サミットストアパークシティ中野店が5月29日グランドオープン、中野駅至近の再開発商業施設核店として出店
2026.06.04
サミットは5月29日、東京都中野区にサミットストアパークシティ中野店をグランドオープンした。出店場所は三井不動産が手がける大型再開発「パークシティ中野」の商業、オフィス棟「中野M-SQUARE」1階。JR中央線、総武線の中野駅北口から徒歩圏内という駅至近立地で、区役所、大学、オフィスビルが集積する昼間人口の多いエリアへの出店となる。同社の店数は東京都93店を含む計126店となった。
パークシティ中野は商業、オフィス棟の中野M-SQUAREと合計807戸の分譲マンション2棟からなる3棟構成の大規模再開発。中野M-SQUAREの1、2階が商業区画で、サミットは1階の核テナントとして出店。3〜12階は就労者約3500人のオフィス区画で、こちらはすでに満床となっている。2階テナントにはノジマ、しゃぶ葉、すし銚子丸、ゴンチャなどが出店。
分譲マンションの中心価格帯は3LDKの約1億5000万円で、すでに2026年4月から入居が始まっている。28年度にはペデストリアンデッキで中野駅と施設2階が接続予定で、駅利用者の流入増が見込まれる。
今後も中野サンプラザ跡地の再開発(34年完成予定)、その北側の西地区再開発の48階建てで約1000戸が入居するタワーマンション(34年完成予定)、中野駅西口改札、橋上駅舎商業施設(アトレ、26年12月開業予定)、囲町西地区再開発(住宅約500戸、30年完成予定)など周辺の開発計画が相次ぐ。「10年後はまた今とは違う中野に」(同社)なる立地への出店だ。


商圏内の世帯数は、500m圏では約7700世帯と同社既存店平均よりはやや多いものの、店舗北側に公園、大学、区役所、警察署、病院、中野サンプラザ跡地があることから駅前立地としては少ないといえるレベル。一方で1km圏になると約4万3400世帯で同社既存店平均の約1.6倍まで高まる。
20代〜40代が多く、単身世帯比率は65.2%と同社平均の52.3%を大きく上回る。区役所の職員と近隣オフィスの就労者を合わせると約5000人に上る。岡田 崇・取締役常務執行役員MD本部長は、「(昼食のために)11時過ぎに買物に行くと聞いている。12時に行くと昼食難民になってしまう。13時ぐらいにずらすとコンビニなどの棚などは空っぽといったように、皆さんご苦労されている」という。
こうした昼食需要への対応は今回の出店にとっては大きな要素となった。また、近隣大学の学生数も頭数で約1万5000人いるため、飲料、日配のパン、菓子などの需要も見込む。
主な競合は売場面積約500坪ライフ中野駅前店と同約370坪のヨークフーズwithザ・ガーデン自由が丘中野店といえるが、両店と比べ特にアクセス面で劣るため、売場面積542坪と両店を上回る規模での品揃えの豊富さで対抗する。同社の2km圏内既存店4店とのドミナント強化という位置づけもある。
賃借面積は801坪で、売場面積は542坪確保した。年商目標は初年度30億2000万円、日商約830万円、坪当たり年間の販売効率で約557万円と高いレベルを想定する。服部哲也社長が「サミットはいろいろな形のお店をこなしてきたが、このお店は過去一番、なかなかにこなしづらい形」と表現するこの横長でかつ変形の区画に対し、バックヤードを両側に配置し売場を中央に集約するなど工夫をした。

その上で、駅側の入口(売場レイアウト図右側)をメインとし、青果、総菜、インストアベーカリー売場を先頭に配置。カットサラダ、総菜、ベーカリーの作業場を開口させてライブ感、ワクワク感を高める。横幅が長い形状のため、売場が単調になるのを避けるために売場中央に品揃え豊富な酒売場を配置した他、最終コーナーにはデジタルサイネージを設置することで動きのある販促を実施していく。




また、売場が横長のため、メインの入口と反対側の売場奥にまでお客を誘導する目的、また、バックヤードがその先にあるということもあって補充頻度も高く、購入数も多い精肉、卵、和洋デイリーを売場奥側に配置した。さらに冷凍食品も売場奥の配置としている。「デイリーはいままで和洋で分けて配置していたものを全て今回は奥に配置した」(岡田本部長)




