TSUTAYAのセルフレジを解説|使い方やメリット、デメリットなどを解説
2022.04.22
2021.10.06
TSUTAYAは、2011年にはセルフレジをすでに166店舗に導入した実績を持つ。本記事では、TSUTAYAがいち早く導入したセルフレジに関して、セルフレジ自体のメリット・デメリットとともに紹介する。
TSUTAYAのセルフレジは「フルセルフレジ」タイプ
TSUTAYAが導入したセルフレジは、商品登録から精算までを利用客が行う「フルセルフレジ」である。
一般的にセルフレジというと、フルセルフレジを指すことが多い。商品などについているバーコードをレジに読み取らせると、画面に商品名と金額表示が出る。利用客は集計結果を確認し、精算を押して支払いをする。
フルセルフレジはイオングループが2004年に設置したのが最初で、現在スーパーマーケットやコンビニエンスストア、飲食店などに多く導入済みだ。その後は店舗スタッフが商品を登録、利用客が決済をする「セミセルフレジ」や、フルセルフレジでもバーコード読み取りが不要なRFIDタグを用いたタイプなども登場している。
TSUTAYAのセルフレジの使い方
TSUTAYAでセルフレジ利用する際、お会計スタートを押して操作をスタートする。
次に、セルフレジでは利用客がまずTカードを読み取らせて、レンタル品の場合は盗難防止用のロックを解除を行う。
レンタル商品のバーコードをスキャンを行う。
次の画面でレンタル泊数を選択する。
Tポイント利用の有無を選択する。
次に、支払い方法を選択して支払いを完了させる。
返却日は最後に出てきたレシートに書かれているので、レンタル商品とともにキャリングケースに入れると忘れずに済む。
TSUTAYAアプリなどの利用客は、スマホに届いたクーポンがあるとセルフレジの操作だけで使用可能である。溜まったTポイントを使って割引を受けることも可能だ。
TSUTAYAの公式ホームページでは利用客のために「セルフレジの使い方」を解説するページを用意し、動画でも利用方法を紹介。利用客が来店前に使い方をチェックし、スムーズに会計ができるよう配慮している。
TカードまたはモバイルTカードが利用可能
前述の通り、TSUTAYAのセルフレジではTカードまたはモバイルTカードが利用可能。最初に利用客が画面の「お会計スタート」を押すと、TカードかモバイルTカードの読み取りを促される。
Tカードの場合は専用端末に差し込んで読み取らせる。カード差し込みは途中で止めず、カードの頭が赤線以下になるように素早く入れるとエラーになりにくい。
またはスマホでモバイルTカードまたはおサイフケータイの読取画面を呼び出し、セルフレジのバーコードスキャナで読取画面のバーコードを読み取る仕組みだ。
利用できるTポイントがあると、支払い前に利用を促す画面が表示される。通常のTポイントと期間固定Tポイントを保有している場合は、期間固定Tポイントを優先して使うようになっている。
TポイントはTSUTAYAだけでなく、インターネット店舗や日本各地にある店舗のTポイント提携先でも貯められる。そして他企業が発行したポイントをTポイントに変更することも可能だ。
レンタル商品はロックを解除する必要あり
TSUTAYAのレンタル利用をセルフレジで会計するときは、利用客がレンタル商品の盗難防止用のロックを解除する必要がある。ロックを外さないまま会計を済ませ、店舗外へ出ようとすると警報が鳴ってしまう。
CDはセルフレジに備え付けの解除機にかざす、DVDは解除台に鍵を引っ掛け、手前に引くと解除可能。TSUTAYA店舗によってはセルフレジにロック解除を促す表示が出ないため、利用客が注意しなければならない。
支払い方法は現金やクレジットカード電子マネーなどから選べる
TSUTAYAのセルフレジは現金とクレジットカード、電子マネーから支払い方法を選択可能。利用客は希望する支払い方法を画面のボタンで選んでから支払う。
クレジットカード払いは10,000円まではサインレスのタッチ決済、10,001円からは暗証番号の入力だけで利用できる。電子マネーはTカード系のT-MONEYやiD、WAON、楽天Edy、交通系ICカード、QUICPayの6種が可能。クレジットカードや電子マネー支払いには、備え付けのカード読取機で対応しており、TSUTAYAの一部店舗ではクレジット機能付きのTカードでないとクレジット決済ができないことがある。
QRコードを使ったキャッシュレス支払いは、PayPay・LINE Payとメルペイ、QUOカードPayなどの6種に対応。これらの支払い方法の豊富さは、利用客の利便性を高めている。
セルフレジの導入で期待きでる効果とは?
