アスクルが専門商材の重要属性項目の抽出にAIスコアリングを導入、ロングテール品拡大に伴って商品情報を充足
2022.04.22
2021.12.21
アスクルは事業所向け(BtoB)通販サービス「ASKUL」において、マクニカが提供する「重要属性スコアリングAI」の導入を開始した。
同サービスはAI(人工知能)を活用し、取扱商品の重要属性項目を抽出するもので、マクニカが提供するフルカスタマイズAIサービス「CrowdANALYTIX(クラウドアナリティクス)」の1つ。
AIを用いて対象商品の購入の決め手となる属性項目(「容量」「長さ」など)をウェブ上のデータとASKULサイトのデータ双方から取得、それぞれの重要度をスコアとして数値化して抽出する。
算出された重要度スコアに基づいて商品情報を収集し、商品特性に合わせた適切な情報をサイト上に掲載することで、より細かな検索が可能となり、これまでより選びやすく、購入しやすいサイトとなることを目指す。
ASKULのサイトでは、医療、介護や製造業などの業種向け専門商材を中心にロングテール品のアイテム数を拡大する一方で、お客からは購入時に必要な情報を適切にサイト掲載することが求められる。今回の導入によって、これまで困難であった専門商材の情報充足が実現し、より検索性が高く購入しやすい売場を実現できたとしている。
アスクルでは、医療・介護や製造業などを戦略業種と位置づけ、専門商材の拡大に注力。2021年5月期に発表した中期経営計画では、現在の商品アイテム数の2倍の1800万アイテムを品揃えすることを目標に掲げ、「ロングテール品まで揃うASKUL」を目指して日々アイテム数の拡大を行っている。
しかしながら品揃えを拡大する一方で、「医療」「工具」「研究開発」など専門性の高い商品カテゴリーに対して「購入判断に必要な属性項目が何か分からない」「どのようなワードで検索・購入されているかが把握できない」という課題を抱えていた。
そこで、AIを活用し属性項目の重要度を数値としてスコア化、抽出されたスコアをもとに商品特性に合致した適切な情報をそろえて商品を掲載することで、専門商材を選びやすく買いやすい売場づくりが実現できた。
ウェブ上とASKULサイト双方からAIでデータを抽出できる点が強み
「重要属性スコアリングAI」の特徴は、多岐に渡る専門商材に対し、それぞれの商品カテゴリー特性に適切な属性項目をウェブ上のデータとASKULサイトのデータの両方からAIで抽出できる点。
抽出された属性項目に基づいて情報を収集し、「容量」や「ブランド」などの項目で絞り込み検索などを行えるように、バリエーションやスペック検索を設定した上でサイト掲載することで、選びやすさや購入しやすさを向上。
例えば、実験や検査で使用される「マイクロピペット」の情報充足を行う際、従来は「マイクロピペット」について特性を調べ、どのような場面で使用されるのかなどを踏まえた情報を収集する必要があり、コストや工数がかかりすぎることが課題だった。
今回のサービスを活用すると、例えば「マイクロピペット」は、ウェブ上のデータの重要度スコア上位で抽出された「容量」「タイプ」「ブランド」などの基本情報に加え、「チャンネル数」(先の先端部分の数、4連のものなどもある)「オートクレーブ」(高圧蒸気滅菌器のことで、オートクレーブ対応か否かの項目)を情報として掲載すべきだということが判明した。
このように「重要属性スコアリングAI」の導入は、専門性の高い商材であっても、AIを用いて外部の情報を取得し、重要度スコア別に項目を抽出できることから、これまでと同じ時間でより多くのアイテム数の商品情報充足が可能となった。