ヤオコーまるひろ入間SC店が10月9日オープン、丸広百貨店内3店目、年齢層高めの商圏受け、ミドルシニアに照準
2026.10.13
ヤオコーは10月9日、埼玉県入間市にまるひろ入間SC店をオープンした。丸広百貨店がまるひろ入間店を7月にいったん閉店し、「まるひろ入間SC」へと転換した施設の地下1階。ヤオコーが丸広百貨店の館に出店するのは、まるひろ南浦和店、まるひろ上尾SC店に続き3店目となる。ヤオコーとしては今回の出店で入間市は3店体制、全社では207店、埼玉県は108店と、過半を占める。
まるひろ入間SCは、地下1階にヤオコーとクリーニング、1階に武蔵野銀行、3階に丸広百貨店の小型フォーマットの「まるひろmini」や衣料、服飾の専門店、4階に100円均一店のSeria、5階に家電専門店のNojima、6階に書籍やリユースのKOMEHYOなどが入る構成。2階は改装中となっている。駐車場は800台で、併設の立体駐車場へは店舗の東西を通るどちらの道路からも入場できる。

立地は西武池袋線入間市駅から約0.6km、徒歩約10分、稲荷山公園駅から約1.3km、徒歩約25分と、鉄道駅からはやや離れているが、店舗周辺はバス便が充実していることから南側には戸建てや共同住宅、駅周辺には中、高層マンションが多い。ヤオコーとしては十分な駐車場を背景として車客に加え徒歩、自転車、バスでの来店も見込む。
出店の目的は入間市から狭山市にかけての既存商圏におけるドミナントの強化だ。最寄りの自社店は狭山店(埼玉県狭山市)で、直線距離で北東方向に約2.2km、同じ入間市にある入間仏子店が西方向に約2.7km、入間下藤沢店が南東方向に約2.9kmといった位置関係にある。市の中心部に店を構えることで、エリア内のシェアを固める狙いがある。
商圏人口は半径1km圏で約2万5000人(約1万3000世帯)、2km圏で約7万2000人(約3万5000世帯)、3km圏で約13万4000人(約6万5000世帯)。1km圏の年齢構成は50歳代が最も多く、次いで70歳代が多いという。60歳以上の構成比は埼玉県平均を3.5%ポイント上回るなど周辺の年齢層は高め。
世帯構成では単身世帯が33.5%、2人世帯が32.9%で、両者を合わせると66.4%に達するなど少人数世帯がメイン。1km圏の人口は減少傾向にある一方、世帯数は増加しているという。2km圏、3km圏になると2人世帯が中心となる傾向にある。
こうした商圏特性を受け、ヤオコーとしてはメインターゲットには50歳以上のミドルシニア層を据えた。子育てを終えて比較的自由が利き、生活にゆとりのある夫婦2人世帯で、食べる量は減っても「少量でもおいしいものを食べたい」というペルソナを想定する。健康を意識し始める年代でもあることから「健康」「美容」をキーワードに掲げた。
次いで、小中学生の子どもがいる40〜49歳のヤングファミリー層の3〜4人世帯を想定。普段はむだな出費を抑えつつ、週末やハレの日には買物や食事を楽しみたいといった顧客像だ。
その上で、今回のストアコンセプトを「『輝く商品と笑顔』で感動の食生活を届けられるお店」に設定。ヤオコーの売場面積は616.77坪で、初年度の年商は22億円を計画する。いわゆる「デパ地下」であるが、郊外という事情もあってやや控え目な印象ではある。売上高構成比見込みは生鮮35%、グロッサリー48%、デリカ17%。


SKU数は生鮮780、グロッサリー1万4450、デリカ360の合計1万5590。百貨店内への出店であることから、ヤオコーが出店する以前の利用客に多かったギフト需要や、やや高価格帯の購買を意識した品揃えも加えた。
マーチャンダイジングでは、精肉は、通常のヤオコーでは焼肉がメインとなるところ、商圏の年齢層が高いことを踏まえて「しゃぶしゃぶ」を主力に据えた。切りたての鮮度を追求し、国産豚を中心に和牛からアソートまで品揃えする。

ただし、焼肉もそれに続く重点カテゴリーと位置付け、部位の特性に合わせた厚切りで付加価値を高める。平日は食べやすいスティックカット、週末は盛り合わせといったように、曜日によって提案を切り替える。

即食需要に向けてはローストビーフの「のっけ盛り」を重点販売する他、ヤングファミリー層向けの大容量パックも用意した。気温が下がり始めた時季に合わせ、個食の鍋セットも充実させている。


鮮魚は、近海魚丸物の売場をオープンキッチン前ではなく、その1本手前の通路上の平ケースでの展開とした。オープンキッチン前は即食需要の商品を中心とし、サク、切り身、盛り合わせなどを、用途別を意識した陳列で展開。9月オープンの八王子中野上町店(東京都八王子市)でこれまで多段ケースで塩干を展開してきた壁面について平ケースとし、刺身を展開したが、その流れの一環で、壁面を平ケース主体とした上で、切り身や刺身など日々の商品を売り込んでいく方向性の一環だという。半面、生の商品を強化する中で生鮮の冷凍については売場を絞り込んだ。


オープン日は丸物はキンメダイの他、毛ガニ、ズワイガニを1000円(本体価格、以下同)で打ち出した。対面販売では、鮮魚部門にアテンダントを配置し、「お魚のよろず屋」として地域の客に食べ方を提案することを目指す。アテンダントは基本パートタイマーが担う形で拡大中。教育を強化しながら担い手を増やしていく。「食べ方が分からない」というお客に食べ方などを提案したりしながら販売促進を図るのが目的で、今後も強化していく方針だ。