セルフレジ導入によって期待できる効果として、レジの混雑の緩和と、店舗内のお客対応の時間確保などが挙げられる。セルフレジを導入することでノンコア業務よりもコア業務に重きを置く体制づくりが可能になり、作業効率と売上アップにもつながり得る。
また、フルセルフレジではスタッフに商品を見られることがないので、利用客がより気楽にレンタルを利用できるようになるメリットも考えられる。会計待ちの時間が減ることで、顧客満足度の上昇も見込める。
また、利用客はスタッフと一切接触せずに会計を済ませられ、スタッフが現金に触れる機会も減るので、衛生面での効果を期待できるのもメリットだ。
セルフレジでレジの混雑を緩和
例えば、店員が対応する有人のレジに加えて無人のセルフレジを導入することで、レジの台数を増やしてお客の混雑緩和が期待できる。
とくに繁忙時はレジ回転率が上げられ、より効果を実感しやすいだろう。レジの渋滞解消で周辺の密集状況が緩和され、顧客満足度の向上も期待できる。
有人レジの待ち時間が以前よりも減少し、混雑を回避できるため、有人のレジを利用する客にとっても、セルフレジの導入はメリットとなり得る。
レジの人員をお客の対応にまわしてサービス向上
セルフレジを導入することでスタッフがレジ対応にかける時間を削減。その分、店内での接客などコア業務への比重を高めることも可能になる。セルフレジに不慣れな利用客に対するフォロー、サポート人員は最低限必要だが、セルフレジを併用することで、より重要な業務への比重を高める効果を期待できる。
例えば、TSUTAYA店内に多数揃えられた商品からを利用客に案内するような業務は、ある程度の知識と対応力が求められるコア業務の一つ。スタッフがコア業務に注力できるようになると、店舗全体の生産性向上の効果が期待できる。
セルフレジ導入のデメリット
セルフレジの導入にはいくつかのデメリットもある。セルフレジを検討する際にはメリットだけを見るのではなく、デメリットをどう解決するかについても検討する必要がある。
店内にセルフレジの設置スペースが必要
セルフレジを設置するには、店舗内に設置スペースを確保する必要がある。セルフレジは飲食や小売などの業種により機能が最適化されており、各メーカーから多様なサイズが展開されている。自店に必要な機能を有しているだけではなく、設置スペースに収まるかどうかも考える必要がある。
一方で、フルセルフレジと有人レジとの切り替えが可能なタイプもあり、今あるレジとの入れ替えで済む場合もある。店舗スタッフが少ない時間帯は有人からセルフレジに切り替えるなど、臨機応変に対応可能だ。
導入コストがかかる
セルフレジの導入には数百万円のコストがかかり得る。一見するとセルフレジの導入で人件費が削減できると考えがちだが、一定程度リスクはある。
たとえば月20日、1日8時間勤務のアルバイトスタッフの人件費は年間200万ほど(令和3年度の東京都の最低賃金1,041円で試算)。セルフレジの導入費用は、短期的に見れば人件費の削減を大きく上回る。長期的にはセルフレジの導入後の方が全体的な費用が抑えられそうではあるが、ランニングコストとしてメンテナンス費用がかかることは把握しておくべきだ。
セルフレジに慣れるまでフォローが必要
フルセルフレジは、利用客が商品登録から清算までを行う必要があるため、有人レジに比べて手間が増える。利用客がカードやバーコードの読み取り、ボタン操作などに手間取ってしまうと、店舗スタッフのサポートが必要になるだろう。
フルセルフレジの導入後は、スタッフに利用客のフォローを求められる局面が増えると思われる。事前に業務フローの変更や、レジ対応の対策について考えておくとよいだろう。時間が経つにつれて利用客がセルフレジの操作に慣れてくれば、スタッフの手間は減っていく。
セルフレジとは別のセキュリティ対策が求められる
フルセルフレジは、レジでの操作を全て利用客が行う。そのため精算時に漏れや不正が起こらないよう、セキュリティ対策が必要だ。
たとえばセルフレジのある場所には監視カメラを付ける、店舗スタッフが一人になる時間を作らないなどの対策があるが、それには費用もかかる。スタッフは利用客の来店時には目を見てあいさつをする、積極的に声かけをする、セルフレジの周囲を巡回するなどの対策が考えられる。日頃からのスタッフへの防犯教育により、犯罪被害に遭う確率を減らすことも心掛けたい。
セルフレジの導入は今後も増えていく
セルフレジを導入することにより利用客の利便性が高まり、店舗運営の効率化も期待できる。セルフレジの導入は必ずしも人件費の削減には直結しない場合があるものの、より質の高い接客を提供できるようになって顧客満足度の向上や、さらには売上アップにつながることが期待される。