アリババ、「ニューマニュファクチャリング」をはじめて採用したデジタル工場を発表。IOTをさらに活用

2020.09.17

アリババグループは9月16日、新たな製造モデルである「ニューマニュファクチャリング」を初めて採用したデジタル工場、「迅犀(シュンシー)デジタル工場」(Xunxi Digital Factory)について発表した。

アリババのクラウドコンピューティング基盤とIoT(モノのインターネット)を活用し、中小企業にデジタル化したエンドツーエンドの製造サプライチェーンを提供。完全にカスタマイズされた需要に基づく製造を実現する工場で杭州市に設けられた。

特に零細企業にとっては、顧客の変化するニーズにより迅速に対応することが可能となり、デジタルトランスフォーメーション(DX)の恩恵を得ることができるという。

アリババグループ傘下のXunxi Digital Technology CompanyのCEOアラン・ウーは以下のようにコメントした。

「データはニューマニュファクチャリングの中核であり、データインサイトを活用することは、大量生産品からパーソナライズされた商品へと移る消費者のし好の変化の中で、新たな機会を獲得するための鍵となります。ニューマニュファクチャリングは、データドリヴンのインテリジェンスとテクノロジー提供を通じて、従来型の製造業者を変革し、リアルタイムの需要に基づき製造できる、より俊敏なモデルに移行することができます。これにより、利益拡大と在庫管理を図りながらパーソナライズされた消費者のニーズにも対応できるようになります」

ニューマニュファクチャリングの導入は、2016年に創業者ジャック・マーが発表したアリババの「Five News戦略(ニューリテール、ニューマニュファクチャリング、ニューファイナンス、ニューテクノロジー、ニューエネルギー)」の「新たなマイルストーン」となるという。

製造サイクルの長いアパレル業界からスタート

今回、製造サイクルが長く、在庫量が多いことが事業規模の大小を問わず企業の課題となっているアパレル業界から取り組むこととした。リアルタイムのリソーシング、プロセスとコストのプランニング、自動化された構内物流、製造運用システムなどの新技術を活用し、同工場は小バッチ生産の注文に、合理的なコストと短い納期で対応し、結果として生産効率を25~55%に引き上げる。

トレンド、販売予測モデルと独自の人工知能(AI)支援型の統合生産設計基盤により、製造業者は顧客のし好を把握することが可能になる。情報の流れを改善することで、研究開発費を削減し、急速に変化する消費者が求めるパーソナライゼーションに対応することができるという。

アパレル分野はアリババの中国リテール市場の最大の領域の1つ。これまで業界全体で過剰在庫によって売上高に30%の損失が出ていたという。迅犀デジタル工場の試運転は、「あらゆるビジネスの可能性を広げる力になる(To make it easy to do business anywhere)」というアリババミッションを示すものでもあるという。中小企業が急速に変化するファッション市場で競争力を維持することに貢献する。

同工場は、開設当初から淘宝(Taobao)および天猫(Tmall)のEC(電子商取引)プラットホームの出店業者、ライブ動画配信業者、デザイナーと協力しながら、アパレル製造の新たな可能性を模索し、実験していく。

今後、この取り組みを進める中で、このテクノロジーを現在のファッション・アパレル以外の業界にも展開していく意向。「当社は業界の仲間から学び、パートナーとなって、ニューマニュファクチャリングのエコシステムを共に構築していきたいと考えています」とウーCEOは語っている。

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