アイテム数は1万1390。売上高構成比計画は青果15.1%、鮮魚8.5%、精肉12.8%、総菜12.1%、加工(食品)21.3%、菓子5.1%、デイリー18.0%、家庭用品2.6%、ベーカリー4.5%となっている。
総菜、ベーカリーで他店から製造商品を移管するサテライトキッチン体制を構築
前述の大きな昼食需要に対応する上で、総菜は非常に大きな役割を果たす。売上高構成比12.1%は最近の店では特別に高い数値ではないが、アイテム数の430はここのところの新店の中でも一際多くなっている。昼食需要も視野にアジアン、エスニック、洋風メニュー、具だくさん手作りおにぎり、店内手作りのり弁当、スープセット、炊き込みご飯、ロール寿司、レンジアップおかずなど品揃えを拡充した。





さらに今回、昼食時間帯の製造量を補うため、近隣の東中野店(東京・中野)、中野南台店(同)で製造した商品をネットスーパーの配達網を活用することで移管し、特に昼食時間帯の陳列量を通常比120〜200%にまで引き上げるサテライトキッチン体制を構築。
「建築コストが上がっていたり、賃料が上がっていたりする中、売場面積を一定以上確保しながら、かつ人件費も高騰している中でマンアワー(人時)を最適化していくことを、単店の中だけで考えるのが非常に難しいと思っている。ゆえに会社全体のリソースをうまく使いながらどのように資本効率を上げていくのかということにトライしているが、その一部を今回、この店でも取り入れた」(岡田本部長)
すでに一部他店でも実施している取り組みだが、商品の移管に際しては店間での完成品の仕入れといった形ではなく、あくまで商品の原価のみ移管先の店に振り替える形のため、製造して供給する店にとっては「他店の売上げのために人時を投入する」ことになる。
しかしながら、実際には「払い出し店(商品を製造する店)が、『なぜ、他の店の商品を出さないといけないのか』となるのかなと思っていたら、逆に『自分たちが作ったものが、そこのお店のお客さまに喜んでもらえるんだったらがんがんやります』といったような雰囲気になって、なおかつ払い出し店の生産性、人時売上高が高まるという現象が起きている」(服部社長)という。
サミットではこれまでも店内加工のセット物など、部門間をまたいだ製造において他部門の売上げのために人時を投入する運営を当たり前のようにこなしてきた。その背景には「店」を1つの「製品」、あるいは「商品」と捉え、それを磨き込むことこそが重要との考えがある。部門の最適化ではなく、店の最適化こそが目的というわけだ。その意味では、サテライトキッチン体制はそれを店内から店外にまで拡大したものとみなすことができる。
「横断してやることに対して抵抗がなくなってきているので、それでは今度はいよいよ部門の壁だけでなく、お店の壁をそのまま超えてみようということ」(岡田本部長)
実際のところ、店内の連携ですら部門の壁があって、多くの企業にとってその実現の難易度が高いことは確かだろう。服部社長は、「最近、社内では『これからの組織は権力ではなく、信頼によってしか成立しない』という(ピーター・)ドラッカーの言葉を引いて、だからお互いを知り合って、信じ合って、協力し合って役割分担してやっていくチームでやっていこうぜという話をしている」と語るが、まさに組織に対する「信頼」があってこそ、可能な運用であることは間違いない。
総菜と同様、昼食需要にも大きな役割を担うインストアベーカリー「ダン・ブラウン」は92アイテムの展開。売上高構成比で4.5%という非常に高い数値を計画する。近年人気の雑穀パンをコーナー化し、サンドイッチを充実させた他、「手作りりんごパイ」に加え「ごろごろ手作りブルーベリーパイ」などパイ各種も展開。製造量補完のためこちらも東中野店からの移管体制も整備した。




また、売場レイアウトとして、ベーカリー奥の総菜売場の柱周りを活用し、シリアルバーの他、デイリーのパンでも豆粉パンのZENB BREAD、栄養に配慮したBASE BREADなどこだわりの商品を短時間で昼食を済ませたいニーズに向けて展開。当該部門の売場との多カ所陳列としている。





総菜と共に売場の顔となる青果は、最近の新店の中ではやや絞り込んだ384アイテムの展開。入口先頭に総菜との並列の形のダブルコンコースだが、15.1%の売上高構成比計画は全社平均を上回る「量販型」の売場だ。
同社最大級のフレッシュサラダ&カットフルーツ、インストアデザートを展開し、焼き芋を含め常時40〜45SKUを常時品揃えする。主食にもなるサイズのサラダボウルから個食サラダまでサイズを幅広くそろえ、また、カットフルーツや杏仁豆腐、アサイーヨーグルトをベースとしたデザートにも旬のフルーツを使用。青果物が持つ季節の魅力を時季に応じた即食商品に生かしていく。

