クイーンズ伊勢丹千葉店が6月26日オープン、68坪で年商7億2000万目指す駅改札内小型店

2025.07.07

三越伊勢丹のグループ会社で、首都圏を中心に19店のスーパーマーケット(SM)「クイーンズ伊勢丹」を運営するエムアイフードスタイルは6月26日、JR千葉駅のペリエ千葉の駅中3階部分にクイーンズ伊勢丹千葉店をオープンした。シェルガーデンのザ・ガーデン自由が丘ペリエ千葉店の跡地への出店。

駅中、しかも改札内のため売場面積は68坪とコンパクトではあるが、これはザ・ガーデン自由が丘時代と同じ。限られた面積のため、商品構成は一般食品とデリカに特化。同社としては、改札内外の違いはあるもののJR藤沢駅の改札外に出店している藤沢店(神奈川県藤沢市)と同様の商品構成で臨んでいる。

改札内の商業施設に出店した

アイテム数はおよそ3000程度、うちデリカが150~200ほどとなる。乗降客数が約20万人とされるJR千葉駅の改札内ということで、年商目標は7億2000万円と高い販売効率を想定する。通行客がメインとなり、買上点数は3~4点を想定。客単価も1000円以下と低くなるとみられることから、多くの集客が求められる。

同社としては改札内店舗としてJR三鷹駅に三鷹店(東京都三鷹市)を出店。三鷹店では一般食品と、他店で製造したデリカを品揃えしている。今回の買上点数、客単価の想定はこの三鷹店の実績を踏まえたものだ。

また、JR大宮駅の改札外に、デリカに特化したフォーマット「harvest deli produced by QUEEN’S ISETAN」(さいたま市大宮区)を出店しており、駅中の小型店の出店の経験は豊富であるといえる。

レジはカウンター方式としている。多数のお客さまをスピーディに流す必要がある

小型店ながら高い販売効率を見込む一方で、従業員数については正社員、パートタイマー合わせて29人による運営。通常のスーパーマーケットと比べ少数であることから、今回、複数部門の業務をマルチにこなすような体制を構築していく方針。

「この規模感なので、販売サービス、一般食品の人もデリカを手伝って、デリカの人もレジを打てるように、といったような効率の良い働き方を目指す。働き方を改革するモデル店となれるよう推進していきたい」(大極 知店長)

ただし、デリカでも製造に関してはあくまでデリカの担当者が行うなど業務の難易度に応じた運用とし、作業場から売場まで商品を運ぶ作業などを他部門が手伝うといったことが行われている。

「生鮮がない分、初期投資が抑えられた。だからこそ、なるべく早く利益を出していかないといけない」(渡邉昌宏・SM運営部マネージャー)。高い販売効率であってもローコストオペレーションはしっかり求められるわけだ。

弁当の一部、温惣菜は店内加工で展開

ペリエ千葉は、JR千葉駅構内に位置する商業施設で、その施設内3階の改札内への小型店としての出店となる。通勤、通学、乗り継ぎの合間に立ち寄ることができる改札内ということで、平日は朝7時30分から営業。朝食、昼食をはじめ、帰宅時の夕食のおかずや家呑みのおつまみ需要を想定している。

週末を控えた金曜日の夜などにはバイヤー買い付け高コスパワインを試飲販売するなど、需要に応じた打ち出しを行う

特に酒類は企業としても強みが生きる分野として強化。施設内にお酒専門店があるため、高価格帯の商品も取り扱うものの、差別化を意識して自社で買い付けた1000円前後の値頃のワインを売り込む。日配商品はそれほど高い需要を見込んでいないが、おつまみとしての買い上げに期待する

デリカコーナーでは、千葉県産のアジやイワシを使ったフライをはじめ、横浜中華街「重慶飯店」監修の本格中華惣菜、亀戸の老舗「升本」の弁当など付加価値がある商品も展開。

バックヤードには厨房もあるため、弁当の一部と揚げ物などの温惣菜について店内調理も行っている。弁当については仕入れも含むアウトパックの商品も導入し、品揃えのバラエイティを実現。店内製造の弁当用ご飯、およびベーカリー商品は自社工場から直送し販売している。

揚げ物や弁当の一部を店内加工。シズル感を打ち出した販売を行う
弁当は店内加工、自社工場製、仕入れの商品を展開。朝は7時30分から営業するため、自社工場製は重要だ
専門店などの仕入れ商品もラインアップ。「駅弁」的な「選ぶ楽しさ」を創出していく