他、商品軸では生マグロについて、盛り合わせやサクに加え、値頃な切り落としやたたきも展開する。


青果は、オープン日は果物を中心に打ち出した。ブドウはシャインマスカット、クイーンルージュ、ピオーネの3品種をよりどり2房1500円で販売。早生ミカンは通常の糖度9度前後に対し12度の高糖度品も調達し、売り込んだ。


野菜はここのところの新店で実施しているオープンセールで袋詰め商品のミックスマッチ販売を実施し、買い得感を打ち出す。強化中のトマト売場では木熟のミニトマトやフルーツミニトマトをそろえ、地元野菜や産地直送の今朝採り野菜、カットフルーツ、果物ギフト、季節の洋花も充実させた。


惣菜は米飯を中心に力を入れる。店内製造の弁当を豊富にそろえ、限定店舗のみで販売する「極味幸米」や「幸玄米」を使った商品を展開する。


新商品としては魚惣菜の「ヤオコー漁火」と中華を含むエスニックメニュー「亜州料理味庵」の2つのコーナーのコラボレーション商品として「焦がしバター香るガーリックシュリンプ」(398円)を投入した。殻が柔らかいソフトシェルシュリンプを使用することで食べやすさを向上させた商品で、クリスマスに向けたパーティ需要を見据えた提案の位置付け。今回は素材のエビが魚惣菜の領域、味付けがアジアンメニューの領域に入ることからコラボレーションとしての打ち出しとなった。

また、カテゴリーでは特に揚げ物を前面に打ち出す。店内で1枚ずつパン粉付けする「手仕込み柔らかロースとんかつ」など主力を含め、売り込みを図る。

寿司は、ランチ需要に向けておむすびといなり寿司、巻き寿司を重点的に展開する。握り寿司は店内炊飯、店内製造にこだわり、午前中はサラダ巻きや値頃の握りなどの定番、午後は夕食需要に向けた高品質な商品へと切り替える運用とする。新商品の「店内手握り鶏かしわ飯」は、具材のゴボウのカットなど含め、全て店内で製造する手の込んだ商品。


ベーカリーでは、焼きたてピザや朝食パンの出来たて販売を夕方限定で行う他、「北海道小麦のカレーパン」は毎日揚げたてをランチに合わせて販売。

日配は、商圏の年齢層を踏まえ、ちくわやはんぺんなどの練り物をプライベートブランド(PB)商品の「Yes!」シリーズを中心に強化し、小容量品やつまみ商品までそろえた。気温が下がる季節に合わせておでんコーナーもオープン日から立ち上げた。
加工肉では生ハムを強化し、ギフト需要に向けて1万円を超える箱入りのブロック商品も用意した。近隣のサイボク(埼玉県日高市)のハム、ソーセージ類も品揃えを広げ、コーナー展開している。



ドライ食品では、コーヒーと茶類を強化し、台湾茶やフレーバーティーも豊富にそろえる。季節に合わせた商品展開や試飲販売を通じ、「お気に入りの一杯が見つかる売場」を目指す。


トレンドのグミは子ども向けの新商品からセルフケアグミまで品揃え。子ども向けを含む菓子としての菓子売場での展開とは別に、セルフケアグミの商品はエスカレーター脇に設けた美容コーナーと関連した展開とした。同コーナーは非食品のPB商品ラインである「Reneful」を含む化粧品や韓国コスメに隣接する形でサプリメント系グミやコラーゲンドリンクなどを組み合わせた「健康」「美容」のキーワードで売場を編集している。


酒は、まるひろ上尾SC店で好評だった「ご当地酎ハイ」のコーナーをメインに据えた他、ハイボールを強化するなどレディトゥドリンクを主力とした展開。毎日の晩酌提案として、圧倒的な品揃えで選ぶ楽しさを訴求していく。


サービス面では、まず、レジはオープン後2週間程度で、セミセルフ4レーン(精算機8台)、フルセルフ12台のフルセルフ主体に移行する。また、ネットスーパーには対応しない他、イートインコーナーも設けていない。イートインについては周辺テナントとの兼ね合いによる面積上の制約が大きかったとしている。
先行する丸広百貨店内の2店については、まるひろ南浦和店が既存店平均を上回る売上で推移している一方、まるひろ上尾SC店はオープンから1年を経てほぼ計画ラインでの推移ということで、同じ駅近の百貨店内出店でもやや差が出ている。
駅前立地ながら車中心の生活者が多い商圏では特に週末においては車でのアクセスも大きな影響を与えるとみられるが、その点、今回のまるひろ入間SC店は駅からやや離れる他、駐車場のポテンシャルは800台と十分。その意味では百貨店内とはいえ、郊外のSCのような使われ方で支持を集めていくことが想定される。
ヤオコーまるひろ入間SC店
所在地/埼玉県入間市豊岡1-6-12まるひろ入間SC地下1階
オープン日/2026年10月9日
営業時間/9時〜21時
駐車台数/800台
駐輪台数/210台
敷地面積/1万1549.90㎡(3493.84坪)
延べ床面積/3032.07㎡(917.19坪、ヤオコー床面積)
店舗面積/2038.90㎡(616.77坪、ヤオコー売場面積)
店長/細谷和秋
従業員数/正社員20人、パートナー、ヘルパー、アルバイト90人(延べ人数)
年間売上高/初年度22億円(予定)
商圏人口/1km圏約2万5000人(約1万3000世帯)、2km圏約7万2000人(約3万5000世帯)、3km圏約13万4000人(約6万5000世帯)