果実売場を拡大した他、「農家さんから直送!」コーナーは「主役になる野菜」と位置付ける。さらにナッツ・ドライフルーツのバイキング形式展開なども実施。


鮮魚は豊洲市場からの仕入れと併せ、産地直送便を積極活用し、朝水揚げした生鮮魚を新幹線で輸送するサービス、市場イベントの定期企画、各地の漁港から仕入れるオンライン市場なども活用し、鮮度の良い生鮮魚を少量多品種で品揃え。部門全体では350アイテムの展開で8.5%の売上高構成比を計画する。
丸物も平冷蔵ケース下氷裸販売しながら鮮度感を演出する。生本マグロを先頭に据えた刺身売場を展開する他、サミットオリジナル自家製漬け魚や生鮮素材を使ったレンジアップ商品も投入した。




精肉はここのところの新店では最多となる586アイテムをそろえる。売上高構成比も全社平均を上回る12.8%を計画する。調理の手間を省き、仕事や育児で忙しい時にも時間を節約できるよう、簡便、半調理品の品揃えを充実させた。
フライパンで焼くだけの味付け肉は、毎日食べても飽きのこないやさしい味のしょうが焼き、みそ焼や、バーベキューソース、バタ―カレーソースなど世界各国のさまざまな味付けの商品を拡充。

生肉ではうま味の強い銘柄豚「穀うま豚」や、弾力があり風味豊かな地鶏「さつま若しゃも」を導入。東中野店でも銘柄の畜種が非常に売れているということから強化した。その他、改めて「焼肉」売場を強化した。


グロサリー売場では、新商品やトレンドを捉えた商品、特徴ある商品をコトPOPや試食提供などでアピールする。アジア系メニューの食材や輸入菓子、お茶、コーヒー、酒などし好品も品揃えに注力。酒売場では、「毎月変わるおすすめ商品」もコーナー化し、知識がない人でも楽しんで選べる売場を展開していく。


服部社長は改めて今回のパークシティ中野店について、「どういうことが起きていくのが、なかなか予測しづらい」という。特殊な立地のため、まずは大きいとみられる昼食需要がどのようになっていくのか、何がどのように売れていくのか、レジの状況はどうかといったことに加え、今後、再開発が進む中で人の流れ、買物行動、意識も変わっていく。
「街が変わっていくのに合わせて、自分たちも変えていかないといけない」(服部社長)。出店立地を「10年後はまた今とは違う中野に」と表現したことからは、まさに自分たち、店も変わらなければいけないという覚悟が伝わってくるようだ。
サミットでは今回のパークシティ中野店のオープンに合わせ、新ブランドスローガン「いっしょにワクワク 生きるを楽しく!」を発表した。これは25年度から社内プロジェクトを形成し、サミットのブランディング構築について検討を重ねてきた結果でもある。

「スーパーマーケット」ではなく、いかに「サミット」の固有名詞で呼んでもらうことが重要と考え、競争環境が変化する中、現在の中期経営計画が今期に最終年度を迎え、来期から次期中期経営計画が始まることへ備えという意味でもこのタイミングでの発表となった。
ブランドスローガンはお客、取引先、そして社員との共感性にもとにした「信頼」をベースとし、これまでの「実体験」に基づく「共感価値」を表したものになっているという。作成に当たっては案内係からの報告書、お客に対するアンケート、社員の声なども反映させた。
また、視覚的にも認識しやすくするために、これまで50年以上使い続けてきた若葉のロゴマークの3本のストライプの意味について従来は「食品」「家庭用品」「衣料」の流通を表現していたものを、「お客様」「お取引先」「社員」という「人」として再解釈。人が連なり、地域で育ち、繁栄していくという意味合いを持たせた。エコバッグや紙袋、ラッピングツールやストアデザインもこれに沿って刷新した。




サミットストアパークシティ中野店概要
所在地/東京都中野区中野4-14-1
グランドオープン日/2026年5月29日(プレオープン5月28日)
営業時間/9時30分〜23時
駐車台数/56台(施設共用)
駐輪台数/246台(施設共用)
建物構造/地上12階地下2階建て
賃借面積/2647㎡(801坪)
売場面積/1792㎡(542坪)
バックヤード面積/855㎡(259坪)
店長/山村 渡
従業員数/123.5人(レギュラータイム社員27.5人、パートタイマー96.0人、パートタイマーは173時間/月=1人で計算)
年商目標/30.2億円 商圏内世帯数(人口)/1次商圏(半径0.5km以内)7723世帯(1万1795人)、2次商圏(半径1.0km以内)4万3378世帯(6万5790人)、3次商圏(半径1.5km以内)10万622世帯(15万2860人)