ベーカリーコーナーでは、「クイーンズベーカリー」のパンを自社工場から毎日直送。さらに、千葉で人気の「シャポードパイユ」のサンドイッチや、国産小麦と北海道産バターを使用したキューブ型のパン「Pain de mini(パンドミニ)」も取り扱う。

自社工場から直送される商品でベーカリーコーナーを構成している

また、ギフトコーナーも充実。移動中の手土産需要を見込むなど、駅利用客の生活シーンに合わせた商品展開。ガーデン自由が丘時代にギフト系の菓子などが好調だったということで、エムアイフードスタイルとしてもプライベートブランド(PB)商品などを生かしながらギフト需要を捉える。

菓子では千葉県の魅力を詰め込んだラインアップをそろえ、千葉銘菓「御菓子司千葉虎屋」や「与三郎の豆」「オランダ家」など、地元・千葉に根差した商品を導入。

千葉県の特産品である落花生を中心とした豆菓子の「与三郎の豆」などをギフトコーナーで展開
平台では手作りの和菓子にこだわる御菓子司千葉虎屋の代表銘菓「どら焼き」や千葉の和洋菓子専門店のオランダ家の千葉県産落花生を使用した餡を包んで焼き上げた「楽花生パイ」など地元の菓子を展開
ギフトだけでなく、日常使いの商品や輸入菓子なども展開するなど、菓子に注力
限られた売場ではあるが、既存店でも販売している「クリスピー・クリーム・ドーナツ」を売場貸しの形で導入。コーナーとしてのインパクトを生み出している
サラダやサンドイッチ、和惣菜など冷惣菜もコーナー化して展開。左下はシャポードパイユの商品。北海道産小麦使用のバゲットにハムやベーコン、マヨネーズなど手作りの具材を挟んだサンドイッチが看板商品
生鮮食品は基本的に取り扱いがないが、即食需要の果物(カットフルーツ)は展開
常温のプロモーションコーナーでも季節の果物を取りそろえている。オープン日の6月26日には山形県産のサクランボが並んだ
立地的に日配にはそれほどの需要はないと見るが、おつまみとしての買い上げなどを期待

クイーンズ伊勢丹公式アプリやLINEではお買い得情報やイベント情報の配信、「ISETAN MITSUKOSHI THE FOOD(ミツコシイセタンザ・フード)」をはじめ、エムアイフードスタイルのPB商品の展開を通じて、ブランドを訴求。日常に「変化」と「発見」を届けることを目指している。

PBのレトルト商品は自社工場で製造しているという独自の強みもあることからしっかりと売り込む。同店の場合、ナショナルブランド商品も絞り込まれているため、PBの売上高構成比は3割程度と高い水準を見込む
PB商品の冷凍スープは自社工場製。冷凍食品のカテゴリーをけん引するアイテム群として訴求している

駅中という特殊な立地での確実なフォーマット構築が求められるが、「人はたくさんいらっしゃるので、いかに流動客的なお客さまを固定客として取り込んでいくかが使命。そこからさらに口コミで広がって固定客が増えていけば」と大極店長は力を込める。

千葉店ではデリカの売上高構成比25%弱菓子で20%程度を見込んでおり、この2つのカテゴリーが大きな柱となる。

「とにかく駅中はお客さまがたくさんいらっしゃるので、いかに店内に呼び込めるかが課題。お客さまのニーズに合った商品を取りそろえることで(客)単価を上げて、利益を確保するということを徹底していくことが重要。SMとしては差益が高いデリカ商材をメインに販売していきたい」(渡邉マネージャー)

「(売場が狭いため、既存店と比べても)デリカの展開アイテムをだいぶ絞っているので、季節の商品で変化を付けながら単価を上げていきたい」(大極店長)

駅中ということで、高い不動産費は避けられない。坪当たり販売効率約1059万円という高い販売効率の中で、ローコストオペレーションを着実に実行していくことに加え、デリカをしっかり売り込みながら粗利益を確保していくことも今回のフォーマット成功の鍵になりそうだ。

クイーンズ伊勢丹千葉店概要

所在地/千葉県千葉市中央区新千葉1-1-1ペリエ千葉エキナカ3F

営業時間/7時30分~22時(平日)、9時~21時(土日祝)

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