから投資に踏み切れず、経営革新が滞っている現状があるという。

例えば、課題として、「現場の課題を踏まえて中小惣菜製造業の課題を解決できるDX(デジタルトランスフォーメーション)、ロボット化実現支援先、支援プログラムが存在しない」といったものがある。

中小惣菜製造業は、大量生産から変種変量生産への変化、短納期への対応、価格競争、技術継承、脱炭素化に向けた取り組みなど多岐に渡る課題に直面しているが、その解決策として自動化やロボット導入、DX化が有効であると気付いてはいるものの、「適切な相談先が分からない」「何から着手して良いか分からない」「効果が不明瞭で投資判断ができない」という悩みを数多くの企業が抱えている。

また、市場環境の急激な変化に対応するためのロボット、デジタル技術活用の人材が不足しているという課題もある。

消費者ニーズの多様化に対応するため、1つの商品をさまざまな仕様で製造する「多品種少量生産」、新型コロナウイルス感染拡大や自然災害、貿易摩擦をはじめとする「世界の政策不確実性の高まり」など、変化が激しい時代で勝ち残るために必要なDX化、ロボット化を推進する人材の不足は深刻な状況となっている。

今回、その中小惣菜製造業のDX化、ロボット化実現における最初の一歩を構想設計とシミュレーション分析を核にしたプログラムの提供で支援する。また、「投資対効果」を明確にすることで、幅広い業種の企業における持続的な経営革新に寄与することを目指す。

特徴とプログラム内容

今回のプログラムの特徴は次のとおり。

①中小惣菜製造業でも導入可能な「シミュレーション支援プログラム」

・中小惣菜製造業がリスクなく導入でき、実施が早い

・支援企業側にエンジニア不要で、導入ハードルが低い

・幅広い知見が必要な技術領域を一気通貫でサポート

②地域等の制約なく幅広い中小企業で導入が可能

・導入地域等、制約はなく、あらゆる中小惣菜製造業の事業者に対応可能

・自動化(構想設計)や生産管理だけでなく、エネルギー管理や物流管理など、多項目に拡張可能

・事業計画の策定と組み合わせることで、中小惣菜製造業の自立を促進

③中小企業のものづくり現場の企業変革力を向上させ、直近の国家政策にも寄与

・令和2年7月17日閣議決定「成長戦略フォローアップ」

・経済産業省、厚生労働省、文部科学省「2020年版ものづくり白書概要」

④投資効果の最大化

・業界の共通課題に対して、多くの企業が使えるシステムを構築、共有化し、規模の経済でシステムの価格を低減させ、投資額を下げて投資効果を最大化する

また、支援プログラムの内容は次のとおり。

①実例を用いたワークショップ

本プロジェクトの概要説明とあわせ、「シミュレーション」を理解するための実例を用いたワークショップを実施し、DX・ロボットの理解を深め、DX 化・ロボット化実現による課題解決を自社に当てはめて理解する。

②リサーチ及び分析支援

ヒアリングとリサーチによって、「現場の自動化」「業務の効率化」等、業界の共通課題を明確化する。

③構想設計・シミュレーション分析

リサーチ・分析で決定した項目に対して、ベンチマークとして優先順位が高い項目の簡易構想設計(概算費用算出)とシミュレーション分析による効果検証を実施。投資対効果を明確化する。

④実現ロードマップ作成

分析結果と構想設計・シミュレーション結果を参考に、今後の生産戦略に関するロードマップ作成を支援。各社が目指す姿にあわせて、事業継続のために強化すべき工程、機能、体制などを策定。

21年12月1日現在の参加企業は次のとおり(五十音順)。

株式会社味の大和路/アステピア株式会社/イケウチ株式会社/株式会社今里食品/株式会社魚宗フーズ/株式会社太堀/沖食スイハン株式会社/角井食品株式会社/株式会社キヌヤ/株式会社クリタエイムデリカ/株式会社クリハラ/サトウ産業株式会社/株式会社三和製玉/株式会社ジャンボリア/株式会社セイブ/株式会社デリカスイト/株式会社はたなか/株式会社ひまわり食品/株式会社ヒライ/株式会社フードサポート四国/株式会社フルックス/株式会社マルハ物産/万星食品株式会社/株式会社みすずコーポレーション/株式会社ヤマザキ/株式会社吉田喜

お役立ち資料データ

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